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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、こどもの矯正をしたりしています。
さて、今回は歯周病のはなし。
歯ぐきから出血したり、口臭が気になったり…。
歯周病の症状に気づいて歯科医院を受診したものの、
「しばらく通っているのに、なかなか治らない」
「歯石を取ったのに、まだ違和感がある」
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実は、歯周病はすぐに治る病気ではありません。
今回は、「なぜ歯周病は治りにくいのか?」という疑問にお答えしながら、
根本的な改善のために知っておきたいポイントを分かりやすく解説します。
まず、歯周病の正体をおさらいしましょう。
歯周病は、歯と歯ぐきの隙間(歯周ポケット)にたまった細菌が原因で、歯を支える骨や歯ぐきが破壊される病気です。
初期は歯ぐきが赤く腫れる「歯肉炎」から始まり、進行すると「歯周炎」となり、最終的に歯がグラグラになって抜けてしまうこともあります。
この病気の厄介なところは、慢性化しやすく、治療には時間がかかる点にあります。
歯周病は「細菌感染症」の一種。
たとえ歯科医院で歯石や汚れを除去しても、口の中に細菌が完全にゼロになることはありません。
しかも、歯周病菌は数日で再び増殖してしまいます。
毎日の歯みがきや生活習慣の見直しを怠ると、すぐに元の状態に逆戻りしてしまうのです。
歯科医院でどんなに丁寧に治療しても、患者さん自身のセルフケアが不十分だと、改善は見込めません。
歯ブラシの当て方が間違っている
歯間ブラシやフロスを使っていない
歯みがきの時間が短い、回数が少ない
など、日々の習慣が症状の回復を妨げているケースが多くあります。
歯周病は「歯医者さん任せ」では治らない病気なのです。
喫煙は、歯周病を進行させる最大の要因のひとつ。
タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、歯ぐきの血流が悪くなります。
その結果、炎症が長引き、治癒が遅れ、免疫反応も鈍くなってしまうのです。
喫煙者は非喫煙者と比べて、歯周病の治りが遅いだけでなく、再発のリスクも高いことが知られています。
糖尿病や高血圧などの持病がある場合、歯周病が治りにくくなることがあります。
特に糖尿病は、歯周病との相互関係が強く、悪循環に陥りやすいのが特徴です。
血糖値が高い → 免疫力が下がる → 歯周病が悪化
歯周病が悪化 → 炎症物質が血中に増える → 血糖値が上がる
このように、全身の健康状態が歯ぐきの治癒にも大きな影響を与えていることを理解しておきましょう。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶けてなくなってしまいます。
一度失った骨は、自然に回復することはほとんどありません。
ある程度まで進行してしまうと、どれだけ治療を頑張っても「完治」は難しくなり、症状の悪化を止める“維持管理”が主な目的になります。
つまり、「早期発見・早期治療」がとても重要なのです。
では、歯周病を改善するために、私たちは何を心がけるべきでしょうか?
歯周病は一度の通院で終わる治療ではありません。
定期的に歯科医院に通い、クリーニングや状態のチェックを受けることが大切です。
症状が安定していても、3〜6か月に一度のメンテナンスは続けましょう。
これは、再発や進行の予防にも非常に有効です。
「毎日磨いているつもり」でも、実は汚れが十分に落ちていない人が多いのです。
歯ブラシは毛先が細いものを選び、軽い力で磨く
歯間ブラシやデンタルフロスを必ず併用する
鏡を見ながら丁寧に磨く習慣をつける
このようなセルフケアを身につけることが、治療効果を引き上げ、改善を早めるカギとなります。
タバコはやめる
栄養バランスのよい食事をとる
睡眠不足やストレスを避ける
これらも、歯周病の治癒に欠かせないポイントです。
歯ぐきの健康は、全身の健康と表裏一体。健康的な生活そのものが、歯周病治療につながると考えてください。
歯周病がなかなか治らないのは、根本的に慢性疾患であり、再発しやすい性質があるためです。
加えて、生活習慣や体調、セルフケアの方法など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
つまり、歯周病の治療には「時間」「継続」「協力」が必要です。
私たち歯科医院と患者さんが二人三脚で歩むことで、ようやく効果が出てくる病気だと言えるでしょう。
歯ぐきの健康は、人生の豊かさにつながっています。
「なかなか治らない…」とあきらめず、正しい知識と習慣で、一歩ずつ改善を目指していきましょう。