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しらやま歯科クリニック

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小児矯正はどういうときにうまくいかなくなる?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。

小児矯正がうまくいかないポイントは?

〜失敗を防ぐためのチェックリスト〜

小児矯正は、永久歯が生えそろう前の時期に、歯並びや顎の発育を整える治療です。
将来の歯並びや噛み合わせを健康に保つためには、とても有効な方法ですが、「思ったような結果が出なかった」「予定より長引いてしまった」という声も少なくありません。

なぜ、小児矯正がうまくいかないケースがあるのでしょうか。
今回は、失敗や停滞につながる代表的なポイントを整理し、それぞれの原因と対策をご紹介します。


1.装置の使用時間や装着方法が守られない

ありがちな状況

小児矯正でよく使われるのは「取り外し式の装置」や「固定式のワイヤー装置」です。
特に取り外し式は、装着時間が不足すると効果が大きく下がります。
たとえば「1日14時間以上使用」と指示があっても、学校や習い事、遊びの時間などで外しっぱなしにしてしまい、実際には半分以下しか使えていないこともあります。

原因

  • 子どもが違和感や痛みを嫌がる

  • 友達や学校で見られるのが恥ずかしい

  • 親が装着管理をチェックしきれない

  • 装置を紛失・破損してしまう

対策

  • 装置の目的や必要性を子どもに分かりやすく説明する

  • 装着時間をアプリやカレンダーで記録して可視化する

  • 最初は短時間から始めて徐々に延ばす

  • 紛失や破損はすぐ歯科医院に連絡し、予備や修理対応を受ける


2.歯磨きや口腔ケアが不十分になる

ありがちな状況

矯正装置をつけると、歯の清掃が一気に難しくなります。
ブラケットやワイヤー、装置の細かい部分に食べかすや歯垢が残りやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。

治療中に虫歯ができると、一時的に装置を外す必要があり、その間に矯正効果が後退することもあります。

原因

  • 磨きにくさから磨き残しが増える

  • 歯ブラシだけでは届かない汚れが増える

  • 甘い飲み物やおやつの摂取が多い

対策

  • 矯正専用の歯ブラシや歯間ブラシを使う

  • 歯科衛生士からのブラッシング指導を定期的に受ける

  • 間食や糖分摂取の回数を減らす

  • フッ素塗布や定期クリーニングを活用する


3.成長の個人差や予想外の歯の動き

ありがちな状況

小児矯正は「顎の成長」を利用して進めますが、成長スピードや骨の発育パターンには大きな個人差があります。
また、永久歯の萌出(生える時期や方向)が予想と異なることもあり、計画が変更になる場合があります。

原因

  • 遺伝的な骨格や歯の大きさの影響

  • 永久歯の位置異常や埋伏歯(骨の中に埋まったままの歯)

  • 成長期の開始時期や速度の違い

対策

  • 初期診断時に「計画変更の可能性」があることを理解しておく

  • 定期的なレントゲン・模型チェックを受ける

  • 成長曲線に合わせた柔軟な治療計画を立てる


4.通院間隔が守られない

ありがちな状況

矯正治療は、月1回程度の定期調整やチェックが必要です。
しかし、部活動、習い事、親の仕事などで通院が遅れ、装置の調整が後回しになると、治療が停滞したり、装置に不具合が起こることがあります。

原因

  • 忙しい生活スケジュール

  • 通院の優先度が下がってしまう

  • 装置が壊れない限り「大丈夫」と思ってしまう

対策

  • 治療期間中は通院を最優先スケジュールに組み込む

  • 学校や部活との両立を歯科医院と相談する

  • 体調や予定で行けない場合は早めに振替予約を取る


5.親子間の温度差

ありがちな状況

親は「将来のために絶対やらせたい」と思っていても、子どもは「痛いし面倒くさい」と感じていることがあります。
この温度差が大きいと、子どもが装置を外す、磨かない、通院を嫌がるなどの問題につながります。

原因

  • 子どもが治療の目的を理解していない

  • 親の押し付けになってしまっている

  • 成果がすぐ見えないため、モチベーションが下がる

対策

  • 治療のゴールや意味を一緒に話し合う

  • 小さな進歩でも一緒に喜び、ほめる

  • 矯正治療を「やらされている」から「自分でやっている」に変える工夫をする


まとめ

小児矯正がうまくいかない背景には、

  1. 装置の使用不足

  2. 口腔ケア不足

  3. 成長や歯の動きの予想外

  4. 通院の遅れ

  5. 親子の温度差

といった複数の要因が絡み合っています。

うまくいかせるためのポイントはシンプルです。

  • 「毎日の装置使用・歯磨き・通院」を守る

  • 成長や歯の動きの変化に柔軟に対応する

  • 親子で目標を共有し、二人三脚で進める

小児矯正は時間も手間もかかりますが、その分、将来の歯の健康や自信につながる大きな投資です。
始める前にこれらのポイントを押さえておけば、途中でつまずく可能性を大きく減らせます。

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