〒662-0811 兵庫県西宮市仁川町2丁目4-13 1F
0798-56-7001

しらやま歯科クリニック

ブログ

Blog

どんな衛生士さんでも一度はつまずくこと【なぜ衛生士さんは行き詰ってしまうのか】

こんにちは。

宝塚市の隣、西宮市仁川町で歯医者をしている白山です。

虫歯を治療したり、子供の歯を治したり、矯正したりしています。

さて、今回は【衛生士さんがつまずきやすい最大のポイント】について話をしていきます。

衛生士さんになりたての方は、今現在悩んでいるポイントかもしれないし、ベテランの方は「あー!そういう時あった!」と共感してもらえるポイントだと思います。

今まであってきた衛生士さんすべてに当てはまったことなので、これを読んでいるあなたもどこか感じてもらえる部分はあると思います。

それでは、本編に向かいましょう。

結論から言うと、絶対につまずくポイントは“患者さんとの話し方”です。

TBIのやり方です。

衛生士さんの仕事は大きく分けると、

1、技術的な部分  → スケーリングやルートプレーニングなど

2、話し方の部分  → TBIなど

に分かれます。

もちろん、ほかの業務もありますが、この二つの仕事は確実にふられる仕事だと思います。

おそらく衛生士学校に現在通っている学生さんは、「技術が身につくかな…」とか「技術面が不安…」と1の技術の部分に多く目を向けていると思います。

実際、当院で働いている衛生士さんも、入職初めに何が心配か聞くと、「ちゃんと歯石が取れるかどうか…」と技術の部分を中心に気にしていました。

とてもよくわかります。

一歩間違えれば、相手にケガを負わせてしまうような鋭利な道具を口の中に入れて動かすわけですから。

また、歯石を取り残すかどうかは1か0の話で目で見て取り残しがあるのに「残ってない!」と言い切ることはできません。

そして取り残していると“だめな衛生士”のレッテルを貼られるような気がしてしまいます。(実際はそんなことないですよ!伸びしろがあるということです!)

でも、大丈夫。

反対に目で見てわかる1か0の世界ですから、正解がはっきりしているのです。

もし取るのが下手なら練習です。

もしくは先輩の衛生士さんやドクターに聞くのもいいですね。

最後は技術職なので、自分でコツのようなものを体得しなければいけませんが、そのための情報は周りにたくさんおちています。

正解がはっきりしているからこそ、できたできていないが自分でも分かるのできちんと仕事に向き合っていれば確実に成長できます。

なので学校でもカリキュラムとしてしっかりあります。

ただ、TBIの方法はほとんど習いません。

しかもみんな独学でこんなもんかなと行っているので、上手な人もいれば全くできていない人もいます。

全くできていない、というか全くしない人もいます。

それはなぜなのでしょうか?

それは仕事内容が“話し方”であるという特殊な部分にあります。

世間一般からすると仕事の多くはコミュニケーションで成り立っています。

テレアポ、営業、売り込み…

どのように話をして、どのように自分を見せて…

ということをしっかり教え込まされます。

アパレルの店員さんも、独特なしゃべり方がよくネタとして取りただされますが、あの話し方が最適なのでしょう。

あの話し方=カリスマ店員というイメージ方程式を作り上げた店員の方々にはすごいなと頭が上がりません。

話を戻します。

本来仕事というのは、孫社長も八百屋のおっちゃんも話すことで成立することがほとんどです。

しかしその中でもコミュニケーションを免除されている仕事があります。

その仕事を総称して【技術職】といいます。

例えばプログラマーや車を作る方とか。

衛生士さんの仕事は技術職だと思っている方は多いと思います。もちろん技術職です。

しかし、医療系は技術よりも先にコミュニケーションがきます。

人を相手に仕事をしますからね。

ここが意識的にも難しい部分だと思います。

技術職だと思って仕事を始めたら、そうではなかった。

まずはこの認識を理解すると楽になりますよ。

衛生士さんの仕事にコミュニケーションのスキルは必要不可欠なのです。

ただここで問題になってくるのは、コミュニケーションと人間力とはすごく近いところにあるということです。

(人間力とはその人の持つ雰囲気とか好かれやすさとか懐の深さとかを、なんとなく総称しています。)

なのでコミュニケーションはテクニックはたくさんありますが、最終的には人間力が上がらない限りはうまくなりません。

小手先のテクニックだけでは人の心は動かないということです。

(テクニックもそれはそれで大切なので、また記事にしますね。)

ではコミュニケーションを学ぶ、となると今までの人間力が否定されることになります。

「語尾が伸びていると、相手に響かないよ」と指摘したとします。

あなたはどう感じますか?

「私だって相手を思ってちゃんと話しているつもりなのに、ひどい!!」と思う人も少なくないでしょう。

「ここの部分の歯石は見落としやすいから気を付けて」はすぐ納得できるのに、人間って不思議ですね(笑)

決してその人自身を貶めたりする意志はないのに、コミュニケーションスキルの指摘や指導は一歩間違えるとそのような雰囲気になってしまうため、学校でも教えないし医院でも教えないです。

でもなんとなく本人は気付いているんですよね。

相手に響いていないなとか、うまく話せていない自分に気づいているんです。

でも誰も指摘しないし、うまくいってるかどうかの結果が明確に出ているわけでもないので、ゆっくりコミュニケーションから離れていきます。

患者さんにしっかりと状況を伝えるということをあきらめてしまうのですね。

でもスケーリングなどの技術のスキルは残っていますから、仕事はあります。

毎日スケーリングをして、患者さんには「お変わりありませんか」と「ではまた3か月後に」しか言わない。

ロボットに近づいて行ってることは明白です。

シンプルに、仕事をしていても楽しくなさそうですよね。

コミュニケーションもスキルなので練習で何とかなります。

ただその道はまるで自分を否定されたかのように感じるしんどい道です。

でもこの道から逃げることなく、立ち向かっていくことを願います。

また医院サイドも、この道をあきらめないような工夫をこらせるように企業努力が必要だと思います。

当院ではどこまでできているかはわかりませんが、このコミュニケーションをとても大切にしています。

コミュニケーションを怠るぐらいなら、この医院はないほうがいい!ぐらいの気持ちで臨んでいます(笑)

この記事を読んで、少しでも患者さんと話す機会が増えた方いたのならうれしいです。

テクニックやメンタルなどはほかの記事に書いていこうと思いますので、もしよかったら読んでくださいねー!

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