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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
「入れ歯は入れ歯でしょ? 上でも下でも同じじゃないの?」
そんなふうに思っていませんか?
実は、上あごの入れ歯と下あごの入れ歯では、構造も特徴も、そして難しさも大きく違うんです。
今日はその違いを、できるだけ分かりやすく、ちょっと楽しくお話ししていきますね。
「なるほど~!」「そういう理由で使い心地が違うのか!」と感じていただけたら嬉しいです。
まずは上あごから。
上あごの入れ歯は、口の中の天井(口蓋:こうがい)を大きく覆う形をしています。
これには理由があるんです。
上あごの骨や粘膜は比較的しっかりしていて、面積も広いので、入れ歯を大きく作ることで 「吸盤のように吸いつく」 効果が得られるんです。
そのため、上あごの入れ歯は
比較的安定しやすい
外れにくい
しっかり噛める
というメリットがあります。
ただし、デメリットも。
入れ歯が大きいため、最初は「口の中が狭い」と感じやすい
味や温度を感じにくくなることがある
発音がしにくいこともある
「お餅を食べたら、入れ歯と口蓋の間にくっついちゃった!」なんていうのも、上あご入れ歯あるあるですね。
一方、下あごの入れ歯はどうでしょうか?
下あごは構造的にとても難しい場所なんです。
理由は大きく3つあります。
面積が狭い
上あごのように広い面で吸いつかせることができず、安定させるのが難しい。
舌が動く
舌は常に動いていて、その動きが入れ歯を押したり引いたりします。
そのため、入れ歯が浮きやすいのです。
頬や唇の筋肉の影響
頬や唇の動きが、下あごの入れ歯を簡単に押し出してしまいます。
つまり下あごの入れ歯は、
外れやすい
動きやすい
噛みにくい
という悩みが多くなりがちなんですね。
ちょっと整理してみましょう。
上あごの入れ歯 | 下あごの入れ歯 | |
---|---|---|
安定性 | 比較的良い | 不安定になりやすい |
面積 | 広く覆える | 狭く限られる |
筋肉の影響 | 少ない | 舌・頬・唇の動きでずれやすい |
違和感 | 大きくて慣れるまで時間がかかる | 外れやすさに慣れるのが大変 |
メリット | 吸着して外れにくい | 覆う部分が少なく、違和感は少なめ |
デメリット | 発音や味覚に影響が出ることも | 安定させるのが難しい |
こうして見ると、「どっちが楽」というよりも、それぞれに特徴と課題があることが分かりますね。
「じゃあ下あごの入れ歯は仕方ないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
快適に使うための工夫はいろいろあります。
定期的な調整を受ける
少しの削合や裏打ち(リベース)で安定性が変わります。
入れ歯安定剤を使う
一時的に吸着を良くする方法ですが、使いすぎは注意。
インプラントを利用する
2〜4本のインプラントで支える「インプラントオーバーデンチャー」は、下あご入れ歯の安定性を飛躍的に高めます。
口腔機能トレーニング
舌や口の周りの筋肉を鍛えると、入れ歯をコントロールしやすくなります。
つまり、「上あごだからこう」「下あごだから仕方ない」と諦めるのではなく、きちんと調整と工夫を重ねることで、ずっと快適に使えるようになるんです。
しらやま歯科クリニックでは、入れ歯の調整をとても大切にしています。
「作って終わり」ではなく、実際に使いながら一緒に育てていくイメージです。
特に訪問歯科でも、入れ歯の不具合で困っている方から多く相談をいただきます。
「下の入れ歯がすぐ浮いてしまう」
「上の入れ歯が大きくてしゃべりにくい」
「痛くて外したままになっている」
こうしたお悩みには、必ず理由があります。
一つひとつ解決していくことで、「食べられる」「笑える」「話せる」喜びを取り戻せるんです。
上あごの入れ歯と下あごの入れ歯は、見た目は似ていてもまったく違う特徴があります。
上あご → 吸着しやすく安定するが、大きくて違和感が出やすい
下あご → 外れやすく安定しにくいが、覆う部分が少なく違和感は少なめ
それぞれの特徴を理解したうえで、調整や工夫を重ねていくことが大切です。
入れ歯でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
しらやま歯科クリニックは、皆さまの「食べる喜び」と「笑顔のある毎日」を全力でサポートします!