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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町2ー4ー13で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子供の矯正をしたりしています。
さて、今回、口呼吸の話。
実は歯医者と呼吸は関係があるんです。
今回はなぜ人は鼻呼吸のほうがいいということを知っていながら、口呼吸をしてしまうのでしょうか?
口呼吸とは、鼻ではなく口を通じて呼吸を行うことを指します。これは、通常、体にとって自然な呼吸方法ではなく、長期間続くと様々な健康問題を引き起こす可能性があります。鼻呼吸は、空気を適切に加温、加湿、浄化する機能があるため、体にとってより有益です。対して、口呼吸はそのようなフィルタリング機能が失われるため、呼吸器や口腔にさまざまな負担をかけます。
口呼吸になる原因には、物理的な障害、習慣、環境要因などが多岐にわたります。本稿では、口呼吸を引き起こす原因をいくつかの側面から探り、それに伴う影響や改善方法についても解説します。
口呼吸になる原因には、以下のような要素があります。
口呼吸の最も一般的な原因は、鼻が詰まることです。鼻詰まりは、風邪やアレルギー、鼻炎、慢性的な副鼻腔炎などによって引き起こされることがあります。これらの状態では、鼻からの空気の流れが妨げられ、鼻で呼吸することが困難になります。そのため、無意識に口を開けて呼吸をするようになり、これが口呼吸の習慣に繋がります。
アレルギー性鼻炎:花粉やホコリ、動物の毛などがアレルギー反応を引き起こし、鼻腔の炎症を引き起こすことがあります。
副鼻腔炎:副鼻腔が炎症を起こすと、鼻の通りが悪くなり、口呼吸が続くことがあります。
風邪やインフルエンザ:鼻腔が腫れて鼻呼吸ができなくなり、口で呼吸せざるを得なくなります。
口呼吸は、口腔の構造に関する問題でも引き起こされることがあります。例えば、顎の発達が不十分である場合、または口唇の筋肉が弱い場合、口を閉じることが困難になることがあります。このような状況では、無意識に口を開けてしまい、結果的に口呼吸が習慣化することがあります。
口唇の閉じ方が不十分:唇を閉じる筋肉が弱い場合、口が自然に開いた状態になります。この状態が続くと、口呼吸が習慣化します。
顎の発達不全:顎の骨の成長に問題がある場合、口が閉じにくくなることがあります。これが口呼吸を引き起こす一因となります。
舌の位置が適切でない場合、例えば舌が下に下がったり、前に出たりすることが口呼吸の原因になることがあります。舌が上顎に正しく置かれていないと、口が開いてしまい、呼吸が口を通ることになります。舌が前に出る癖(舌癖)がある場合にも、自然に口呼吸になりやすくなります。
舌癖:舌が前に出る癖がある場合、舌が口の中で正しい位置に留まらず、口呼吸を引き起こす原因となります。
舌の筋力不足:舌の筋肉が十分に強くない場合、舌を上顎に押し当てる力が弱くなり、口が開いた状態で呼吸をするようになります。
子供の頃に口呼吸をしていると、習慣化することがあります。特に、舌や唇の筋肉が弱く、または顎の発達に問題がある場合、子供の段階で口呼吸が定着してしまうことがあります。この場合、成人後もその習慣が続き、口呼吸が続くことになります。
幼少期の口呼吸:子供が鼻詰まりを感じた際に口で呼吸するようになると、その習慣が続くことがあります。これが長期間続くと、口呼吸が癖になり、鼻呼吸ができなくなってしまうことがあります。
環境的な要因も口呼吸に影響を与えることがあります。特に乾燥した空気やアレルゲンが多い環境では、鼻が詰まりやすく、口呼吸をするようになります。
乾燥した環境:エアコンや暖房が効いている部屋は空気が乾燥し、鼻腔が乾きやすくなります。これにより鼻呼吸が困難になり、口呼吸が選ばれることがあります。
アレルゲンが多い環境:花粉やホコリが多い場所では、鼻が詰まりやすくなり、結果として口呼吸が助長されます。
口呼吸は、ただ単に不自然な呼吸方法であるだけでなく、身体や健康にさまざまな影響を与えることがあります。以下は、口呼吸が引き起こす代表的な問題です。
口呼吸をしていると、口の中が乾燥します。これは、唾液の分泌が減少し、口腔内の湿度が保たれないためです。唾液には食物の消化を助けるだけでなく、口腔内を清潔に保つ働きもあります。口腔内が乾燥すると、虫歯や歯周病、口臭の原因になることがあります。
口呼吸が習慣化すると、顎や歯並びに悪影響を与えることがあります。舌が上顎に適切に触れていない場合、上顎の発達が妨げられ、歯並びに問題が生じることがあります。また、口呼吸が続くことで、唇が閉じにくくなり、顎の位置がずれて噛み合わせに悪影響を与えることもあります。
口呼吸をしていると、鼻でのフィルタリング機能が失われ、空気中のアレルゲンや細菌、ウイルスなどが直接喉や肺に入ることになります。これがアレルギーや風邪、喘息などの呼吸器系の問題を引き起こす原因となることがあります。
口呼吸は、特に子供の顔面の発育に悪影響を与えることがあります。舌の位置が下がり、上顎の発達を妨げるため、顔の形が不自然になったり、顎が後退してしまったりすることがあります。このような影響は、成長期において特に顕著に現れます。
口呼吸を改善するためには、根本的な原因を特定し、それに対処することが重要です。以下は、口呼吸を改善するための方法です。
鼻呼吸ができるようにするためには、まず鼻の通りを良くすることが大切です。風邪やアレルギー、鼻炎などで鼻詰まりが起きている場合は、薬を使った治療や専門的な治療が必要です。鼻づまりが改善されると、自然と鼻呼吸ができるようになります。
口呼吸が習慣化している場合、舌や唇の筋肉を強化するためのトレーニングが有効です。MFT(筋機能療法)やリップルトレーナーなどを使用して、舌を上顎に適切に置く訓練を行うことが効果的です。
乾燥した空気やアレルゲンが多い環境では、口呼吸が悪化する可能性があります。加湿器を使用して部屋の湿度を保つことや、アレルゲンを減らすための対策を講じることが有効です。
鼻詰まりや顎の発育不全など、物理的な問題が原因で口呼吸をしている場合は、専門の医師に相談することが必要です。場合によっては、手術や矯正治療が必要なこともあります。
口呼吸は、鼻が詰まっていることや口腔内の構造的な問題など、さまざまな原因によって引き起こされます。長期間続く口呼吸は、口腔内の乾燥や歯並びの問題、呼吸器系のトラブル、顔面の発育への悪影響を及ぼすことがあります。口呼吸を改善するためには、原因に応じた適切な治療が必要です。