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しらやま歯科クリニック

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歯が抜けてしまう原因は?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子供の歯の矯正をしたりしています。

さて、今回は歯が抜けてしまう原因についてです。

「気づいたらグラグラしている…」
「噛むと違和感があると思ったら、歯が抜けそうになっていた…」

歯が抜けるというのは、多くの方にとってとてもショッキングな出来事です。特に高齢者だけの問題と思われがちですが、実は30代・40代でも歯を失う人は少なくありません。

本記事では、「歯が抜ける主な原因」と、「抜けないために日頃からできること」について、歯科医の立場から分かりやすく解説します。


歯が抜ける原因は1つではない

人の歯は、正しいケアと予防を行っていれば、80歳でも20本以上残せると言われています。しかし、現実には「歯を失ってしまう人」は多く存在します。

厚生労働省の調査でも、**日本人が歯を失う最大の原因は「歯周病」**とされています。そのほかにも、虫歯や事故、生活習慣など、複数の原因が絡み合って歯が抜けることがあります。


主な原因①:歯周病(ししゅうびょう)

■ 歯が抜ける最大の原因はコレ!

歯周病は、歯ぐきやあごの骨など、歯を支えている組織が壊れていく病気です。初期には痛みや自覚症状がほとんどないため、「静かなる病気」とも呼ばれています。

▽ 歯周病の進行過程

  1. 歯ぐきが赤く腫れる(歯肉炎)

  2. 歯と歯ぐきの間に歯周ポケットができる

  3. 骨が溶けて歯がグラグラする

  4. 最終的に歯が抜ける

中高年に多い病気と思われがちですが、20代・30代でも進行しているケースは少なくありません。

▽ 主な原因

  • 歯磨き不足によるプラーク(歯垢)の蓄積

  • 喫煙

  • ストレス

  • 歯ぎしりや噛み合わせの不良

◎ ワンポイントアドバイス

「歯ぐきから血が出る」「口臭が強い」「歯が長くなった気がする」
このようなサインは歯周病の可能性大です。早めに歯科でチェックしましょう。


主な原因②:虫歯(う蝕)

■ 放置した虫歯が歯を奪う

虫歯(う蝕)は、細菌が歯を溶かしてしまう病気です。初期の虫歯は痛みが少なく、「まだ大丈夫」と放置してしまう方もいますが、進行すればするほど歯を残すのが難しくなります。

▽ 虫歯によって歯が抜ける流れ

  1. 表面(エナメル質)の虫歯

  2. 内部(象牙質)へ進行

  3. 神経(歯髄)まで達する

  4. 根の先に膿が溜まる

  5. 抜歯が必要になる

虫歯は小さなうちに治せばほとんど痛みもなく、歯も残せます。
しかし、進行すればするほど「歯を抜かないといけない」リスクが高くなるのです。


主な原因③:外傷・事故による損傷

■ 転倒やスポーツで突然抜けることも

日常生活やスポーツ中の衝突・転倒・事故などで、歯が強い衝撃を受けて抜けてしまうケースもあります。

特に以下のような状況で多く見られます:

  • 子どもが遊んでいて転倒

  • 自転車や車での転倒・事故

  • スポーツ中の顔面への打撃

  • 高齢者の転倒による口腔外傷

外傷によって歯が完全に抜けた場合は、歯の根っこが無事であれば再植(戻すこと)も可能なケースがあります。ただし、対応までのスピードが重要です。

◎ ワンポイントアドバイス

歯が抜けたら、乾燥させずに牛乳または生理食塩水につけて、30分以内に歯科医院へ!


主な原因④:噛み合わせや歯ぎしりの問題

■ 見えない負担が歯を揺るがす

噛み合わせの悪さや、無意識の歯ぎしり・くいしばりによって、歯や歯の周囲組織に過度な力がかかることがあります。

この力のダメージが慢性的に加わることで、

  • 歯の根が割れる

  • 歯ぐきが下がる

  • インプラントやブリッジが壊れる

といったトラブルが生じ、結果的に歯を失うことに繋がることもあります。

◎ 歯科ではナイトガード(マウスピース)を提案することも

睡眠中の歯ぎしりやくいしばりの対策として、**夜間用のマウスピース(ナイトガード)**の使用が有効です。


主な原因⑤:加齢による変化

■ 年齢を重ねるとともに歯の支えが弱くなる

高齢になると、

  • 骨密度の低下(骨粗しょう症)

  • 免疫力の低下

  • 唾液の分泌量の減少

  • 清掃能力の低下(手先の不自由さ)

など、口腔環境が悪化しやすくなります。

その結果、歯周病や虫歯が進行しやすくなり、歯を支える力も弱まり、歯の脱落リスクが高まるのです。


主な原因⑥:歯の根の破折(ひび割れ)

歯に強い力が加わったり、神経を取った歯に負担がかかったりすると、**歯の根が割れる(歯根破折)**ことがあります。

▽ 歯根破折の特徴

  • 強い痛みは出にくい

  • 見た目ではわかりにくい

  • 割れた部分から細菌が侵入し、膿が出てくる

  • 治療が難しく、多くの場合で抜歯になる

定期検診でレントゲンを撮らないと気づきにくいトラブルの一つです。


歯が抜けるのを防ぐには?

歯が抜ける原因には様々なものがありますが、その多くは予防や早期発見で防ぐことができます。

ここでは、日常でできる予防法をご紹介します。

✅ 正しい歯みがきとセルフケア

  • 歯ブラシは1日2回以上

  • 歯と歯の間はデンタルフロス・歯間ブラシを活用

  • 舌や頬の内側も意識して清掃

✅ 定期的な歯科検診

  • 少なくとも年に2~3回は歯科検診を受けましょう

  • プロによるクリーニング(PMTC)で歯周病・虫歯を予防

✅ 食生活を見直す

  • 甘いもののダラダラ食べを避ける

  • よく噛んで唾液をしっかり出す

  • 栄養バランスの取れた食事を心がける

✅ 歯ぎしり・噛み合わせのチェック

  • 朝起きたとき顎が疲れている

  • 詰め物がよく取れる

  • 歯がすり減っている

こんな症状がある方は、歯科での相談をおすすめします。


歯を1本でも失ったら、すぐに相談を!

もし万が一、歯を失ってしまったら、そのまま放置せず、早めに歯科医に相談してください。

歯が抜けた状態を放っておくと、

  • 噛みにくくなる

  • 周囲の歯が傾いて噛み合わせが崩れる

  • 発音がしにくくなる

  • 見た目の変化(顔がこける、老けて見える)

といった問題が次々と出てきます。

治療法としては、

  • ブリッジ

  • 入れ歯

  • インプラント

などがあり、状況に合わせて最適な方法をご提案できます。


まとめ:歯が抜けるのは予防できる時代

歯が抜ける主な原因は、「歯周病」「虫歯」「外傷」「歯ぎしり」など多岐にわたります。
しかし、どの原因にしても「早めの発見・早めの対処」が最大の予防法です。

私たち「しらやま歯科クリニック」では、患者さんがいつまでも自分の歯で食べられるよう、予防・検診・メンテナンスに力を入れています。

「最近歯ぐきが気になる…」
「ちょっとグラついているような…」

そんな小さな変化が、将来の大きな差につながります。
気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

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