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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町2ー4ー13で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子供の矯正をしたりしています。
さて、今回はこどもの矯正の話。
良くある相談として、顎が狭く歯並びががたがたな子供の矯正相談があります。
こういう子は顎を広げるために器具を使うことが多いです。
もしMFTで治すとしたらどうなるのでしょうか。
叢生(そうせい)、つまり歯が重なって生えている状態は、通常、歯の位置が適切でないために発生します。これは、歯が適切なスペースで成長できない場合や、顎が狭い、あるいは筋肉の不均衡によって歯の成長に影響が出る場合などに起こります。叢生を解消するためには、矯正治療が一般的に行われますが、筋機能療法(MFT: Myofunctional Therapy)を併用することで、より効果的に治療を進めることができます。
MFTは、口腔周辺の筋肉(舌、唇、頬など)を適切に使うことを目的とした治療法で、特に成長期の子供に対しては、歯の位置を改善するための重要なアプローチとなります。MFTは、歯科矯正の補完的な治療として、歯並びをより良く保つためのトレーニング方法としても有効です。以下では、叢生の子供に対するMFTの実践方法や、その効果について詳細に解説します。
叢生は、歯が正常な位置に並ばず、重なったり、隙間ができたりする状態を指します。この症状は、上顎や下顎の骨格が狭い、歯が大きすぎる、あるいは舌の動きや唇の動きに不自然さがあることによって引き起こされます。これが放置されると、歯並びが悪化し、噛み合わせや口腔内の健康に問題を引き起こす可能性があります。
叢生が子供に見られる場合、その原因は遺伝的な要素や、習慣的な要素(指しゃぶりや舌癖など)、または口呼吸や不適切な舌の位置などの筋機能に起因することが多いです。このため、叢生を改善するためには、歯科矯正治療だけでなく、筋機能療法(MFT)を併用することが重要です。
MFTは、舌、唇、頬の筋肉を適切に使うことで、歯並びを改善するためのトレーニングです。これらの筋肉の使い方が適切でないと、歯が正しい位置に生えることを妨げ、結果として歯並びに悪影響を与えることがあります。
舌:舌は、歯並びに大きな影響を与える筋肉です。舌の位置が低かったり、前に押し出されていたりすると、歯並びに悪影響を与えます。MFTでは、舌を上顎にしっかりと押し当てることを意識させるトレーニングが行われます。
唇:唇の閉じる力が弱いと、口呼吸を引き起こし、歯並びに悪影響を与えます。唇をしっかり閉じる練習を行うことで、口呼吸を防ぎます。
頬:頬の筋肉が過度に強い場合、歯が押し出されることがあります。頬の筋肉を調整することで、歯並びの改善を目指します。
叢生の子供に対しては、以下のようなMFTのアプローチが行われます。
舌の正しい位置は、上顎の口蓋にぴったりとつけることが理想です。しかし、舌が低い位置にあると、歯が押されて叢生が進行することがあります。MFTでは、舌を上顎に正しく位置させることを訓練します。
舌の上顎への押し付け:舌を上顎の前歯のすぐ後ろの部分に押し当てることを繰り返し練習します。これにより、舌が自然に正しい位置に収まり、歯が正しい位置に導かれます。
舌の前後運動:舌を前後に動かすことで、舌の筋力を強化します。これにより、舌の動きがスムーズになり、正しい位置を保つことができるようになります。
口呼吸は、歯並びに悪影響を与える主な原因の一つです。口呼吸を改善するために、以下のようなMFTのアプローチが取られます。
唇を閉じるトレーニング:唇を閉じる力が弱いと口呼吸を引き起こします。唇を閉じる練習を行い、鼻呼吸を意識させます。
鼻呼吸の促進:鼻呼吸を促進するために、鼻を意識的に使って呼吸をする方法を指導します。鼻呼吸は、顔の発育を正常に保ち、歯並びの改善に役立ちます。
顎の位置が歯並びに影響を与えることがあります。特に、顎が前方に突出している、または後退していると、叢生が悪化することがあります。
顎のストレッチ:顎を前後に動かすことで、顎の位置を改善します。また、顎の筋肉を強化することで、歯の位置を安定させる効果があります。
頬の筋肉が強すぎる場合、歯が内側に押されて叢生を引き起こすことがあります。頬筋を調整することで、歯並びの改善を目指します。
頬を使った舌の支え:頬の筋肉を使って舌を支えることを意識的に行うことで、舌の位置が安定し、歯並びの改善が進みます。
指しゃぶりや舌癖は、歯並びに悪影響を与える習慣です。MFTでは、これらの習慣を改善するためのアプローチが取られます。
指しゃぶりの中止:指しゃぶりが歯並びに悪影響を与えている場合、指しゃぶりをやめるためのサポートを行います。
舌癖の改善:舌が前に出ている、または不適切な位置にあると、歯並びに影響を与えます。舌癖を改善するためのトレーニングを行い、舌の使い方を正します。
MFTは歯科矯正治療と併用することで、より効果的に叢生を改善することができます。矯正治療だけでは歯を動かすことができますが、筋機能を改善することによって歯並びの維持が容易になります。具体的には、MFTによって舌や唇、顎の筋肉の働きが正常化することで、矯正後の歯並びが安定しやすくなります。
叢生の子供に対するMFTは、歯科矯正治療と合わせて行うことで、歯並びの改善とその後の維持に大きな効果をもたらします。舌や唇、頬の筋肉の使い方を適切に調整することで、歯の位置を正し、口腔内の健康を改善することができます。MFTは、叢生の改善において重要な補完的な治療方法として、特に成長期の子供に対して効果的な手段となります。