【第23回】マイオブレースは“いつ始めても遅くない”って本当?
最適年齢と始めどきのリアル
マイオブレースについて調べていると、
「5~10歳がベスト」といった情報を目にすることが多いと思います。
では、10歳を超えたらもう遅いの?
3~4歳の幼児から始めてもいいの?
このあたり、実は多くの保護者の方が感じている疑問です。
今回は、マイオブレースの実際の“始めどき”について、
できるだけわかりやすくまとめました。
5~10歳の治療を軸にしつつ、
「いつ来ればいいの?」という不安をやわらげる内容です。
■ マイオブレースの効果が出やすいのは、なぜ“5~10歳”なのか?
結論から言えば、これは顎の成長スピードと密接に関係しています。
- 5~7歳:成長スピードが最も高い時期
- 7~10歳:呼吸・姿勢・筋機能の改善にしっかり取り組める時期
- 永久歯に生えかわる準備がすすむ時期
このため、マイオブレースは5~10歳が最も効果的と言われています。
ただし、「この年齢のあいだに絶対に始めなければならない」という意味ではありません。
■ では、“10歳を超えたら遅い”のか?
ご安心ください。
10歳以降でも、十分に改善は可能です。
もちろん成長スピードは少しずつ落ちていきますが、
マイオブレースの目的はあくまで
- 舌の位置
- 鼻呼吸
- 姿勢
- 飲み込み方
- 口周りの習慣
など、“悪い歯並びの原因そのものを改善すること”です。
原因を改善する治療である以上、
年齢が上がっても効果は期待できます。
※10歳以上の場合は、必要に応じて別の装置と併用したり、治療期間が伸びる可能性があります。
そのぶん、より丁寧なカウンセリングが重要になります。
■ 逆に、3~4歳で始めてもいいの?
将来的なリスクを見つけるという意味では、早めの診断は大歓迎です。
ただ、3~4歳のお子さまは発達段階的に
- 器具を使う習慣を作るのが難しいことがある
- 口の機能がまだ不安定である
- 本人の協力度に差がある
といった特徴もあります。
マイオブレース自体は可能ですが、
その子の性格・発達・生活習慣との相性をしっかり見極める必要があります。
そのため当院では、
「まず診断 → 始めどきの相談 → 保護者と一緒に判断」
という流れを大切にしています。
■ “ベストな始めどき”とは、ズバリこの3つがそろった時
年齢よりも大切なのは、次の3つです。
- 本人がある程度協力できること
- 家で練習時間を確保できること
- 保護者が治療の目的を理解していること
マイオブレースは、「つければ歯が動く」装置ではありません。
習慣を変える治療です。
そのため、親子で一緒に取り組む姿勢がとても大切です。
つまり、“その子が始められる準備ができた時”こそ、最良のタイミングです。
■ よくある質問:何歳までなら治療できますか?
基本的には、小学校高学年までが最もスムーズに進みます。
ただし12歳ごろでも、
「呼吸の改善」「舌のトレーニング」「生活習慣の改善」
といった機能面のサポートは十分にできます。
年齢による制限はあるものの、
「治療できるかどうか」よりも「どんな方法で進めるか」が重要になります。
■ 【まとめ】年齢に関わらず、一度チェックする価値はある
マイオブレースの開始時期は、
一般的には5~10歳が理想です。
しかし、
- 10歳を超えても治療は可能
- 幼児期から診断して様子を見るのも有効
- 個人の発達や生活習慣によって最適な時期は変わる
つまり結論はひとつ。
「まずは診断して、その子にとってのベストな始めどきを一緒に探す」
これが最も安心で、最も確実です。
当院でも、無理のないステップで、
お子さまの将来にとって最善の治療開始時期をご提案しています。
「うちの子、始めるならいつ?」と迷われている方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
