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しらやま歯科クリニック

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歯磨き粉の薬効成分はどんなものがあるの?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしているしらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子供の歯の矯正をしたりしています。

さて、今回は歯磨き粉のはなし。

毎日、何気なく使っている歯磨き粉ですが、「どれを選べばいいの?」「成分の違いって何?」と疑問に思ったことはありませんか?

近年、ドラッグストアには本当にたくさんの種類の歯磨き粉が並んでいて、「虫歯予防」「知覚過敏対策」「ホワイトニング」「歯周病予防」など、パッケージにも色々書かれています。

今回は、そんな歯磨き粉の効能や薬効成分について、分かりやすくご紹介します。正しい知識を身につけて、自分に合った一本を選びましょう。


そもそも歯磨き粉って必要なの?

「水だけで磨くのとどう違うの?」という質問をよく受けますが、歯磨き粉は以下のような目的のために使用されます。

歯磨き粉の主な役割

  • 歯の汚れ(プラーク・ステイン)を落としやすくする

  • 虫歯・歯周病・口臭の予防

  • フッ素などの薬効成分で歯を守る

  • 清涼感による爽快感や口臭ケア

つまり、単なる“味付きペースト”ではなく、お口の健康を支える重要なアイテムなのです。


歯磨き粉に含まれる主な成分

歯磨き粉の中には、さまざまな成分が含まれています。ここでは、基本的な分類と主な効能を解説します。


1. フッ素(フッ化物) – 虫歯予防の要

主な成分名:

  • フッ化ナトリウム(NaF)

  • モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)

  • フッ化第一スズ(SnF₂)

効能:

  • 歯の再石灰化を促進

  • 虫歯菌の酸産生を抑制

  • 歯のエナメル質を強化

ポイント:

フッ素は虫歯予防に最も重要な成分。1,450ppmの高濃度フッ素配合の製品が市販でも購入可能になっています(6歳未満の子どもには低濃度の使用を推奨)。


2. 研磨剤 – ステインやプラーク除去

主な成分名:

  • 無水ケイ酸

  • 炭酸カルシウム

  • リン酸水素カルシウム

効能:

  • 歯の表面の汚れ(ステイン)を除去

  • 滑らかに磨くことで汚れ再付着を防ぐ

ポイント:

過度に研磨力が強いものは知覚過敏やエナメル質損傷の原因になることもあるため、日常使いには低研磨性タイプがおすすめです。


3. 殺菌・抗菌成分 – 歯周病・口臭対策に有効

主な成分名:

  • CPC(塩化セチルピリジニウム)

  • IPMP(イソプロピルメチルフェノール)

  • トラネキサム酸(抗炎症)

効能:

  • 歯周病菌や虫歯菌の殺菌・抑制

  • 歯ぐきの炎症を防ぐ

  • 口臭の原因菌にも作用

ポイント:

「歯周病予防」「口臭ケア」と記載のある歯磨き粉には、これらの成分が配合されています。


4. 知覚過敏用成分 – しみる歯をケア

主な成分名:

  • 乳酸アルミニウム

  • 硝酸カリウム

  • ストロンチウム塩

効能:

  • 神経への刺激伝達を遮断

  • 象牙細管(神経の管)を封鎖し、しみるのを抑える

ポイント:

「シュミテクト」などの知覚過敏用歯磨き粉に含まれます。継続使用が効果的です。


5. ホワイトニング成分 – 歯の美白をサポート

主な成分名:

  • ポリリン酸ナトリウム

  • ピロリン酸塩

  • 酵素(パパインなど)

効能:

  • 歯の表面に付いた着色(ステイン)を除去

  • 汚れの再付着を防止

ポイント:

薬剤による「漂白」ではなく、**あくまでステイン除去や予防を目的とした“物理的ホワイトニング”**です。


6. その他の有効成分

成分名 効能
ラウリル硫酸ナトリウム(発泡剤) 泡立ちで清涼感を与えるが、苦手な方も多い
グリチルリチン酸 抗炎症作用で歯肉炎予防に効果的
キシリトール 虫歯菌の栄養にならず、虫歯予防に貢献
酢酸トコフェロール(ビタミンE) 歯ぐきの血行促進、歯肉炎対策

効能別:おすすめ歯磨き粉の選び方

用途に応じて、自分に合った歯磨き粉を選びましょう。

虫歯予防が気になる方

高濃度フッ素配合(1,450ppm)+低研磨タイプ
例:クリニカアドバンテージ、チェックアップスタンダード

歯周病予防をしたい方

抗炎症・殺菌成分配合
例:システマSP-T、デントヘルス

知覚過敏がある方

硝酸カリウム・乳酸アルミニウム入り
例:シュミテクトシリーズ

ホワイトニングをしたい方

ポリリン酸・酵素入りタイプ
例:アパガード、ブリリアントモア


市販と歯科専売品の違いは?

歯磨き粉には市販品と歯科医院専売品があります。

項目 市販品 歯科専売品
購入場所 ドラッグストア、ネットなど 歯科医院・一部ECサイト
成分濃度 一般向けにやや低め 医療現場で使える濃度や種類
シュミテクト、クリニカなど チェックアップ、コンクールジェルなど

歯科専売品は歯科医師の診断のもとで選ぶことができるため、より的確な効果を期待できます。


歯磨き粉の使い方にもコツがある!

いくら良い歯磨き粉を選んでも、使い方を間違えると効果が半減します。以下の点に注意しましょう。

正しい使い方のポイント

  1. 歯ブラシの毛先に1〜2cm程度つける

  2. 泡立ちすぎないように、少量の水で磨く

  3. ブラッシング後は少量の水で軽くすすぐだけ
    → フッ素を長く残すため、うがいは1回で十分

  4. 食後30分以内の歯みがきが効果的

  5. 就寝前の使用を特に大切に!


まとめ:歯磨き粉は「お口の健康を支える味方」

歯磨き粉は、単なる清涼感のためのペーストではなく、虫歯や歯周病を予防し、歯や歯ぐきを健康に保つ大切な道具です。

毎日使うものだからこそ、自分のお口の状態やライフスタイルに合ったものを選び、正しく使うことが大切です。

「どの歯磨き粉が自分に合っているのか分からない…」
「家族で使うにはどれがいいの?」

そんなときは、ぜひ「しらやま歯科クリニック」にご相談ください。お一人おひとりのお口に合ったケア方法と歯磨き粉を、プロの視点からご提案いたします。


予防は、毎日の習慣から。
今日から、歯磨き粉にも少しだけこだわってみませんか?

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