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【シリーズ第4回】噛みにくい原因は入れ歯だけじゃない

【シリーズ第4回】噛みにくい原因は入れ歯だけじゃない

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町の「しらやま歯科クリニック」院長、白山です。
「入れ歯にしたのに噛みにくい」「せっかく作ったのに使いにくい」
こんなお悩みを抱える高齢者の方は多くいらっしゃいます。

しかし実は、

「噛みにくい=入れ歯の問題」とは限りません。

今回は、噛みにくさの本当の原因を詳しく解説していきます。


◆ 「噛みにくい」原因は大きく5つある

入れ歯の調整だけでは改善しないケースも多いのですが、
その理由は複数の要因が重なっているからです。

高齢の方で多い代表的な5つの原因がこちらです:

  • ① 入れ歯の噛み合わせの問題
  • ② 顎の骨の吸収・歯ぐきの変化
  • ③ 口の周りの筋力低下
  • ④ 唾液量の低下(ドライマウス)
  • ⑤ 食いしばり・噛み癖の変化

これらをひとつずつ解説します。


① 入れ歯の噛み合わせ自体の問題

もちろん、入れ歯が原因で噛みにくさが生じることはあります。

特に、

  • 噛むと痛い
  • 左右どちらかが浮く
  • 食べ物が逃げる

といった症状は、入れ歯の高さや噛み合わせのズレが疑われます。

ただし、これは全体の20〜30%ほどで、残りは他の要因が関係しています。


② 顎の骨(歯槽骨)が痩せている

高齢の方では、半年〜数年で顎の骨が変化します。
骨が痩せると、

  • 入れ歯が沈む
  • 噛む力が弱くなる
  • 硬いものが噛めなくなる

といった影響が出ます。

入れ歯が合っていても噛みにくい場合、骨の変化によるものであることが多いです。

このケースでは「裏打ち(リベース)」が有効です。


③ 口の周りの筋力低下(オーラルフレイル)

高齢者に急増しているのがオーラルフレイル(口の虚弱)です。

口輪筋や頬の筋肉が弱くなると、

  • 入れ歯が安定しない
  • 噛む力が弱く感じる
  • 食べ物を押し潰しにくい

といった症状が出ます。

この場合、入れ歯の調整だけでは改善が難しく、
口腔機能訓練(パタカラ体操 など)が必要になります。


④ 唾液量の低下(ドライマウス)

唾液は入れ歯にとって「天然の吸着剤」です。

唾液が少ないと、

  • 入れ歯が吸着しにくい
  • 食べ物が喉に入っていきにくい
  • 咀嚼の動きがスムーズにいかない

と、“噛む”動作そのものが難しくなります。

特に、薬の副作用で唾液が減っている高齢者は非常に多いです。

この場合は、

  • 保湿ジェル
  • 保湿スプレー
  • 唾液腺マッサージ

などを併用するのが効果的です。


⑤ 食いしばり・噛み癖の変化

ストレス、体のゆがみ、片側で噛む癖…。
こうした習慣も噛みにくさに大きく影響します。

噛む筋肉(咬筋)が固まると、

  • 顎の動きが小さくなる
  • 入れ歯がうまく動かない
  • 噛む力が弱くなる

といった症状を引き起こします。

痛みの再発や違和感が続くと、脳が無意識に「かばう癖」をつくり、
ますます噛みにくくなっていきます。


◆ 「入れ歯のせいに見えるけど実は違う」よくある症状

● ケース1:硬いものが噛めない

原因:骨の吸収+噛む筋肉の弱さ

● ケース2:奥歯で噛みにくい

原因:噛み合わせのズレ+食いしばり

● ケース3:噛むと疲れる・だるい

原因:口の周りの筋力低下+唾液量不足

このように、口全体の状態を見ないと原因は特定できません。


◆ 患者さんの実例(しらやま歯科クリニック)

81歳 女性・Hさん:「入れ歯の噛み心地が悪い」

  • 入れ歯は新しいもの
  • 見た目の適合は良好
  • 唾液量の低下あり
  • オーラルフレイル傾向

入れ歯の調整だけでは改善せず、
口腔機能訓練+保湿ケアを併用

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