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【マイオブレース第17回】「マイオブレースは他の小児矯正(ワイヤー矯正・床矯正)とどう違うの?」

マイオブレースは他の小児矯正とどう違うの?ワイヤー矯正・床矯正との比較

「小児矯正を考えているけど、種類が多くてわからない」「ワイヤー矯正や床矯正と、マイオブレースは何が違うの?」
こうした質問は、多くの保護者の方からいただきます。

今回は小児矯正の代表であるワイヤー矯正・床矯正・マイオブレースの違いを、わかりやすく比較します。
しらやま歯科クリニック(西宮市仁川町)でもよく相談をいただく内容なので、保護者の判断材料になるよう丁寧に解説します。


● 小児矯正には「形を動かす矯正」と「成長を促す矯正」の2種類がある

まず押さえておくべきなのは、小児矯正には大きく2種類あるということです。

  • ① 歯を動かす矯正(ワイヤー矯正)
  • ② 顎の成長を促す矯正(床矯正・マイオブレース)

ワイヤー矯正は「歯の位置を動かす」治療。
一方で床矯正やマイオブレースは「顎の育ち方を整える」治療です。
目的が違うため、得意とすることも異なります。


● ワイヤー矯正との違い

【ワイヤー矯正】
ブラケット(ワイヤー)をつけて、歯を直接動かしていく方法です。

メリット:

  • 歯を確実に動かせる
  • 仕上がりが精密
  • 年齢を問わず治療できる

デメリット:

  • 痛みが出る場合がある
  • 見た目の違和感が大きい
  • むし歯・歯周病のリスクが上がる
  • 顎の成長は改善できない

【マイオブレースとの違い】

  • マイオブレースは歯を直接動かすものではない
  • 主に顎の成長・舌の位置・呼吸を改善する
  • 痛みが非常に少なく、見た目のストレスが少ない

マイオブレースは「歯を並べたい」ではなく
“悪くならないよう成長段階で整える”
という目的で使います。


● 床矯正との違い

【床矯正(しょうきょうせい)】
ネジを回すことで顎を広げ、永久歯が並ぶスペースを作る治療です。

メリット:

  • 顎を物理的に広げられる
  • 比較的シンプルな装置
  • 費用が抑えられる場合がある

デメリット:

  • 装置が大きく話しにくい
  • 痛みが出ることがある
  • 正しい舌の位置・呼吸までは改善しにくい

【マイオブレースとの違い】

  • 床矯正は「機械的に顎を広げる」
  • マイオブレースは「舌・唇の力で正しく成長させる」
  • 呼吸の改善や姿勢までアプローチできる

つまり、床矯正は“機械で広げる矯正”、
マイオブレースは“正しい成長を取り戻す矯正”という違いがあります。


● どれが1番良いの?

結論から言うと、
お子さんの状態によって、最適な方法は異なります。

  • 前歯がガタガタ → ワイヤー矯正が必要な場合あり
  • 顎が小さい → 床矯正 or マイオブレース
  • 口呼吸・舌癖がある → マイオブレースが最適

特に近年注目されているのは、
歯並びの原因の多くは「呼吸」「舌の位置」「癖」にある
という事実です。

マイオブレースはこれら“根本原因”にアプローチできるため、
綺麗な歯並びだけでなく、健康な成長につながるのが大きな強みです。


● マイオブレースが向いているお子さん

  • 口呼吸をしている
  • 舌の位置が低い
  • ポカン口
  • いびきをかく
  • 食べ方が気になる(クチャクチャ食べ)
  • 姿勢が悪い
  • 顎が小さい

こうしたサインがある場合、マイオブレースが最も効果的なことが多いです。


● まとめ:3つの矯正は「競合」ではなく「役割が違う」

ワイヤー矯正は歯を動かす。
床矯正は顎を広げる。
マイオブレースは呼吸と成長を整える。
それぞれが異なる役割を持っています。

マイオブレースは、お子さんの成長期にしかできない「未来の健康への投資」。
歯並びだけでなく、呼吸・姿勢・睡眠など体全体のバランスを整えていく治療です。


▶ 次の記事(第18回):マイオブレース治療が向かないケースもある?知っておくべき注意点

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