歯周病と全身疾患:高齢者の健康を守るために知っておきたいこと
こんにちは。西宮市仁川町のしらやま歯科クリニックです。
高齢者の口腔ケアで見逃せないのが歯周病です。
「歯ぐきの腫れや出血くらいで大事?」と思われるかもしれませんが、歯周病は全身の健康に深く関わっています。
◆実際のケース:79歳男性・Oさん
Oさんは自宅で介護を受けながら生活していました。
ケアマネジャーさんから「最近疲れやすい、咳が出る」と報告があり、訪問歯科で口腔チェック。
診察すると、歯ぐきの炎症が進行しており、歯周ポケットも深くなっていました。
歯周病菌が血流に入り込み、血糖値のコントロールが悪化していたことが判明。
結果として、糖尿病の悪化や心血管リスクの増加に影響していました。
◆歯周病が全身に与える影響
- 糖尿病:慢性的な炎症で血糖コントロールが悪化
- 心血管疾患:動脈硬化や心筋梗塞のリスク上昇
- 誤嚥性肺炎:口腔内の菌が誤嚥によって肺に到達
- 認知症:慢性的炎症が脳の機能低下に関与
◆日常でできる予防ケア
- 毎日のブラッシング:歯垢や食べかすをしっかり除去
- 歯間ブラシ・フロス:歯と歯の間の歯垢を効果的に除去
- 入れ歯や口腔粘膜の清掃:部分入れ歯の場合も丁寧に
- 定期的な歯科健診:歯石除去や歯周ポケットのチェック
- 生活習慣の見直し:食事、糖尿病管理、禁煙など
◆ケアマネが観察すべきポイント
- 歯ぐきの腫れや出血
- 口臭や咀嚼・嚥下の変化
- 入れ歯や残存歯の状態
- 全身疾患の悪化や体調変化
◆訪問歯科でできるサポート
- 歯周ポケットの深さチェック・歯石除去
- 残存歯のブラッシング指導・入れ歯調整
- 口腔内の炎症管理と経過観察
- ケアマネや介護スタッフへの口腔衛生指導
◆まとめ
歯周病は高齢者の口腔内だけでなく、全身の健康に直結します。
ケアマネジャーさんが日常で観察し、早めに歯科に連携することが、誤嚥性肺炎や糖尿病・心疾患リスクの低減につながります。
シリーズ第2回では、「オーラルフレイルと栄養状態」をテーマに、噛む力や飲み込む力の低下が栄養・健康に与える影響と日常ケア方法を詳しく解説予定です。
高齢者の口腔ケアは、生活の質と全身の健康を守る重要な鍵です🦷✨
