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歯を噛むと痛い原因が、実は歯周病のはじまりだった|40代女性の体験談から学ぶサイン

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、
しらやま歯科クリニックの白山です。

今回のテーマは、「歯を噛むと痛い原因が、実は歯周病のはじまりだった」というお話です。
患者さんの中には「虫歯もないのに、噛むとズキッと痛い」という方がよくいらっしゃいます。
その裏には、歯ぐきや骨に起こっている変化が隠れていることが多いのです。

今日は、40代女性の患者さん・Mさんの実体験をもとに、
“噛むと痛い”という症状の意外な原因について詳しくお話ししていきます。


💬 40代女性・Mさんの訴え:「奥歯で噛むと痛い。虫歯かな?」

Mさんは40代前半の会社員で、デスクワーク中心のお仕事をされています。
「右の奥歯で噛むとズキッと痛いんです。虫歯かと思って…」と来院されました。

見た目では虫歯はなし。冷たいものもしみません。
しかし、奥歯で硬いものを噛んだときだけ、痛みが出るとのこと。

「朝起きたときに、なんとなく歯が浮いた感じもします」
「最近、歯ぐきがムズムズして、歯磨きのときに血が出ることも…」

この言葉で、私はピンときました。
——もしかして、歯周病のはじまりかもしれない。


🔍 診察で見えてきたのは「歯ぐきの炎症」と「軽い歯の動揺」

歯ぐきをチェックすると、奥歯の周囲に赤みと軽い腫れが見られました。
プローブという器具で歯周ポケットを測ると、4mm前後の深さ。
軽度の歯周病が進行しつつある状態でした。

さらに、指で軽く押すと、歯がわずかにグラグラ
これは歯を支える「歯根膜」や「骨」に炎症が広がり、
噛む力がダイレクトに響くようになっている証拠です。


⚖️ 歯周病とホルモンバランスの関係

Mさんのような40代の女性では、ホルモンバランスの変化が歯ぐきに影響することがあります。
特に更年期前後は、エストロゲン(女性ホルモン)の減少により、
歯ぐきの血流や免疫バランスが崩れやすくなります。

その結果:

  • 歯ぐきが腫れやすくなる

  • 炎症が治りにくくなる

  • 噛んだときに違和感が出る

といった症状が現れやすいのです。

Mさんも最近、「寝つきが悪くなった」「肩こりが増えた」と話されており、
おそらく更年期の影響も関係していたと考えられました。


😣 ストレスと歯の痛みの意外な関係

さらに、Mさんは「最近仕事が忙しくて、つい歯を食いしばっている気がする」と話していました。
この“食いしばり(クレンチング)”が歯ぐきの炎症を悪化させることがあります。

ストレスがかかると、無意識に歯を噛みしめる人が多いのですが、
この力が歯周病で弱った歯を揺らし、
結果として「噛むと痛い」状態になるのです。

つまり、Mさんの痛みは──

「歯周病+食いしばり+ホルモン変化」
という、複数の要因が重なって起きていたというわけです。


🦷 治療の流れ

① 炎症のコントロール

まずは歯石除去と歯周ポケットのクリーニングを行いました。
歯ぐきの腫れを抑えるために、超音波スケーラーで丁寧に汚れを除去。
歯磨きの仕方も見直してもらいました。

② 噛み合わせの調整

強く当たっていた奥歯の接触を微調整し、
噛んだときの負担を減らしました。

③ ナイトガード(マウスピース)の使用

就寝時の食いしばりを防ぐため、
透明のマウスピースを作成。
「朝起きたときの違和感が減った」とのこと。

④ ホルモン・生活習慣へのアドバイス

ストレス緩和や軽い運動、バランスの良い食事も提案。
「心と体のケアが、歯ぐきにもつながる」ことをお伝えしました。


😊 治療から1か月後の変化

Mさんは「噛むと痛い」症状がほとんど消え、
「歯ぐきのムズムズ感もなくなりました」と笑顔に。

定期的なメンテナンスを続けているおかげで、
現在も歯ぐきは健康な状態をキープされています。


📚 噛むと痛い=歯周病のサインかも?

「噛むと痛い」という症状が出たとき、
多くの方は“虫歯”を疑いますが、実際には以下のような原因も考えられます。

原因 特徴
歯周病の初期 噛むと違和感・歯が浮いた感じがする
噛み合わせの不調 一部の歯だけ強く当たる
食いしばり・歯ぎしり 朝起きたときに痛い・顎がだるい
歯根膜炎 炎症により噛んだ時だけ痛む
クラックトゥース(歯のヒビ) 虫歯なしで噛むとピキッと痛む

🪥 予防のポイント

歯周病や噛むときの痛みを防ぐには、
日常生活の中での意識とケアが重要です。

  1. 力を入れすぎない歯磨き
     強く磨くと歯ぐきが下がり、炎症を悪化させます。
     やわらかめの歯ブラシで、優しく細かく。

  2. 定期的な歯科検診
     歯石除去とポケットチェックで、早期発見が可能。

  3. 食いしばりの意識化
     日中に歯が当たっていたら、すぐ離す「リラックス法」を。
     寝る前に軽いストレッチも効果的。

  4. ホルモン変化に合わせた体調管理
     睡眠・食事・運動のバランスを整え、
     口腔内の免疫力を保ちましょう。


🏥 まとめ

「歯を噛むと痛い」というサインは、
歯そのものだけでなく、歯ぐき・骨・体調の変化からも来ることがあります。

40代は、ホルモンバランスやストレス、生活習慣の変化が重なりやすい年代。
「少し違和感があるな」と感じたら、早めのチェックが大切です。

しらやま歯科クリニックでは、
噛むと痛い原因を一つずつ丁寧に探り、
再発しないようにサポートしています。

「虫歯じゃないのに、噛むと痛い」
「最近、歯ぐきが腫れぼったい」
そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。

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