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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている白山です。
虫歯を治したり、子供の治療をしたり、矯正をしたりしています。
スタッフとの意識の共有をもっとしっかりするために、矯正の勉強、復習をしました。
もちろん知っている内容ばかりですが、復習するのはいいですね。こういう時間をこれからも大事にしていきます。
その復習した内容をメモのような形になりますが、今回の記事にしたいと思います。
専門用語がガリガリ乗っていますので何を書いているのか不明かもしれませんが、「あー、こんな感じで勉強しているのだなー」と思って面白がっていただけると幸いです。
では行きます。
アングル1級 p5
アングルっていうのは上下の6がどう噛んでいるのかの指標です。
アングル1級が理想的
アングル2級が上顎前突になりやすい6の咬合
アングル3級が下顎前突になりやすい6の咬合 ってな感じです。
※1
アングルはあくまでも6の噛み方の話なので前歯部の話ではありません。
アングル2級だけど、前歯部はキレイ…みたいなパターンもあります。
※2
アングルは左右それぞれで判断します。
右はアングル1級だけど、左はアングル2級…みたいなパターンはしょっちゅうあります。
【本題】
アングル1級というのはp5の通り、5,5ミリ下顎6が上顎6より前に出ている状況をいいます。
目で見て分かる判断としては、上6の山が下6の溝にちょうど合っている状態。これを確認していきます。
反対にこれよりも下顎6が遠心に来ているときはアングル2級。
ズレが発生せずに“一歯”対“一歯”の状態になっていることが多いです。
これ以上に下顎6が遠心に移動してしまっている状態のことをアングルフル2級といいます。
難易度が抜群に上がるので、これは僕はしないです。
“一歯”対“一歯”状態の2級までならトライしようと思っています。
反対に下顎6が前に来てしまっている状態をアングル3級といいます。
1ミリ程度のズレであれば、トライすると思いますが、このケースのほとんどは下顎前突の前歯部の問題も抱えていますので、手を出さないかもしれません。
【じゃあ子供の歯も同じ?】
6歳以降などで6が生えていたらそこを基準に考えますが、8歳ぐらいから下顎はガツンと成長します。
(興味があれば上顎骨と下顎骨の成長の仕方は調べてみて下さい。)
なので、この成長も視野に入れながら考えます。
ちなみに…
もし6が生えていなければ、Eの遠心で考えます。
Eの遠心に沿って6が生えてきますので(ほぼ100%そう!)、上顎Eと下顎Eの遠心の線がどうなっているかで判断します。
話を戻します。
つまり、下顎骨がガツンと成長するに伴って下顎の6も前に出てきます。
このmm数なんかは個人差アリですが、1ミリから3ミリともいわれています。
なので上顎6と下顎6が“一歯”対“一歯”の関係だったとしても、そこから下顎6が前に出るのでアングル1級になる可能性は全然あります。
ではちょっと考えてみます。
子供の66の関係がアングル1級だったら…
子供の66の関係がアングル2級だったら…
子供の66の関係がアングル3級だったら…
まとめるとこんな感じ。
つまりこどもの時点でアングル3級なら、まずい…。
アングル1、2級は慌てない。でも様子は見ていく。って感じです。
【子供の矯正が必要なパターン】
・前歯部の反対咬合
・萌出不全を生み出しそうな叢生
・66と77がちゃんと咬めていない時(アングルとかではなくて鋏状咬合とかそういうの)
・アングル3級のとき
★基準平面で知っていてほしいもの P20
・フランクフルト平面 あんまりつかわないけど、一応横顔の基準になるライン
(FHtoSNが大きく基準とずれているときは、全ての検査数値がずれてしまう)
・SN平面 最重要! SNA、SNBを求めるために必要
・下顎下縁平面 このラインの傾きで、面長かどうかが決まる
★計測部位で覚えておくもの P21~
SNA 上顎が出ているかどうかの判断
SNB 下顎が出ているかどうかの判断
ANB 最重要!! SNA-SNBの計算で出る値
上顎と下顎の関係性が分かる
一番理想的な角度は2°(日本人)
-1°よりも小さければ下顎前突(-4°以上は骨切りの対象)
4°よりも大きければ上顎前突
このあたりはp9に書いています。
【最重要2!】 ANBが2°でU1toNAが6ミリ、L1toNBが6ミリというのが全ての理想形で、この数値にできる限り近づけるようにプランしていきます!
p53のシェブロンってやつです。赤字なのが理想です。
★U1toNA系
上顎の前歯部の審美的な傾きの確認
単体では使わないがインターインサイザルアングルの計算に使う
そもそも上顎より下顎の方が大事(後述します)
★L1toNB系
下顎の前歯部の審美的な傾きの確認
結構重要 下顎前歯部が全ての基準になったりする(後述します)
単体でも使う
★6PTV
そこそこ重要
上顎6の遠心にスペースがあるかの確認
まだ7が生えていない間に6を遠心に振ることは9歳前後でよくやるが、骨が少ないのに遠心に送ってしまって、7の生えるスペースがなくなってしまうのはダメ!
