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こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
「何かを噛むとズキッとする」
「食べるたびに違和感がある」
「でも、何もしてないときは痛くない」
そんな“噛んだときだけ痛む”という症状、
実はとても多いご相談のひとつです。
そしてその中には、見逃せない原因――
**「歯のひび(亀裂)」**が隠れていることもあります。
今日はそんな「噛むと痛い」原因と、
放っておくとどうなるのか、
そして、どうすれば守れるのかをやさしく解説します。
「ズキッとくる」「ピキッと響く」「しみるような痛み」など、
表現の仕方は人それぞれですが、共通しているのは、
**“噛んだときにだけ痛い”**ということ。
じっとしていると痛みはないのに、
おせんべいやパンの耳、ステーキなど、少し硬めのものを噛んだ瞬間に痛みが走る…。
これがまさに、“歯のひび”のサインかもしれません。
歯にできる“ひび”は、医学的には「クラック」と呼ばれます。
髪の毛ほどの細いひびが、エナメル質や象牙質に入ることで、
噛んだときに圧力がかかり、神経に刺激が伝わって痛むのです。
「ひび」と聞くと怖いイメージですが、
小さいうちは気づかないことも多く、レントゲンでも映らないことがあります。
ただ、放っておくと徐々に深くなり、
最終的には歯の根まで割れてしまうことも。
そうなると、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。
強い噛みしめ・歯ぎしり
寝ている間やストレス時の食いしばりは、歯に想像以上の力をかけます。
その繰り返しで、少しずつヒビが入っていくことがあります。
金属の詰め物や被せ物
古い金属の詰め物は、咬む力の分散が悪く、
その境目に負担が集中してひびが入りやすい部分です。
硬いものを噛んだとき
「氷」「梅干しの種」「硬いせんべい」などをガリッと噛んだ瞬間、
小さな亀裂が入ることもあります。
加齢・長年の使用
歯も道具のように長年使えば少しずつ疲労します。
小さなダメージが積み重なって、ある日突然「ピキッ」とくることも。
歯の高さや向きのバランスが崩れていると、
特定の歯だけに強い力がかかります。
その結果、炎症やひび、神経の痛みが出ることもあります。
特に、被せ物をした後に「なんとなく噛みにくい」と感じる方は、
噛み合わせ調整で改善できる場合もあります。
歯そのものではなく、
歯の根の周りにある“骨や歯ぐき”の炎症が原因のこともあります。
この場合は「押すと痛い」「違和感が続く」といった症状が出やすいです。
細菌感染が関わっている場合もあり、
放置すると膿がたまってしまうこともあるので注意が必要です。
「噛むと痛いけど、そんなにひどくないし…」
と我慢していると、実は危険な方向に進んでしまうことがあります。
歯のひびは、自然にくっつくことはありません。
時間が経つと少しずつ深くなり、
最終的には歯の神経や根にまで達してしまいます。
すると、
神経が炎症を起こしてズキズキ痛む
歯の根に膿がたまる
歯が割れて抜歯になる
という流れになってしまうことも。
早めに見つけて、力のかかり方を調整したり、保護することで、
歯を守れるケースが多いです。
実は、レントゲンに写らないほど細いことが多いのが“歯のひび”の厄介なところ。
ですから、見た目だけでは判断が難しいんです。
そこで歯科では、
拡大鏡やマイクロスコープでの視診
染め出し剤での確認
噛んだときの痛みテスト(咬合テスト)
などを組み合わせて、総合的に判断します。
小さなひびも見逃さないよう、慎重にチェックしていきます。
・研磨やコーティングで保護し、経過観察
・噛み合わせの調整で負担を減らす
・詰め物・被せ物で力を分散
・知覚過敏を抑える薬剤を塗布
・神経の治療(根管治療)
・それでも割れている場合は、残念ながら抜歯が必要になることも
ただし、すべてのケースが抜歯ではありません。
「早く見つける」ことで、残せる可能性がぐっと高まります。
歯ぎしり対策をする
ナイトガード(マウスピース)で寝ている間の負担を軽減しましょう。
硬いものを無理に噛まない
氷や骨つき肉の硬い部分など、歯にダメージを与える食べ物は控えめに。
歯みがきは優しく
硬いブラシでゴシゴシ磨くと、根元が削れてひびの原因にも。
定期検診でチェック
小さな変化を早めに見つければ、深い亀裂になる前に対処できます。
「噛むと痛い」「違和感が続く」という患者さんには、
まず噛み合わせ・歯の動揺・ひびの有無を丁寧にチェックします。
必要に応じて、
マイクロスコープでの確認や、
マウスピースによる保護、
被せ物の再調整などを行いながら、
できるだけ“歯を抜かずに守る”方向で治療します。
また、力のかかり方の癖や、食いしばりの習慣も一緒に見直していきます。
「力のバランスを整える」ことが、歯を長持ちさせる大きなカギになります。
「噛むと痛い」は“歯のひび”のサインかも
放置するとひびが深くなり、最悪抜歯になることも
早期発見・早期治療で、歯を守ることができる
歯ぎしり・強い噛みしめ・硬いものを控えて予防を
「噛むと痛い」は、歯が出している小さなSOSです。
放っておくより、早めに原因を調べてあげることが、
あなたの歯を長く守る一番の近道です。
もし思い当たる症状があれば、
どうぞお気軽にご相談くださいね。
私たちと一緒に、“噛むと痛くない”快適な毎日を取り戻しましょう。
次回・第7弾は、
👉 「朝起きるとあごがだるい…もしかして“歯ぎしり”?」