【第5回】フッ素の正しい使い方と誤解されやすいポイント
こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯科医院を運営している、しらやま歯科クリニックの白山です。
前回の記事では、子どもの虫歯予防についてご紹介しました。今回は、虫歯予防の中でも特に重要なフッ素の正しい使い方と、よくある誤解について詳しく解説します。
■ フッ素とは?
フッ素は、歯の表面を強化し、虫歯菌が出す酸に負けない丈夫な歯を作る成分です。
科学的にも虫歯予防の効果が証明されており、歯科医院でのフッ素塗布や市販の歯磨き粉で広く利用されています。
正しい方法で使用すれば、子どもから大人まで安全に虫歯予防が可能です。
■ フッ素の効果
- 再石灰化の促進:初期虫歯の進行を止め、歯の表面を修復します。
- 酸に対する耐性向上:虫歯菌の酸による歯の溶解を防ぎます。
- 菌の抑制作用:虫歯菌の活動を弱め、虫歯の発生リスクを下げます。
■ よくある誤解
フッ素に関しては、誤解や不安を持つ方もいらっしゃいます。以下が代表的なものです。
- 「フッ素は体に悪いのでは?」
適切な濃度・量で使用すれば、安全性は非常に高いです。市販歯磨き粉や歯科医院での塗布は全て基準内で行われています。 - 「フッ素を使えば歯磨きは不要」
フッ素は補助的な役割であり、基本は正しいブラッシングが不可欠です。フッ素だけでは虫歯を完全に防げません。 - 「フッ素は大人には意味がない」
大人でも再石灰化や虫歯予防に効果があります。特に歯の表面が薄くなっている中高年には有効です。
■ 正しい使い方のポイント
フッ素の効果を最大限に引き出すためには、以下の点を意識しましょう。
- 適切な濃度・量の使用
市販歯磨き粉なら1000〜1450ppmのフッ素濃度を使用し、1回の量は豆粒大(子どもはさらに少量)にします。 - 歯磨きの後に吐き出す
フッ素を飲み込まないようにし、うがいも軽く1回だけでOKです。 - 毎日継続して使用
定期的に使用することで、虫歯予防効果が持続します。 - 歯科医院での高濃度フッ素
年数回の塗布でさらに強化できます。特に虫歯リスクの高いお子さんや大人にはおすすめです。
■ 家庭でできるフッ素活用法
1. 朝晩の歯磨きでフッ素入り歯磨き粉を使用する
2. 食後30分以内のブラッシングでフッ素の効果を活かす
3. 高濃度フッ素ジェルを週1〜2回、歯科指導のもと使用する
フッ素は、虫歯になりやすい人の特徴と生活習慣や、初期虫歯は削らず治せる?最新の考え方と組み合わせると、予防効果がさらに高まります。
■ 注意点
- 子どもは誤飲に注意し、必ず保護者が管理
- 市販製品と歯科での高濃度フッ素を混合して使用しない
- 使用中に違和感や異常を感じたら歯科医師に相談
■ まとめ
フッ素は、正しい使い方を守れば非常に安全で効果的な虫歯予防の味方です。
家庭での継続使用と定期的な歯科受診を組み合わせることで、お子さんも大人も健康な歯を長く保つことができます。
次回はシリーズ最終回として、定期検診で“見つからなかった虫歯”がある理由について詳しく解説します。
ぜひご覧ください。
▶ 関連記事:
虫歯になりやすい人の特徴と生活習慣
初期虫歯は削らず治せる?最新の考え方
子どもの虫歯を防ぐために親ができること
▶ 公式サイト:
しらやま歯科クリニック公式サイト
