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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
〜失敗を防ぐためのチェックリスト〜
小児矯正は、永久歯が生えそろう前の時期に、歯並びや顎の発育を整える治療です。
将来の歯並びや噛み合わせを健康に保つためには、とても有効な方法ですが、「思ったような結果が出なかった」「予定より長引いてしまった」という声も少なくありません。
なぜ、小児矯正がうまくいかないケースがあるのでしょうか。
今回は、失敗や停滞につながる代表的なポイントを整理し、それぞれの原因と対策をご紹介します。
小児矯正でよく使われるのは「取り外し式の装置」や「固定式のワイヤー装置」です。
特に取り外し式は、装着時間が不足すると効果が大きく下がります。
たとえば「1日14時間以上使用」と指示があっても、学校や習い事、遊びの時間などで外しっぱなしにしてしまい、実際には半分以下しか使えていないこともあります。
子どもが違和感や痛みを嫌がる
友達や学校で見られるのが恥ずかしい
親が装着管理をチェックしきれない
装置を紛失・破損してしまう
装置の目的や必要性を子どもに分かりやすく説明する
装着時間をアプリやカレンダーで記録して可視化する
最初は短時間から始めて徐々に延ばす
紛失や破損はすぐ歯科医院に連絡し、予備や修理対応を受ける
矯正装置をつけると、歯の清掃が一気に難しくなります。
ブラケットやワイヤー、装置の細かい部分に食べかすや歯垢が残りやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。
治療中に虫歯ができると、一時的に装置を外す必要があり、その間に矯正効果が後退することもあります。
磨きにくさから磨き残しが増える
歯ブラシだけでは届かない汚れが増える
甘い飲み物やおやつの摂取が多い
矯正専用の歯ブラシや歯間ブラシを使う
歯科衛生士からのブラッシング指導を定期的に受ける
間食や糖分摂取の回数を減らす
フッ素塗布や定期クリーニングを活用する
小児矯正は「顎の成長」を利用して進めますが、成長スピードや骨の発育パターンには大きな個人差があります。
また、永久歯の萌出(生える時期や方向)が予想と異なることもあり、計画が変更になる場合があります。
遺伝的な骨格や歯の大きさの影響
永久歯の位置異常や埋伏歯(骨の中に埋まったままの歯)
成長期の開始時期や速度の違い
初期診断時に「計画変更の可能性」があることを理解しておく
定期的なレントゲン・模型チェックを受ける
成長曲線に合わせた柔軟な治療計画を立てる
矯正治療は、月1回程度の定期調整やチェックが必要です。
しかし、部活動、習い事、親の仕事などで通院が遅れ、装置の調整が後回しになると、治療が停滞したり、装置に不具合が起こることがあります。
忙しい生活スケジュール
通院の優先度が下がってしまう
装置が壊れない限り「大丈夫」と思ってしまう
治療期間中は通院を最優先スケジュールに組み込む
学校や部活との両立を歯科医院と相談する
体調や予定で行けない場合は早めに振替予約を取る
親は「将来のために絶対やらせたい」と思っていても、子どもは「痛いし面倒くさい」と感じていることがあります。
この温度差が大きいと、子どもが装置を外す、磨かない、通院を嫌がるなどの問題につながります。
子どもが治療の目的を理解していない
親の押し付けになってしまっている
成果がすぐ見えないため、モチベーションが下がる
治療のゴールや意味を一緒に話し合う
小さな進歩でも一緒に喜び、ほめる
矯正治療を「やらされている」から「自分でやっている」に変える工夫をする
小児矯正がうまくいかない背景には、
装置の使用不足
口腔ケア不足
成長や歯の動きの予想外
通院の遅れ
親子の温度差
といった複数の要因が絡み合っています。
うまくいかせるためのポイントはシンプルです。
「毎日の装置使用・歯磨き・通院」を守る
成長や歯の動きの変化に柔軟に対応する
親子で目標を共有し、二人三脚で進める
小児矯正は時間も手間もかかりますが、その分、将来の歯の健康や自信につながる大きな投資です。
始める前にこれらのポイントを押さえておけば、途中でつまずく可能性を大きく減らせます。