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こんにちは。
宝塚市の隣、兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしているしらやまです。
虫歯を治したり、子供の歯を治療したり、矯正したりしています。
今回は歯科医院で行っている歯の染め出しについてのお話です。
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当院では4月から小学生を中心に、「歯の染め出し」を始めています。
ただ、今これをお読みのあなたは染め出しと言われても何のことだか、なかなかイメージが湧かないかもしれません。
もしかしたら小さい時に一度はやったことがある方もいるかもしれません。
では、本題です。
染め出しではイチゴシロップのような赤いお薬を歯に塗ることで歯の表面に付着したプラークを確認することができます。
プラークはバイオフィルムとも呼ばれ、細菌が増殖して塊となったものです。
この、バイオフィルム、めちゃくちゃ怖いんです…。
わかりやすく言うと、排水溝のぬめり。
あれがバイオフィルムです。(口の中と排水溝を並列に並べてしまってごめんなさい(笑))
菌はあのヌメヌメを作り出し、菌同士で強く絡み合います。
このヌメヌメ、掃除をしたことがある方ならわかると思いますが、なかなか取れないんです。
物理的にも取れにくいですが、薬もなかなか効かない…。
そこで人間にとっても少し危ない、パイプユニッシュのような強い強い薬が必要になります。
話を戻します。
ヒトの体には自分の細胞よりも多くの細菌が存在しています。
口腔内では約1000種類もの細菌が細菌叢と呼ばれる集団を作って生息しています。
その細菌たちが歯の表面に形成するバイオフィルムは、歯科の2大疾患である虫歯と歯周病の直接の原因となっています。
言い換えると、虫歯菌と歯周病菌がヌメヌメを出しながら、バリアーを作り、自分たちが住みやすい場所を口の中に作っているのです。
そう考えるだけで、なんだかムズムズしますね(笑)
また糖尿病や動脈硬化などの全身疾患との関わりも指摘されています。
全身の健康を保つ上でも、バイオフィルムの知識や取り除く方法を身につけることはとても重要です。
では虫歯ができる過程でバイオフィルムがどのように関わりを持つのかを確認していきましょう。
私たちが甘いものを食べると、バイオフィルムの中の細菌が糖分を代謝して酸を作ります。
この細菌というのが、虫歯菌と歯周病菌のことですね。
その酸が細菌たちへのストレスとなって、より酸性になりやすい環境になります。
その結果として酸に強い細菌が、生き残りやすいように細菌叢に変化が起こり、結果として虫歯が進行していきます。
つまり虫歯の原因となるバイオフィルムを適切に取り除くことができれば、虫歯になる原因を根本的に解決することができます。
思ったよりも問題解決は一本道のようです。
ではどうすればこの諸悪の根源であるバイオフィルムを取り除くことができるのでしょうか。
それは適切な歯みがきによって達成することができます
え?と思ったあなた!
歯磨きをなめてはいけません!
実はかなり大切な行動の一つです。
でももちろんきちんと行わなくてはいけません。
どのようなブラッシングが効果的なのか見ていきましょう。
1日3回、毎食後に歯をみがくという方も多いと思いますが、研究では1日に二回と3回磨く場合で虫歯の発生に大きな差は認められていません。
ただし、それ以下の回数では虫歯ができやすくなるので一日二回以上磨くことが望ましいです。
さらに、「歯磨きをしている」と「歯磨きができている」は全く別で歯ブラシが当たっていないところは何日も磨いていないのと同じことになってしまいます。
そこで染め出しを行って、どこが自分が自分で磨けないところなのかを知っておくことが大切です。
やっと本題ですね(笑)
染め出しの重要性を語りたいがために、かなり長い前置きになりました。
染め出しを行うと、歯のどこにバイオフィルムが付いているのかを確認することができます。
そしてこのバイオフィルムは歯ブラシでこそぎ取ることができるのです。
つまり、色がついているところをもっと歯磨きしようね、ということです。
ただブラシを当てるだけでなくて、「どのようにブラシを動かしたら、色が効率よく消えてくれるのか」を考えながら、歯磨きをすることになると思います。
それって、「どのようにブラシを動かしたら、効率よくバイオフィルムが取れやすいか」と同じことを学習しているというのはここまで読んでくださったみなさんなら、もうお分かりですよね。
歯磨きは死ぬまで一生行う行動です。
こんな大切な行動を効率よくできるようになると、そのスキルは一生の宝物です。
さあ、あなたはどれぐらい歯磨きできているでしょう?
歯科医院で確認してみるのはいかがでしょうか?