入れ歯の清掃、これが正解!介護現場でできる日常ケア法
こんにちは。西宮市仁川町のしらやま歯科クリニックです。
高齢者の口腔ケアでよく話題になるのが「入れ歯の清掃」です。
「毎日洗っているけど正しいのか不安」「施設でのケア方法を知りたい」――そんな声をよくお聞きします。
◆実際のケース:82歳男性・Hさん
Hさんは総入れ歯を使用中。施設スタッフが毎日清掃していましたが、口臭や歯ぐきの炎症が見られました。
訪問歯科でチェックしたところ、入れ歯の裏側にカビや汚れが残っていたのが原因でした。
清掃方法を改善し、歯科衛生士が指導したところ、数日で口腔内の炎症が改善。
Hさん自身も「口の中がさっぱりした」と喜ばれました。
◆入れ歯清掃の基本ポイント
- 柔らかいブラシを使用する
金属や樹脂の入れ歯に傷をつけないため、専用ブラシを使います。 - 水またはぬるま湯で洗う
熱湯は変形の原因になるため避けます。 - 入れ歯専用洗浄剤の併用
1日1回の浸け置きで、カビや細菌を効果的に除去できます。 - 口腔内も同時に清掃
歯ぐきや舌、口腔粘膜もブラッシングして、菌の再付着を防ぎます。 - 使用後は乾燥を避ける
水に浸けて保管するか、専用ケースで乾燥しすぎないようにします。
◆ケアマネ・施設職員が気をつけるポイント
- 毎日の清掃の有無を記録するだけでも口腔衛生維持に役立つ
- 清掃後に口腔内に赤みや腫れがないか観察
- 入れ歯の破損や摩耗があれば早めに歯科に連絡
◆訪問歯科でできること
- 入れ歯の定期チェック・調整
- 汚れやカビの除去、洗浄指導
- 口腔内環境の評価と口腔清掃指導
- 嚥下機能や咀嚼力のチェック、オーラルフレイル予防
◆日常での簡単な工夫
- 入れ歯を外すタイミングを決めて、就寝前に必ず洗浄
- 飲み込む力が弱い方には、柔らかめの食材から徐々に硬いものへ
- 口腔ケア時に声掛けして、安心感を持たせる
◆まとめ
入れ歯の清掃は、高齢者の口腔健康と全身の健康維持に直結します。
正しい方法で清掃することで、炎症や感染症を予防でき、QOLの向上にもつながります。
ケアマネジャーさんや施設職員が観察し、日常ケアを記録・管理することは、歯科との連携においても非常に重要です。
訪問歯科を活用して、定期的なチェックと指導を組み合わせることで、より安全で効果的なケアが可能です。
次回は第4回として、「口の乾き(ドライマウス)対策で、食事も会話も快適に!」をテーマにお届けします。
高齢者がより快適に生活できる工夫を紹介予定です。
ケアマネジャーさんと歯科が協力して、高齢者の口腔環境を守ることで、毎日の生活の質を向上させましょう🦷✨
