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しらやま歯科クリニック

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口腔崩壊について考える2

こんにちは、白山です。
西宮市仁川駅の近くで、子供とお母さんの歯を治したり、地域のみんなの歯を予防するためにメンテナンスや矯正をしたりしております。

では、虫歯の治療費ってそんなに高いのでしょうか?

ざっくりした虫歯の治療費はこんな感じです。

【病名】CO (痛みがない小さな虫歯)

【治療法】適切な歯磨き・フッ素塗布など

【金額】0〜1,500円程度

【病名】C1 (ほとんど痛みがない、たまに水がしみる程度)

【治療法】レジン充填

【金額】1,500円〜2,500円程度

【病名】C2 (痛みがある、冷たい食べ物がしみる)

【治療法】銀色の詰め物(インレー)

【金額】1,500円〜60,000円程度

【病名】C3 (激しい痛み、何もしてなくても痛い)

【治療法】神経を取る→ 被せ物(クラウン)

【金額】3,000円〜10,000円程度

【病名】C4 (ひどい臭いのする膿が出たり、顔が腫れる)

【治療法】抜歯→ ブリッジ or 部分入れ歯

【金額】5,000円〜30,000円程度

かなりざっくり分けたので、実際の治療を受けて「ここに書いてある金額ではなかった!詐欺だ!」とかは言わないでくださいね。

でも、そこまで外した金額でもないと思います。

つまり大体1500円くらいから30000円くらいで治療を受けられるということです。

もちろん詰め物を高級な素材にすると、保険がきかなくなるのでめちゃくちゃ高くなります。

この金額、正直、両親がきちんと働いていれば払える金額ではないでしょうか?

では、ここを掘り下げる前に、虫歯が増えたらどうなるかをもう一度考えてみます。

虫歯を放置しているといろいろな病気になる。

虫歯を放置すると恐ろしい病気になります。

もちろん、先ほど書かせてもらったように奥歯から歯がどんどん壊れていくという怖さはあります。

しかしそれだけではありません。

なんと虫歯菌というのは、歯の中だけを犯していくものではないのです。

虫歯菌は繁殖し、歯の神経を腐らせ、そしてアゴの骨にまで虫歯菌が到達します。

つまり虫歯菌は歯を突破して、骨まで、そして血流にのって全身へ向かっていくのです。

こうなると、全身のいたるところで虫歯菌が繁殖し、体調が悪くなっていきます。

虫歯が全身に流れていくなんて、想像するだけで怖い…。

こんな怖い病気なのに、先ほどの金額を惜しむのはなぜなのでしょうか?

もう少しお金に関して考えてみます。

国民健康保険が高いのか?

収入に応じて国民健康を支払う義務がありますが、これが無茶苦茶高いんです。

言わなくても、みなさんご存知ですよねw

例えば毎月20万円ほどの収入に対して、月々31000円ぐらいを支払っているのが国民健康保険です。

これが支払えないと差し押さえなんかもあるみたいです。

もしかすると、この支払いが厳しいのかもしれない。

しかしこの支払いができないと、さっき書いた金額が3倍以上になります…。

これはこれで支払いが難しいですよね。

だからこその「歯科治療費が高くて治療できない」という意見につながるのかもしれませんね。

口腔崩壊の原因は貧困ではない?

さきほどと同じ話になりますが、保険がきいた金額を見てしまえば、口腔崩壊の原因は貧困じゃないといえるでしょう。

と言うのも国民健康に加入していれば安い金額で治療を受けられるからです。

上に書いたそれぞれの治療費、意外と安くなかったですか?

そして、国民健康保険も確かに高くはありますが、所得に応じて保険料が決められるので払えないという事はないと思います。

ですから僕が考える、子供の口腔崩壊起きる理由は二つです。

1、子供が虫歯を黙っていて、かつ親が口の中に興味がない。

2、仕事が忙しくて、歯医者に連れていく時間的な余裕がない。

つまりお金の問題ではなくて、『意識の問題』か『時間の問題』が深くかかわっていると思います。

この『意識の問題』、つまり親が子供の口の中に興味がないという問題も育児放棄だ!と糾弾することは簡単ですが、仕事に追われ時間がなければ難しい家庭事情もあるのかもしれません。

僕は子供に仕上げ磨きをすることは親の義務だと思っているのですが、だからといってこういう家庭を一概に否定するのも違うと思います。

もっと僕たち歯科医師がきちんと虫歯についての危険性を伝えないといけないし、国全体として子供を守っていくような仕組みが必要だと思います。

だって、子供が高熱を出していたら、治療費がかさんでも病院に連れて行くでしょう?

まとめ

口腔崩壊、特に子供の口腔崩壊についてまとめました。

まとめればまとめるほど、シンプルなお金のせいではないと思います。

そして、国がもたらした貧困が直接的な原因ではないと思います。

しかし、子供との時間が取れないほどの労働環境、口腔内についての意識…そういうモノが足りないような環境を作ってしまったという点においては、国にも責任はあるでしょう。

大人の事情でこれ以上不幸な子供は見たくないですね。

僕もこれまで以上にもっとみなさんにたくさんの歯科の情報を伝えなければと改めて思いました。

またほかにも医療に関することを別のブログに書いています。
良ければそちらも見てみてください。あなたの体に役に立つ記事があるかもしれません。
http://haisyasan-kosodate.com/yellowing-of-teeth-whitening

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