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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町2ー4ー13で歯医者をしているしらやま歯科クリニックの白山です。
むしばを治したり、こどもの矯正をしたりしています。
さて、最近はやりのマウスピース矯正ですが…
デメリットはあるのでしょうか?
では本題です。
近年、目立たず取り外し可能な「マウスピース矯正」が注目を集めています。特に大人や子どもに人気のこの治療法ですが、実はデメリットも存在します。治療を始める前に、しっかりと理解しておくことが大切です。
マウスピース矯正の最大の特徴は、「取り外し可能」であること。しかし、この利点は裏を返せば「自己管理が求められる」ということです。
治療効果を得るためには、1日20〜22時間の装着が推奨されています。食事や歯磨きの時間を除くと、ほぼ1日中装着している必要があります。装着時間が短いと、歯が計画通りに動かず、治療期間が延びる可能性があります。
マウスピースは通常、1〜2週間ごとに新しいものに交換します。交換時期を守らないと、歯の移動が不十分になり、治療効果が得られないことがあります。
自己管理が苦手な方や、装着時間を守る自信がない方には、マウスピース矯正は適していないかもしれません。
マウスピース矯正は、装着時間や交換時期を守らないと、治療計画通りに進まないことがあります。その結果、治療期間が延びる可能性があります。
ワイヤー矯正に比べ、マウスピース矯正は治療期間が長くなる傾向があります。これは、装置の取り外しが可能であるため、患者自身の協力度に大きく依存するからです。
取り外し可能なマウスピースは、紛失や破損のリスクがあります。
食事や歯磨きの際に取り外すため、そのタイミングで紛失や破損が起こりやすいです。特に外出先では、適切な保管が難しく、紛失するリスクが高まります。
マウスピースを紛失した場合、再作成には追加費用が発生することがあります。再作成の費用は、クリニックやマウスピースの種類によって異なりますが、1万〜数万円程度かかることがあります。
マウスピース矯正は、すべての歯列矯正のケースに適用できるわけではありません。
特に、重度の不正咬合や顎の問題がある場合、マウスピース矯正では効果的な治療が難しいことがあります。
このような症例では、ワイヤー矯正や外科的な治療が必要になることがあります。治療方法は、歯科医師と相談の上、決定することが重要です。
マウスピースを装着したまま飲食すると、以下のような問題が発生する可能性があります。
食べかすがマウスピースに付着し、虫歯や歯周病の原因となることがあります。
硬い食べ物を噛むことで、マウスピースが破損することがあります。
熱い飲み物でマウスピースが変形したり、色素の強い飲み物で着色したりすることがあります。
マウスピースを装着すると、発音や滑舌に一時的な影響が出ることがあります。
多くの人は、数日〜数週間で慣れますが、発音に不安が残る場合があります。
特に子どもの場合、発音の問題が治療の障害となることがあります。
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、マウスピースが破損するリスクが高まります。
マウスピースが頻繁に破損すると、治療が中断されることがあります。
このような場合、ワイヤー矯正など他の治療法を検討することが必要です。
マウスピースは歯の咬む面を覆っているため、治療終了時に臼歯部がしっかり噛まない場合があります。
この問題は、顎間ゴムを使用することで改善が可能です。
マウスピース矯正は、保険適用外の自由診療にあたるため、治療費は比較的高額になりがちです。
多くのクリニックでは、治療開始時に数十万円単位の初期費用が発生します。さらに、治療中にマウスピースの再作成や調整が必要になった場合、追加料金がかかることもあります。
また、料金体系がクリニックごとに異なるため、「一括払い」「分割払い」「都度払い」など、支払い方法についても事前に確認しておくことが重要です。
一般的には、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の費用差はそれほど大きくありませんが、マウスピース矯正の方がやや高くなる傾向があります。とくに、途中で何度も型取りや調整が必要になった場合、その都度費用がかさむことも。
「マウスピース矯正=通院回数が少ない」と思われがちですが、実は定期的なチェックや調整が必要です。
通常、4〜6週間に1度のペースで通院し、歯の動きが予定通りかどうかを確認したり、新しいマウスピースの受け取りを行います。
もし途中で問題が見つかった場合は、マウスピースの再作成や治療計画の見直しが必要となり、通院頻度が増えることもあります。
最近では、リモート診療に対応しているクリニックも増えており、自宅でスマホからチェックを受けるスタイルもあります。ただし、すべての治療がオンラインで完結するわけではないため、「完全に通院が不要になる」とは限りません。
マウスピース矯正は比較的新しい治療法ということもあり、個人差による治療成果のばらつきが見られる場合もあります。
年齢や骨格、歯の状態によって、歯が動きやすい人・動きにくい人がいます。そのため、治療期間が長引いたり、仕上がりに差が出ることも。
また、理想的な歯並びに近づくには、**リファインメント(微調整)**と呼ばれる追加のマウスピースが必要になるケースも多いです。
「マウスピースは目立たない」といっても、完全に“見えない”わけではありません。
特に、歯の表面に小さな突起(アタッチメント)を取り付ける場合があります。これは歯の動きを効率よく行うためのものですが、人によってはこの部分が気になる・目立つと感じることも。
また、長時間使用していると、マウスピースが少しずつ変色したり、くすんだように見えることがあります。
一見便利そうに思える「着脱式」の特徴も、毎日の生活の中では意外とストレスに感じることがあります。
飲食のたびに取り外し、食後はすぐに歯磨きをしてから再装着する必要があります。外出先や学校・職場での対応が面倒に感じる人も少なくありません。
また、つけ外しのタイミングを間違えると、治療の進行に悪影響を与えることもあります。
マウスピースは毎日長時間口の中に入れるものなので、しっかりと清掃しないとニオイや細菌が発生することがあります。
水洗いだけでは不十分なことが多く、専用の洗浄剤や超音波洗浄器などを使ってケアする必要があります。
清潔に保てば問題ありませんが、日々の手入れを怠ると、口臭や歯のトラブルの原因になるので注意しましょう。
マウスピース矯正は、「目立たない」「痛みが少ない」「取り外せる」などの魅力がある一方で、しっかりと自己管理ができる人向けの治療法です。
特に以下のような方は、慎重に検討することをおすすめします:
装着時間の管理が苦手
紛失や破損が心配
重度の歯列不正がある
着脱の煩わしさに耐えられそうにない
とはいえ、すべての人にデメリットが大きく出るわけではありません。自分に合った治療法かどうかを、専門医とよく相談してから決めることが大切です。
📌 ポイントは、「理想だけで選ばないこと」。
「目立たないから」「友達がやっているから」といった理由だけで決めず、生活スタイルや性格、通院可能な環境も含めて、総合的に判断しましょう。