口の乾き(ドライマウス)対策で、食事も会話も快適に!
こんにちは。西宮市仁川町のしらやま歯科クリニックです。
高齢者の方で「口が乾く」「唾液が少ない」と感じる方は多くいらっしゃいます。
ドライマウスは単に不快なだけでなく、嚥下や発音、口腔内感染症のリスクにも影響します。
ケアマネジャーさんや介護スタッフが気づくことで、早めの対応が可能です。
◆実際のケース:78歳男性・Mさん
Mさんは施設入所中。「食事のときに飲み込みにくそう」とスタッフから相談があり来院。
診察すると、唾液の分泌量が少なく、舌や口腔粘膜が乾燥していました。
ドライマウスの影響で口腔内の菌が増え、炎症も起きていたのです。
訪問歯科での保湿ジェルや水分補給指導、口腔運動を取り入れることで、
食事がしやすくなり、発語も明瞭になりました。
◆ドライマウスの主な原因
- 加齢による唾液分泌の低下
- 薬の副作用(降圧薬、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬など)
- ストレスや口呼吸
- 慢性的な口腔疾患や全身疾患(糖尿病など)
◆日常でできるケアと工夫
- 水分補給をこまめに:飲み込みやすい量を少しずつ
- 口腔保湿ジェルやスプレーの使用:就寝前や食事前に使用すると効果的
- 唾液腺マッサージや舌運動:唾液の分泌を促します
- 刺激の少ない食事を心がける:辛すぎる調味料は乾燥を悪化させることがあります
◆ケアマネが観察すべきポイント
- 会話が減っている、発音が不明瞭になっている
- 食べこぼしやむせが増えていないか
- 口臭や口腔内の炎症がないか
- 唾液分泌の状態を記録し、異常があれば歯科へ連携
◆訪問歯科でできるサポート
- 口腔内の清掃と保湿指導
- 唾液分泌を促す口腔運動や嚥下訓練の指導
- 薬や全身疾患の影響を考慮したケア提案
- 入れ歯の適合チェックと清掃指導
◆まとめ
ドライマウスは、高齢者の食事・会話・口腔内の健康に影響を及ぼします。
ケアマネジャーさんが日常で気づき、早めに歯科と連携することが重要です。
日々の水分補給、保湿ジェル、口腔運動などの簡単なケアを取り入れるだけで、
食事や会話の快適さを保つことができます。
次回は第5回として、「歯が残っている方こそ注意!歯周病が全身に及ぼすリスク」をお届けします。
高齢者の健康管理に欠かせない知識を詳しく解説予定です。
ケアマネジャーさんと歯科が協力し、口腔環境の維持を通して高齢者のQOLを守るお手伝いをしていきましょう🦷✨
