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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている白山です。
虫歯を治したり、矯正をしたり、子供の歯を治したりしています。
さて、今回はまだまだ予断を許さないコロナに関わる話。
WHOから新型コロナウイルス感染症のQ&Aで「してはいけないこと」の第一に「喫煙」が挙げられていました。
そして、加熱式タバコ・電子タバコも紙巻きタバコ同様、身体に影響があるのです。
今回はその理由をお話しします。
この記事は喫煙をされている方、もしくは周りに喫煙者がいる状況が多い方におススメです。
患者さんにもよく言われるのですが、「加熱式たばこだったらオッケーでしょ?」という内容について。
皆さんは、どう思いますか?
結論から言うと、答えは、NOです。
理由はシンプルで、加熱式タバコ・電子タバコにも紙巻きタバコと同じタバコ葉が使用されているからです。
(電子タバコの中にはタバコ葉を使っていない、ただのフレーバーを楽しむ装置もあったりしますが…)
紙巻きタバコは煙を吸うのに対し、加熱式タバコは水蒸気を吸います。
熱によりタバコ葉に含ませたグリセリン類によって蒸気を発生させて煙の代用とするのです。
タバコ葉を用いているので、当然その蒸気にニコチンが含まれます。
一方、電子タバコは、タバコ葉ではなく、ニコチン等が入ったリキッド(溶液)を加熱してミスト化(気化)させ、その蒸気を吸引するものです。
禁煙するために加熱式タバコ・電子タバコに切り替える方も多くいらっしゃると思います。
しかし、残念ながら「加熱式タバコ=禁煙」「電子タバコ=禁煙」ではありません。
この切り替えよう、何とかしよう、という気持ちは尊重してあげたいなとおもいますが。
加熱式タバコ・電子タバコが禁煙にならない理由についてですが、この新型たばこにも依存性を高めるニコチンが含まれているからです。
(※薬事法で日本製の電子タバコにはニコチンを含むことは禁止されていますが、インターネットでニコチン添加リキッドの海外製電子タバコが入手が簡単に入手できてしまうようになりました…)
実際に、加熱式タバコと紙巻きタバコによるニコチン血中濃度の推移は、どちらもほぼ同じだといわれています。
もちろん商品によってもばらばらだとは思いますが、この研究データは驚きですよね!
そして、日本製の電子タバコはニコチンは含まれていないものの、電子タバコに使用されるリキッドの添加物には、大麻の成分であるテトラヒドロカンビノール、肺毒性の報告があビタミンEアセテート、加熱により発がん性物質のでるホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレインなどに変化するグリセロール、プロピレングリコール等が含まれると報告されています。
つまり、タバコというものは全て健康障害を与えるものなのです。
喫煙とは、簡単に言うならば「ニコチン依存症」です。喫煙は趣味や習慣ではなく、依存症。他に代用が効かない、ということです。
※まだ加熱式タバコに起因する健康障害に関する長期データや、口の中への影響(口腔疾患、口腔がん、歯周病など)に関するデータは揃っていません。
しかし、虚血性心疾患のリスクは、紙巻きタバコの吸う本数が少なくても、受動喫煙であっても急激に上がり、喫煙に容量的なリスク低減効果のないことが分かっています。たとえ、有害物質が少なくなっても、健康へのリスクが下がるわけではないのです。
【「でも、煙は出ないから周りに迷惑はかけないでしょ?」】
いいえ、周りにも健康障害を引き起こす可能性があります。それは、肉眼では見えにくい煙が出ているからです。
次の写真は、2次元レーザーにより可視化された呼出煙です。
喫煙直後、目には見えないエアゾルが手前に向かって3m先まで広がっているのです。
加熱式タバコは、煙ではなくエアゾル(水蒸気)を吸うのが特徴ですが、受動喫煙被害は発生します。紙巻きタバコと受動喫煙が起こる仕組みはまったく同じです。
加熱式タバコを吸う人は、前述したニコチンを含む有害物質などを吸引しますが、それらを全て体内で吸収せず呼吸に含み、吐き出しています。
その呼吸煙を周囲が吸い込むことで受動喫煙が起こります。
ただ、肉眼で見えにくいだけなのです。
臭いも軽いものが増えていますが、有害なのは変わりません。
本人だけの問題に留まらず、同居する家族や周りにいる人など不特定多数の人々の健康障害を引き起こす可能性があるということを知ってください。
【喫煙していると新型コロナ感染症にも影響?】
東京都医師会は、2020年3月12日に記者会見を開き、新型コロナ感染症の感染拡大を防ぐための「4つのお願い」を公表しました。以下4つです。
①無理せず休んでください。
②新型コロナが心配な方。まず電話で相談を。
③喫煙者はこの機会にぜひ禁煙を。
④新型コロナ対策による要介護高齢者等への2次被害を考えてください。
3つ目に禁煙が入っています。
「喫煙者の方は、重症化率2.2倍死亡率3.2倍との報告があります。
4月からは受動喫煙防止条例も全面施行となります。
非喫煙者のためではなく、ご自身の身を守るためにもこの機会にぜひ禁煙を考えてください」としています。
どうか、禁煙を。