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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
今回は「口呼吸を続けることで、身体にどんな影響が出るのか?」についてお話しします。
「口を開けて寝てるけど、そんなに悪いの?」と思われるかもしれません。
ですが、口呼吸の習慣はお口の中だけでなく、全身の健康にも関係しているんです。
口呼吸をすると、まず最初に起こるのが「お口の乾き」です。
本来、鼻呼吸をしていれば、空気は鼻の中で温められ、湿度も加えられてから肺に届きます。
しかし口で呼吸すると、冷たく乾いた空気が直接お口の中を通るため、粘膜や舌が乾燥してしまうのです。
唾液が減ると、虫歯や歯周病、口臭が起こりやすくなります。
唾液には、細菌を洗い流したり、酸を中和したりする“天然のバリア機能”がありますが、
その力が十分に働かなくなってしまうんですね。
口呼吸の子どもたちは、舌の位置が低くなりやすい傾向があります。
本来、舌は上あご(口蓋)に軽く触れているのが正しい位置です。
ところが口を開けて呼吸するクセがあると、舌が下に落ちてしまう。
その結果、上あごの発育が十分に広がらず、歯が並ぶスペースが足りなくなってしまうことがあります。
また、口呼吸の子は唇の力が弱く、前歯が前方に出てしまったり、
「出っ歯」や「開咬(前歯が閉じない状態)」になることもあります。
つまり、口呼吸が歯並びの乱れにつながる可能性があるんです。
鼻呼吸には、「空気をフィルターに通す」役割があります。
鼻毛や鼻の粘膜が、ほこり・花粉・ウイルスなどをキャッチしてくれるのです。
しかし口呼吸をしていると、細菌やウイルスが直接喉に入ってしまうため、
風邪をひきやすくなったり、のどの炎症を繰り返すようになったりします。
特に子どもは免疫機能が発達途中のため、
口呼吸によって感染リスクが上がることは見逃せません。
「なんとなくいつも鼻水・せきが出てる」「扁桃腺が腫れやすい」
そんな子は、呼吸の仕方を見直す必要があるかもしれません。
口呼吸の習慣が長く続くと、顔の骨格の発育にも影響が出ることがあります。
常に口が開いている状態では、唇や頬の筋肉が正しく使われません。
その結果、
下あごが後ろに下がる
顔が縦に長く見える
頬がこける
口元が前に出て見える
といった特徴が現れやすくなります。
いわゆる「口呼吸顔」と呼ばれるものですね。
これは見た目の問題だけでなく、咬み合わせや発音にも影響を及ぼします。
口を開けて寝ていると、いびきをかきやすくなり、
重度になると「睡眠時無呼吸症候群」に発展することもあります。
睡眠中に呼吸が止まると、身体は十分に休めません。
「朝起きても疲れている」「集中力が続かない」といった症状が出ることもあります。
お子さんの場合は、成長ホルモンの分泌にも影響するため、
学習面・体力面でもデメリットが出てしまう可能性があるのです。
では、どうすれば口呼吸を鼻呼吸に戻せるのでしょうか?
まずは、原因をしっかり見極めることが大切です。
鼻づまり(アレルギー性鼻炎など)がある
扁桃腺やアデノイドが大きい
舌や口周りの筋肉が弱い
歯並びやあごの形に問題がある
こうした原因に合わせて、歯科や耳鼻科での治療、
あるいは**舌のトレーニング(MFT)**などを行うことがあります。
特に小児矯正では、あごの成長をサポートしながら、
鼻呼吸へ導くような治療を組み合わせることも可能です。
口呼吸は一見、些細なクセに見えますが、
放っておくとお口の健康・歯並び・姿勢・免疫力など、
身体のあらゆるバランスに関係する重要なサインです。
もし「うちの子、いつも口が開いてる気がする」「寝るときにいびきをかく」
そんな心当たりがある方は、一度、歯科医院や耳鼻科で相談してみてください。
お子さんの未来の笑顔と健康のために、
小さなサインを見逃さないことが大切です。