上顎前突などでヘッドギアを用いて遠心に送りたい時は絶対に計測
★インターインサイザルアングル
上顎前歯部と下顎前歯部との角度
乳歯だと170°ぐらい
永久歯だと131°ぐらいがベスト
この値より小さければ、上顎下顎共に出っ歯
この値より大きければ、被蓋が深いことが多い
★下顎下縁平面toフランクフルト平面の角度
この角度が大きいほど、面長の顔になる
例えば開咬とか
こういう人に対して臼歯部が伸びるような処置をしてはいけない。もっと顔が長くなるからね。
※この角度のことをFMAといいます。p10
FMAが35°以上になってくると、外見的な問題が出てくるので、治療対象になります。
もちろん35°以上になるような治療計画は立ててはいけません。
※下顎から始めなければいけない理由
上顎に比べて、下顎は骨がとても薄い
動かせる余地が少ない
過度に動かしたり、角度を変えると、骨から根尖が飛び出しとんでもないことになる。
なので、まずは下顎前歯部を動かせる骨の中でベストな位置に持ってきて、それに合わせて上顎前歯部を動かすプランを立てます。
では今から、下顎前歯部をどう動かしていくのかを計算していきます。P30
計測する点はまず3点!
・今の下顎の5から5の一本一本の歯の大きさを計測する
➡全部並べるときに必要な大きさ、これぐらいの骨の足場が欲しい
・6の近心から6の近心まで、今現在の骨の足場の量を計測する
➡ワイヤーを用いて、将来的な歯列を想像して、長さを測る。なんかアバウトだなーっていつも思う。
欲しい量と現在の量を引き算して、今現在どれぐらい足りていないかを計算する。
この値がクラウディング量になる。
6ミリになるのが理想なので、その値に合わせていく。
例えばL1toNBが10ミリだと、ギャップが4ミリ出ます。
前歯部を4ミリ引っ込めると、アーチとしては左右で倍になるので8ミリスペースが必要になります。
説明が文章だと難しいので、(L1toNB - 6)×2の分だけアーチが足りないって覚えてください。
詳しく聞きたければいつでも!
スピーの湾曲がどれぐらいついているかを見ます。
矯正すると基本的にこの湾曲が取れるので、歯列はマイナスになる。
要は足りなくなる。
この三つを使って、ボックススコアという方法で、どういう風に治すのか決めていきます。
ボックススコアはL1toNBが6ミリに近づけばいいなーって思いながら計算するやり方です。
つまり全てANBは2°で治るようにイメージしながらやっていきます。
(ANB2°、L1toNB6ミリ、U1toNA6ミリというのが理想でしたね!)
※
+というのは歯列の中に使うスペースが余っているという意味です。
-というのは歯列が足りない、このままじゃ叢生になっちゃうよという意味です。
それぞれのマスに数字を入れていきます。
クラウディング、カーブオブスピー、L1toNBはさっき計測したとおりに入れていきます。
(プラスマイナスには気を付けて!)
最後のエキストラクション(抜歯)は4抜きか5抜きか非抜歯かで数値が変わります。
・4を抜くと、二本合わせて15ミリの歯列のスペースを稼ぐことができるけれども、5ミリはロスしてしまうため、プラスの欄に15を書き込み、マイナスの欄に5を書き込みます。
・5を抜くと、二本合わせて15ミリの歯列のスペースを稼ぐことができるけれども、7,5ミリはロスしてしまうため、プラスの欄には15を書き込み、マイナスの欄には7,5ミリを書き込みます。
・非抜歯の場合は何も変わらないため、どちらも記入なしです。
例;
大臼歯関係1級
L1toNB 8ミリ
クラウディング -6ミリ
スピー 右:2ミリ 左:1ミリ
何番を抜けばいいでしょうか??
答え; + -
クラウディング 6
カーブオブスピー 1,5(左右の平均です)
L1toNB 4 ((8-6)×2です)
4抜き 15 5
合計 15 16,5
マイナスの方が左右合計すると1,5大きい
つまり前歯部だけで言うと0,75ミリ前に出る
5抜き 15 7,5
合計 15 19
マイナスの方が左右合計すると4大きい
つまり前歯部だけで言うと2ミリ前に出る
A、4抜きがいい!