〒662-0811 兵庫県西宮市仁川町2丁目4-13 1F
0798-56-7001

しらやま歯科クリニック

ブログ

Blog

なぜ、カ行の発音が苦手な子がいるのだろうか?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。

なぜカ行が苦手な子がいるのだろうか?

お子さんの会話を聞いていて、
「“カ”が“タ”みたいに聞こえる」
「“きつね”が“ちつね”になる」
そんなふうに感じたことはありませんか?

実は、**カ行(か・き・く・け・こ)**も小さな子どもにとっては発音が難しい音のひとつ。
特に「き」や「く」など、口の奥で作る音は習得に時間がかかることがあります。

では、なぜカ行が苦手な子がいるのでしょうか?


1. カ行は「口の奥」で作る音

カ行の音は、舌の後ろの部分(舌根)を口の奥のやわらかい部分(軟口蓋)に押し当てて、そこから息を出すことで作られます。

つまり、

  • 舌を大きく後ろに引く動き

  • 息のコントロール

  • 口を適度に開く動き
    を同時に行う必要があります。

小さい子はまだ舌の筋肉や奥の動きが未発達なため、舌を十分に引けず、代わりに前の方で発音してしまい、タ行やチャ行のような音になることがあります。


2. 舌の動きや筋力の未発達

カ行の発音には、舌の奥をしっかり持ち上げる筋力が必要です。
しかし、舌の筋肉は咀嚼や嚥下(飲み込み)の経験を通して徐々に発達するため、離乳食期や幼児期の食べ方の影響も受けます。

例えば、

  • 柔らかいものばかりを食べている

  • 丸飲みの習慣がある
    と、舌の奥を使う機会が少なくなり、カ行の発音が安定しにくくなります。


3. 舌の位置の癖や口腔習慣

カ行が苦手な子の中には、舌の位置に癖があるケースもあります。
例えば、

  • 舌が常に前にある(舌突出癖)

  • 舌を奥に引きにくい

  • 舌の動きが左右に偏っている
    などがあると、口の奥で音を作ることが難しくなります。

また、口呼吸の習慣や長期間の指しゃぶりも、舌のポジションや動きに影響します。


4. 耳での聞き分けが未完成な場合も

発音は「口の動き」だけでなく、「耳での聞き分け」にも関係します。
カ行とタ行は音の高さや響きが似ているため、聞き分けの力が十分でないと、自分の発音の誤りに気づきにくくなります。

特にことばの発達がゆっくりな子や、耳の病気(中耳炎など)の経験が多い子は、この影響を受けることがあります。


5. 成長とともに改善することも多い

3〜5歳の間は、カ行の発音がまだ不安定でも珍しくありません。
特に「き」「く」などは後方の舌の動きを伴うため、小学校入学前までに少しずつ安定してくるケースが多いです。

ただし、7歳頃になっても発音がはっきりしない場合や、誤った音が定着している場合は、言語聴覚士による発音指導や、口腔機能トレーニングが有効です。


6. 家でできるサポート

おうちでできる練習方法としては、

  • 鏡を見ながら「か・き・く・け・こ」をゆっくり言う

  • 舌の奥を動かす遊び(のどの奥に舌を持っていく動作)

  • 息をしっかり前に出す遊び(風船、ストロー)
    などがあります。

ただし、練習は「楽しい雰囲気」が大事です。
間違いを強く指摘するよりも、正しい音を一緒にまねしながら遊ぶ方が、自然に身につきます。


まとめ

カ行の発音が苦手な理由は、

  • 舌の奥を使う動きが未発達

  • 舌の位置や口腔習慣の影響

  • 耳での聞き分けが未完成
    など、さまざまな要因が関わります。

多くの場合は成長とともに改善しますが、長く続く場合は専門的なトレーニングで早期改善が期待できます。

お子さんの発音のクセも、成長の一部。
焦らず、少しずつ、遊び感覚でサポートしてあげましょう。

カテゴリー

最近の投稿

月別アーカイブ