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しらやま歯科クリニック

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第9弾👉 「歯ぐきから血が出る…それ、歯周病のサインかも?」

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしていますが、実は日々の診療の中でとても多いご相談のひとつが——
「歯ぐきから血が出るんです」というものです。

歯を磨いていたら、歯ブラシに血がついた。
うがいをしたら、なんとなく赤くなっていた。
そんな経験、ありませんか?

「まあ、たいしたことないでしょ」と放っておく方も多いのですが、実はそれ、歯周病の始まりかもしれません。

今回は、歯ぐきから血が出る原因と、その対処法を、やさしくわかりやすくお話しします。


◆ そもそも、歯ぐきから血が出るのはなぜ?

歯ぐきから血が出る最大の理由は、「歯ぐきに炎症が起きているから」です。
この炎症の多くは、**プラーク(歯垢)**が原因です。

歯と歯ぐきの境目に、歯ブラシの毛先が届かず、プラークがたまると、その中の細菌が歯ぐきを刺激します。
すると、歯ぐきが赤く腫れて、少しの刺激でも出血しやすくなるのです。

この段階を「歯肉炎」と呼びます。
歯ぐきに炎症があるものの、まだ骨は溶けていない状態。
しっかりケアすれば、元の健康な歯ぐきに戻る可能性が高いです。


◆ 放っておくと、歯周病が進行してしまう…

しかし、この「歯肉炎」をそのまま放っておくと、炎症が深い部分まで広がっていきます。
やがて、歯を支える骨(歯槽骨)が溶け始め、歯がグラグラしてくるのです。

この状態が「歯周炎」=一般的に言う歯周病です。

歯周病が進むと、次のような症状が出てきます。

  • 朝起きると、口の中がねばつく

  • 歯ぐきが下がって、歯が長く見える

  • 歯が動く、噛みにくい

  • 口臭が強くなる

そして、怖いのは——
痛みがほとんどないまま進行するということ。

気づいたときには、歯を支える骨が大きく減っていて、「抜歯が必要になるケース」も珍しくありません。


◆ 「血が出た」=すでにサインが出ている!

実は、健康な歯ぐきは、どんなに強く磨いても出血しません
つまり、「血が出る」というのは、もうすでに何かしらのトラブルが起こっている証拠。

「最近、歯ブラシのときに血がつくな…」
「フロスをすると痛いし、血が出る…」

そんなときこそ、歯科でのチェックが必要です。


◆ 歯ぐきの出血をそのままにすると…?

「でも痛くないし、まだ大丈夫」と放置してしまうと、気づかないうちに歯周ポケットが深くなっていきます。

ポケットの奥にたまった汚れは、もう歯ブラシでは取り除けません。
そこからさらに細菌が増え、炎症が強くなって、
→ 骨が減る
→ 歯が動く
→ 最後には歯が抜けてしまう…

という流れに進んでいくのです。

歯周病は、「日本人が歯を失う原因の第1位」。
しかも、30代・40代でもすでに軽度の歯周病がある方が多いのが現実です。


◆ 出血を減らすためにできること

では、「歯ぐきから血が出る」ときにどうすればいいのでしょうか?
ポイントは3つあります。


① やさしく、でもしっかり磨く

「血が出るから、磨かないようにしよう…」
そう思ってしまう方も多いのですが、実は逆効果。

汚れをそのままにしてしまうと、炎症が悪化して、さらに出血が増えてしまいます。

大切なのは、「やさしく、でもしっかり」磨くこと。
毛先の柔らかい歯ブラシを使って、歯と歯ぐきの境目をなでるように磨きましょう。


② フロスや歯間ブラシを使う

歯と歯の間は、歯ブラシだけでは約40%の汚れが残るといわれています。
そこにプラークがたまると、歯ぐきが炎症を起こしやすくなります。

フロスや歯間ブラシを使うことで、細菌のすみかをしっかり除去できます。
「血が出るから怖い」という方も多いですが、使い続けることで徐々に出血は減っていきますよ。


③ 歯科での定期クリーニング

自宅でのケアには限界があります。
特に、歯石(硬くなった汚れ)は自分では取れません。

歯科医院では、専用の器具で歯石を除去し、歯ぐきをきれいな状態にリセットします。
その上で、正しいブラッシング方法をお伝えしますので、「家での磨き方が変わった」と感じる方も多いです。


◆ 出血の原因は、歯周病だけじゃないことも

歯ぐきから血が出る原因の多くは歯周病ですが、それ以外のケースもあります。

  • ホルモンバランスの変化(思春期・妊娠中など)

  • ビタミンC不足

  • 全身疾患(糖尿病・血液疾患など)

  • 強すぎるブラッシング圧

特に妊婦さんは、ホルモンの影響で歯ぐきが腫れやすく、出血しやすくなります。
「妊娠性歯肉炎」と呼ばれるもので、放置すると出産後も歯周病が進むことがあります。
体調に合わせたケアを歯科で相談するのがおすすめです。


◆ 「出血が治まってきた=治った」ではない!

一時的に血が止まったからといって、油断は禁物です。
一見きれいに見えても、ポケットの奥で炎症がくすぶっていることがあります。

「出血がなくなった」ではなく、
「歯ぐきの色がピンクで引き締まっている」
「口の中がスッキリしている」
そんな状態を目指しましょう。


◆ まとめ:歯ぐきの“血”は、体からのSOS!

歯ぐきから血が出るのは、体が「助けて!」と出しているサイン。
その声を見逃さず、早めに歯科を受診してほしいと思います。

そして、歯周病は「予防できる病気」です。
毎日のセルフケア+定期的なプロのクリーニングで、健康な歯ぐきを取り戻すことができます。

しらやま歯科クリニックでは、痛みの少ないクリーニングと、やさしいブラッシング指導を心がけています。
「最近、歯ぐきが気になる」「血が出るけど原因がわからない」——
そんなときは、どうぞお気軽にご相談くださいね。


次回の第10弾は、
👉「歯がグラグラする…それ、放っておくと危険です!」

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