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しらやま歯科クリニック

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第6弾👉 「噛むと痛い!それ、歯のひびかも?」

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

「何かを噛むとズキッとする」
「食べるたびに違和感がある」
「でも、何もしてないときは痛くない」

そんな“噛んだときだけ痛む”という症状、
実はとても多いご相談のひとつです。

そしてその中には、見逃せない原因――
**「歯のひび(亀裂)」**が隠れていることもあります。

今日はそんな「噛むと痛い」原因と、
放っておくとどうなるのか、
そして、どうすれば守れるのかをやさしく解説します。


■ 「噛むと痛い」って、どんな状態?

「ズキッとくる」「ピキッと響く」「しみるような痛み」など、
表現の仕方は人それぞれですが、共通しているのは、
**“噛んだときにだけ痛い”**ということ。

じっとしていると痛みはないのに、
おせんべいやパンの耳、ステーキなど、少し硬めのものを噛んだ瞬間に痛みが走る…。
これがまさに、“歯のひび”のサインかもしれません。


■ 原因その① 歯のひび(クラック)

歯にできる“ひび”は、医学的には「クラック」と呼ばれます。
髪の毛ほどの細いひびが、エナメル質や象牙質に入ることで、
噛んだときに圧力がかかり、神経に刺激が伝わって痛むのです。

「ひび」と聞くと怖いイメージですが、
小さいうちは気づかないことも多く、レントゲンでも映らないことがあります。

ただ、放っておくと徐々に深くなり、
最終的には歯の根まで割れてしまうことも。
そうなると、最悪の場合は抜歯が必要になることもあります。


▶ なぜ“ひび”が入るの?

  • 強い噛みしめ・歯ぎしり
    寝ている間やストレス時の食いしばりは、歯に想像以上の力をかけます。
    その繰り返しで、少しずつヒビが入っていくことがあります。

  • 金属の詰め物や被せ物
    古い金属の詰め物は、咬む力の分散が悪く、
    その境目に負担が集中してひびが入りやすい部分です。

  • 硬いものを噛んだとき
    「氷」「梅干しの種」「硬いせんべい」などをガリッと噛んだ瞬間、
    小さな亀裂が入ることもあります。

  • 加齢・長年の使用
    歯も道具のように長年使えば少しずつ疲労します。
    小さなダメージが積み重なって、ある日突然「ピキッ」とくることも。


■ 原因その② 噛み合わせのズレ

歯の高さや向きのバランスが崩れていると、
特定の歯だけに強い力がかかります。
その結果、炎症やひび、神経の痛みが出ることもあります。

特に、被せ物をした後に「なんとなく噛みにくい」と感じる方は、
噛み合わせ調整で改善できる場合もあります。


■ 原因その③ 歯ぐきや骨の炎症

歯そのものではなく、
歯の根の周りにある“骨や歯ぐき”の炎症が原因のこともあります。
この場合は「押すと痛い」「違和感が続く」といった症状が出やすいです。

細菌感染が関わっている場合もあり、
放置すると膿がたまってしまうこともあるので注意が必要です。


■ 歯のひびを放っておくとどうなる?

「噛むと痛いけど、そんなにひどくないし…」
と我慢していると、実は危険な方向に進んでしまうことがあります。

歯のひびは、自然にくっつくことはありません。
時間が経つと少しずつ深くなり、
最終的には歯の神経や根にまで達してしまいます。

すると、

  • 神経が炎症を起こしてズキズキ痛む

  • 歯の根に膿がたまる

  • 歯が割れて抜歯になる

という流れになってしまうことも。

早めに見つけて、力のかかり方を調整したり、保護することで、
歯を守れるケースが多いです。


■ 歯のひびはどうやって見つけるの?

実は、レントゲンに写らないほど細いことが多いのが“歯のひび”の厄介なところ。
ですから、見た目だけでは判断が難しいんです。

そこで歯科では、

  • 拡大鏡やマイクロスコープでの視診

  • 染め出し剤での確認

  • 噛んだときの痛みテスト(咬合テスト)
    などを組み合わせて、総合的に判断します。

小さなひびも見逃さないよう、慎重にチェックしていきます。


■ 治療法は、ひびの深さで変わります

▷ 軽度(表面だけのひび)

・研磨やコーティングで保護し、経過観察
・噛み合わせの調整で負担を減らす

▷ 中等度(象牙質まで)

・詰め物・被せ物で力を分散
・知覚過敏を抑える薬剤を塗布

▷ 重度(神経や根まで)

・神経の治療(根管治療)
・それでも割れている場合は、残念ながら抜歯が必要になることも

ただし、すべてのケースが抜歯ではありません。
「早く見つける」ことで、残せる可能性がぐっと高まります。


■ 自分でできる“ひび予防”のポイント

  1. 歯ぎしり対策をする
     ナイトガード(マウスピース)で寝ている間の負担を軽減しましょう。

  2. 硬いものを無理に噛まない
     氷や骨つき肉の硬い部分など、歯にダメージを与える食べ物は控えめに。

  3. 歯みがきは優しく
     硬いブラシでゴシゴシ磨くと、根元が削れてひびの原因にも。

  4. 定期検診でチェック
     小さな変化を早めに見つければ、深い亀裂になる前に対処できます。


■ しらやま歯科クリニックでは

「噛むと痛い」「違和感が続く」という患者さんには、
まず噛み合わせ・歯の動揺・ひびの有無を丁寧にチェックします。

必要に応じて、
マイクロスコープでの確認や、
マウスピースによる保護、
被せ物の再調整などを行いながら、
できるだけ“歯を抜かずに守る”方向で治療します。

また、力のかかり方の癖や、食いしばりの習慣も一緒に見直していきます。
「力のバランスを整える」ことが、歯を長持ちさせる大きなカギになります。


■ まとめ

  • 「噛むと痛い」は“歯のひび”のサインかも

  • 放置するとひびが深くなり、最悪抜歯になることも

  • 早期発見・早期治療で、歯を守ることができる

  • 歯ぎしり・強い噛みしめ・硬いものを控えて予防を


「噛むと痛い」は、歯が出している小さなSOSです。
放っておくより、早めに原因を調べてあげることが、
あなたの歯を長く守る一番の近道です。

もし思い当たる症状があれば、
どうぞお気軽にご相談くださいね。
私たちと一緒に、“噛むと痛くない”快適な毎日を取り戻しましょう。


次回・第7弾は、
👉 「朝起きるとあごがだるい…もしかして“歯ぎしり”?」

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