オーラルフレイルと栄養状態:高齢者の健康を口から守る方法
こんにちは。西宮市仁川町のしらやま歯科クリニックです。
高齢者の口腔機能の低下は、単なる「噛みにくさ」や「飲み込みにくさ」にとどまりません。
放置すると栄養不足や全身疾患のリスクを高めることがわかっています。
この状態をオーラルフレイルと呼びます。
◆実際のケース:81歳女性・Sさん
Sさんは一人暮らし。最近、食事量が減り、やせてきたとのことでケアマネジャーさんから相談。
訪問歯科でチェックすると、噛む力と舌の運動機能が低下しており、硬い食材を避ける傾向がありました。
口腔リハビリと食事内容の工夫を併用したところ、数週間で食事量が回復。
栄養状態も改善し、体重や筋力の維持につながりました。
◆オーラルフレイルのサイン
- 硬いものを避けるようになる
- 食べこぼしやむせが増える
- 声が小さくなった、会話が減った
- 食事に時間がかかるようになった
- 体重が減ってきた
◆日常でできるケアと栄養サポート
- 噛む運動や舌の運動:口腔筋の維持に役立つ
- 柔らかく栄養価の高い食材:噛みやすく、必要な栄養を確保
- 小分けにした食事:嚥下しやすく、食べやすさ向上
- 水分補給の工夫:口腔乾燥を防ぎ、嚥下を助ける
- 定期的な歯科チェック:入れ歯や歯の状態を確認し、噛む力を維持
◆ケアマネが観察すべきポイント
- 食事量や食べる速度の変化
- 硬い食材を避けるようになっていないか
- 体重の減少や筋力低下
- 口腔内の乾燥や炎症
◆訪問歯科でできるサポート
- 口腔筋トレの指導や嚥下訓練
- 入れ歯や残存歯の噛み合わせ調整
- 口腔内清掃や保湿指導
- 栄養士やケアマネとの情報共有・連携
◆まとめ
オーラルフレイルは、口腔機能の低下だけでなく、栄養不足や体力低下につながります。
ケアマネジャーさんや介護スタッフが日常で観察し、早めに訪問歯科と連携することで、
高齢者の生活機能と全身の健康を守ることが可能です。
次回、第3回は 「誤嚥性肺炎予防:口腔ケアで肺を守る」 をテーマに、
口腔ケアと全身健康のつながりをさらに詳しく解説予定です。
日常の観察と口腔ケア、歯科連携を組み合わせて、高齢者の健康と生活の質を守りましょう🦷✨
