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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしているしらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子供の歯の矯正をしたりしています。
さて、今回は歯周病の話。
最近、「歯ぐきから血が出る…」「歯がグラグラしてきた気がする」といったお悩みでご来院される方が増えています。これらの症状は、歯周病のサインかもしれません。
ところで皆さんは、こんな疑問を持ったことはありませんか?
「歯周病に効く薬ってあるの?」
「飲み薬や塗り薬で治らないの?」
「薬局で買える歯周病の薬はどうなの?」
今回はこのような疑問にお答えしながら、歯周病と薬の関係について、わかりやすくご説明します。
まずは歯周病について、簡単におさらいしておきましょう。
歯周病は、歯を支えている骨や歯ぐき(歯周組織)が壊れていく病気です。初期の「歯肉炎」から、進行すると「歯周炎」となり、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。
プラーク(歯垢)内の細菌
歯石や不十分な歯みがき
喫煙・ストレス・糖尿病などの全身要因
つまり、歯周病の根本原因は細菌の感染です。
結論から言うと、「薬だけで歯周病を完治させることはできません」。
しかし、薬は歯周病治療をサポートする有効な手段のひとつです。適切に使えば、症状を和らげたり、炎症を抑えたり、細菌の増殖を防ぐことができます。
ここからは、実際に使われている「歯周病に効く薬」について詳しく見ていきましょう。
歯周病菌の殺菌、炎症の抑制
アジスロマイシン(ジスロマック)
メトロニダゾール(フラジール)
アモキシシリン(サワシリン)
クラリスロマイシン(クラリス)
主に中等度〜重度の歯周病、あるいは外科処置後の感染予防として使います。
飲み薬だけでなく、歯ぐきに直接塗布するジェルタイプ(ミノサイクリンなど)もあります。
長期使用は耐性菌を生む可能性があるため、慎重に使う必要があります。
市販では入手できず、歯科医院での処方が必要です。
歯ぐきの腫れや痛みの軽減
ロキソプロフェン(ロキソニン)
イブプロフェン(ブルフェン)
アセトアミノフェン(カロナール)
一時的な炎症を抑える目的で処方されます。
歯周ポケット内に炎症があるときに効果的。
原因を取り除かない限り、薬だけでは改善しません。
痛みがなくなっても、治ったわけではないので要注意です。
局所的な炎症の改善、細菌の抑制
デキサルチン軟膏(ステロイド入り)
アズレン含有うがい薬・ジェル(アズノール)
ミノマイシンゲル(抗生物質入り)
歯ぐきの炎症部位にピンポイントで効かせられます。
歯周ポケットに直接入れる薬剤もあり、歯周ポケット内の細菌を除去する補助的な役割を果たします。
お口の中全体の細菌を減らす
口臭予防、歯ぐきの炎症予防
クロルヘキシジン(グルコン酸クロルヘキシジン)
CPC(セチルピリジニウム塩化物)
IPMP(イソプロピルメチルフェノール)
毎日のうがいに使うことで、歯周病菌の増殖を抑えます。
歯みがき後のうがいがおすすめです。
クロルヘキシジンは濃度によっては歯が着色することがあります。
薬はあくまで「補助的な治療」です。
歯周病の根本的な治療法は以下のような歯科医院での処置になります。
プラーク・歯石の除去(スケーリング)
歯周ポケットのクリーニング(ルートプレーニング)
必要に応じて歯周外科治療
定期的なメインテナンス・再評価
これらの治療と組み合わせることで、薬の効果も最大限に発揮されます。
ドラッグストアで売られている歯周病用の塗り薬やうがい薬も、軽度の歯肉炎には一定の効果があります。代表的な市販品には以下のようなものがあります。
アセス(生薬成分配合)
デントヘルス
コンクールF(クロルヘキシジン系)
モンダミンプレミアムケア
ただし、歯石がたまっている場合や中等度以上の歯周病では、これらの薬では改善できません。歯ぐきの奥にあるプラークや歯石は、歯科医院での専門的な処置が必要です。
「歯周病に効く薬はある?」という問いに対して、答えは**「あるが、それだけでは治らない」**です。
歯周病の原因は細菌感染ですが、単に薬で抑え込むだけでは完治はできません。大切なのは、
毎日の丁寧なブラッシング
歯科医院でのプロフェッショナルケア
必要に応じた薬の活用
この3本柱で、初めて歯周病は改善へ向かいます。
「最近、歯ぐきが腫れてきた」
「歯ぐきが下がってきた気がする」
「薬を使ってみたいけど、何が合うかわからない」
そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。しらやま歯科クリニックでは、口腔内の状態をしっかり診断した上で、最適な治療と薬の処方をご提案します。
歯周病は早期発見・早期治療が肝心です。気になる症状がある方は、お気軽にご来院ください。