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こんにちは。
宝塚市の隣、兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている白山です。
虫歯を治療したり、子供の歯を治したり、矯正したりしています。
さて今回はこの前の記事の続き、電動歯ブラシについてです。
手磨きだけではきちんと磨けているのか心配、
歯周病の予防には超音波ブラシがいいと聞いた、
などの理由から、最近では電動歯ブラシの人気が高まっています。
当院でもよく「私も電動歯ブラシを使った方がいいのかしら」という相談があります。
そのブームに乗ってか、
高い清掃能力を持つ機種が続々と登場し、歯科医師の間でも好評を得ているものもあります。
ところが、歯や歯茎を傷つけてしまったり、
意外と磨き残しがあったりするケースも多く見受けられます。
電動歯ブラシを使っているからという気持ちの慢心が一番の原因な気がしますが…(笑)
手磨きでも、電動歯ブラシでも、歯磨きの基本はそれぞれの特徴を理解し正しく歯ブラシの使い方を身につけることが一番大切ですよね。
それでは、注意すべきポイントをおさえていきましょう。
一般的な手磨き用の歯ブラシは、小さなころから自然と生活習慣に入ってきているのではないでしょうか。
歯磨きは5年していません…みたいな人はもうほぼいないのではないでしょうか?
最近では、特に虫歯予防に意識の高い親御さんが増えてきており、
その使い始めの時期も早まっているように感じます。
特に兄弟がいる子供ちゃんは、お兄ちゃんおねえちゃんを見習って、5歳ぐらいでも結構しっかりと磨けていることもあります。
ほんとうに子供ちゃんたちの能力の高さには脱帽です。
多くの方が歯科医院を訪れ、歯科医師や歯科衛生士から、
お子さんの成長段階に応じた気をつけるポイントや道具の使い方の指導を受けられています。
一方、使い方の指導を受けても、意外と使い方が難しかったり、
きちんと磨こうと思うと時間がかかって面倒だったりするため、
子供・大人を問わず、正しく歯を磨けていないこともあるようです。
苦手なポイントは癖になるので、何歳になっても磨けていないことも多いですね。
実は、手用歯ブラシだけでは歯科医師や歯科衛生士のような歯の専門家であっても
100%の汚れを取り除くことは難しく、特に歯と歯の間には必ず磨き残しができてしまいます。
こうしてできる磨き残しが虫歯や歯周病の原因となり、将来的に歯を失ってしまうことにつながるため、
できる限り磨き残しを減らすための工夫は非常に重要です。
そうした背景から多くの人に注目されているのが、「電動歯ブラシ」です。
最近では性能のいい電動歯ブラシも登場していて、活用するメリットが向上しています。
大まかに4つのタイプに分けられますが、それぞれの特徴を簡単に見てみましょう。
最も基本的で安価なタイプが振動式の電動歯ブラシです。
内部モーターを使って毛先を振動させてプラークを取り除きます。
円形のブラシが回転する電動歯ブラシです。
普通の歯ブラシでは届きにくい、歯の裏側や奥歯にも毛先が届きやすくなっています。
振動式の歯ブラシにさらに音波振動を発生させて歯垢を取り除きます。
音波振動によって生じる高速の水流によって、毛先から数ミリ離れているプラークでも取り除くことができるため、歯と歯の間や歯周ポケットの磨き残しを大きく減らすことができます。
最も高価なタイプが超音波式歯ブラシです。
音波よりもさらに高い振動数でプラークを歯からはがして取り除きます。
また、細菌同士の連鎖を断ち切って、歯にプラークが付きにくくする効果があるため、虫歯や歯周病対策に有効です。
それぞれ大きく特徴が異なりますが、ここでは全ての種類を合わせて「電動歯ブラシ」と呼ぶことにしましょう。
清掃能力が進化した電動歯ブラシが続々と登場していますが、
一方で電動歯ブラシを使っているにもかかわらず、きちんと歯磨きできずに虫歯や歯周病にかかってしまうという人も多いようです。
これは電動歯ブラシの使い方を正しく理解していないことが主な原因です。
手用歯ブラシにも正しい磨き方があるように、電動歯ブラシも基本の磨き方があり、
それを知ることで十分な清掃効果を発揮させることができます。
どのような点に気をつけたらいいのでしょうか。
陥りがちな間違いは、次の2つです。
一つは、歯の表面がツルツル・ピカピカになったことに満足して、
歯と歯の間や奥歯の裏を磨くのを怠ってしまうケースです。
電動歯ブラシは洗浄(と言ったほうが伝わりやすいでしょうか?)力が強いので、
短時間の内に歯の表面が綺麗になります。
しかし、当然毛先が当たらない部分ではプラークが残ってしまいます。
虫歯になりやすいのは目に触れやすい歯の表面よりもむしろ歯と歯の隙間や奥歯の裏など、意識しなければ毛先が届かない場所です。
こうした場所のケアも意識しておきましょう。
二つ目は研磨剤入りの歯磨き粉を使って歯を傷つけてしまうケースです。
多くの歯磨き粉には研磨剤が入っていて、手用歯ブラシではこれが歯の表面を磨く、つまり着色汚れを落とす効果があります。
しかし、電動歯ブラシで同じ歯磨き粉を使うと力が強すぎて逆に歯を傷つけてしまうことがあるのです。
電動歯ブラシでは歯磨き粉を使わないか、研磨剤無配合の電動歯ブラシ用歯磨き粉を使用してください。
上記の注意点に気を付ければ、電動歯ブラシは歯のセルフケアに役立ちます。
正しい磨き方を身につけましょう。
電動歯ブラシも、手用歯磨きと同じように毛先は歯に対して直角に当てます。
超音波式の一部の物を除いて基本的には手用のように動かして磨く必要はなく、
そっと当てているだけで十分な清掃効果が得られます。
数秒ごとに毛先を当てる場所をスライドさせて、歯と歯の隙間や歯茎との境目も含めて口の中を一周させることで磨き残しを減らすことができます。
こうした電動歯ブラシの正しい磨き方を身につけることのメリットとしてまず挙げられるのは、
手用歯ブラシよりも短い時間でプラークを除去することができるということです。
忙しくて歯磨きの時間を十分確保することができないという人や、
丁寧に磨くのが面倒で磨き残しが多くなってしまうという人にとってのメリットは大きなものがあるでしょう。
とくに音波ブラシや超音波ブラシでは毛先が届かないところまでプラークを除去することができるため、
歯と歯の間や、歯周病によってできる歯周ポケットの中も洗浄することができ、歯周病の予防に効果的です。
一度、プラークの染め出し液を使用し、お持ちの電動歯ブラシでどこまでプラーク除去できているのか、確認されるといいでしょう。
そうして、届いていない部分があれば、フロスや歯間ブラシなど補助清掃用具を併用しましょう。
また、人は振動しているものを歯に当てるときには強く押しあてて動かすのではなく、そっと触れさせる傾向があるようです。
手磨き用歯ブラシだとすぐに毛先が開いて歯磨きの効率が落ちてしまうという人でも、
電動歯ブラシを使うことで適切な力加減で磨くことができるということもあるかもしれません。
(歯や歯茎を傷つけないように力加減には十分注意してください。)
大切なことは手用歯ブラシであっても、電動歯ブラシであっても、その特徴を理解し、磨き残しがないように正しく毛先を当てることです。