季節の歯ケア365日〜毎月の健康な笑顔のために〜 第7回「夏の冷たい飲み物と知覚過敏」
こんにちは。しらやま歯科クリニックの白山です。
いよいよ夏本番。暑い日にはキンと冷えた飲み物やアイスが恋しくなりますね。
でも、「冷たいものを口にすると歯がしみる…」という方、いらっしゃいませんか?
それは、もしかすると知覚過敏(ちかくかびん)かもしれません。
今回は、夏に起こりやすい知覚過敏の原因と、セルフケア・治療法についてご紹介します。
知覚過敏ってどんな状態?
健康な歯は、外側をエナメル質という硬い層が守っています。
ところが、歯ぐきが下がったり、強いブラッシングで歯の表面が削れたりすると、
内側の象牙質(ぞうげしつ)が露出してしまいます。
象牙質の中には神経につながる細い管(象牙細管)があり、冷たい刺激が伝わると「キーン」と痛む。
これが知覚過敏です。
夏にしみやすくなる理由
実は、夏は知覚過敏が起こりやすい季節です。原因はいくつかあります。
- 冷たい飲み物・アイスなどによる刺激が増える
- 冷房による体の冷えで血流が悪くなる
- 熱い⇄冷たいの温度差が大きく、歯の神経が過敏になる
- 夏バテやストレスで歯ぎしり・食いしばりが増える
特に「歯ぎしり」は、歯の根元を少しずつ削ってしまい、知覚過敏を悪化させることもあります。
患者さんのエピソード
40代の男性・Tさんは、毎年夏になると「氷入りの麦茶で歯がしみる」とのことでした。
調べてみると、歯ぐきが少し下がり、根元の象牙質が露出していました。
歯みがきの力を調整し、知覚過敏用の歯みがき剤を使ってもらうことに。
1か月後の定期検診では「今年の夏はしみない!」と笑顔でお話しくださいました。
正しいケアを続ければ、知覚過敏は改善できるという良い例です。
知覚過敏を防ぐためのセルフケア
1. 力を入れすぎずにみがく
強くこすらず、「やさしく円を描くように」がポイントです。
毛先のやわらかい歯ブラシを選びましょう。
2. 知覚過敏用の歯みがき剤を使用
市販のものでも効果がありますが、症状によっては歯科専用のものをおすすめします。
継続的に使うことで、刺激をブロックする成分が歯に浸透していきます。
3. 歯ぎしり対策を
寝ている間に歯ぎしりしている方は、歯科医院でマウスピースを作ると効果的です。
歯への負担を減らし、知覚過敏や歯のすり減りを防ぎます。
4. 冷たいものをとる量と回数を控えめに
暑い日でも、極端に冷たいものを頻繁に口にすると刺激が増えます。
一度にたくさん飲まず、常温の飲み物も交えるのがおすすめです。
歯科での治療法
- しみ止め薬の塗布(コーティング)
- 露出部を樹脂で保護する処置
- 噛み合わせや歯ぎしりのチェック
「少しのしみ」でも、放置すると歯の神経が炎症を起こすこともあります。
気になる症状があれば、早めにご相談ください。
まとめ
夏の知覚過敏は、冷たい刺激と生活習慣の影響が重なって起こることが多いです。
優しい歯みがきと、正しいケアを続けることで改善が期待できます。
「夏をしみない笑顔で楽しむ」ために、早めのチェックをおすすめします。
次回(8月)は、「夏休み中の歯のトラブル予防〜子どものむし歯対策〜」をテーマにお届けします。
ご家族みんなで取り組める、夏ならではのケアを紹介しますので、どうぞお楽しみに!
