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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
〜口の乾きの裏に潜む意外な病気たち〜
「最近、口の中がカラカラ…」
「水を飲んでもすぐ乾く…」
そんなとき、単なる加齢や水分不足と思っていませんか?
実は、だ液の分泌が減る原因には病気が隠れていることがあります。
だ液の分泌低下は、虫歯や口臭、嚥下(えんげ)障害など、口だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす重要なサインです。
今回は、だ液分泌が少なくなる代表的な病気と、その特徴・対策について解説します。
シェーグレン症候群は、自己免疫疾患の一つで、自分の免疫システムが唾液腺や涙腺を攻撃してしまう病気です。
強い口の乾き(ドライマウス)
目の乾き(ドライアイ)
虫歯や口内炎ができやすい
食べ物が飲み込みにくい
女性に多く、特に40〜60代で発症しやすいといわれています。全身の関節痛や倦怠感を伴うこともあります。
糖尿病では、高血糖状態が続くことで体内の水分バランスが崩れ、だ液の分泌量が減少します。
口の乾き
のどの渇き
頻尿
傷の治りが遅い
糖尿病患者は免疫力が低下し、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
パーキンソン病は脳内の神経伝達物質(ドーパミン)の不足によって運動機能が低下する病気ですが、自律神経にも影響し、だ液分泌が減ることがあります。
口の乾き
手足の震え
動作の遅れ
姿勢の前傾
病気そのものの影響に加え、治療薬が口の乾きを副作用として引き起こすこともあります。
甲状腺ホルモンが不足すると、新陳代謝が低下し、体のさまざまな機能が低下します。だ液腺の働きも弱まり、分泌が減ります。
口や喉の乾燥
体の冷え
むくみ
倦怠感
体重増加
原因は橋本病などの自己免疫疾患であることも多いです。
体内の水分が不足すると、だ液の原料となる水分が足りず、分泌量が減ります。
強い口の乾き
めまい・頭痛
倦怠感
意識がぼんやりする
高齢者や小児、持病がある人は特に注意が必要です。
頭頸部のがんに対する放射線治療では、唾液腺そのものがダメージを受け、分泌量が大幅に減ります。抗がん剤も副作用として口の乾きを引き起こすことがあります。
口の乾き
味覚の変化
口内炎
食べにくさ・飲みにくさ
HIV感染症
免疫低下に伴い口腔乾燥を起こすことがあります。
うつ病
自律神経の乱れや抗うつ薬の副作用で乾燥。
アルツハイマー病
神経機能の低下や薬の影響による乾燥。
だ液が少ない状態が続くと…
虫歯や歯周病が急速に進行
舌や粘膜に傷ができやすい
飲み込みにくさ(嚥下障害)が悪化
味覚障害や食欲低下
口だけの問題に見えても、栄養状態や全身の健康にまで影響が及びます。
次のような症状が2週間以上続く場合は、早めに歯科または内科・耳鼻科を受診しましょう。
常に口が乾いている
水を飲まないと食事ができない
虫歯が短期間で複数できた
目の乾きや全身症状を伴う
病気の治療と並行して、だ液分泌を促す生活習慣も大切です。
よく噛んで食べる
水分をこまめに取る
キシリトールガムを噛む
部屋の湿度を保つ
舌や頬の運動を行う
だ液の分泌低下は単なる加齢や生活習慣だけでなく、シェーグレン症候群・糖尿病・甲状腺疾患・神経疾患・がん治療など、重大な病気のサインであることがあります。
口の乾きが長く続く場合は自己判断せず、早めに医療機関で原因を調べ、適切な治療を受けることが大切です。
口のうるおいは、健康のバロメーターです。今日から少しだけ、自分の口の中に意識を向けてみましょう。