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しらやま歯科クリニック

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第10弾👉「歯がグラグラする…それ、放っておくと危険です!」

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
これまで、「よくある歯のトラブル解説シリーズ」として、さまざまなお口の悩みをお話ししてきました。
今回はシリーズ最終回。テーマは少しドキッとするかもしれません。

「歯がグラグラする…これって、どうしたらいいの?」

実は、この“歯のぐらつき”には、放っておくととても怖い原因が隠れています。
最後まで読んでいただければ、「今すぐ歯医者に行こう」と感じていただけると思います。


◆ 歯がグラグラする原因とは?

歯がグラつくと、「もう寿命なのかな…」「年だから仕方ないのかな」と思う方も多いですが、
実は年齢だけが原因ではありません。

歯が動いてしまう理由には、大きく分けて3つのパターンがあります。


① 歯周病によるもの

もっとも多いのが、歯周病の進行によるぐらつきです。

歯は、歯ぐきの中に埋まっているだけではなく、**歯を支える骨(歯槽骨)**によって固定されています。
ところが、歯周病が進行すると、この骨が少しずつ溶けていきます。

歯ぐきが下がり、支えが減ることで、歯がグラグラ動くようになってしまうのです。

初期の段階では出血や腫れだけだったものが、
「噛んだときに違和感がある」「前歯が少し動く」などのサインに変わり、
さらに進むと、「歯が浮いたような感覚」→「噛むと痛い」→「自然に抜けてしまう」へと進行していきます。


② 噛み合わせ・歯ぎしりによるもの

歯周病がなくても、強い噛みしめや歯ぎしりが続くことで、歯を支える組織が傷つき、ぐらつくことがあります。

人は寝ている間に、無意識のうちに自分の体重以上の力で歯を噛みしめることがあると言われています。
とくにストレスが多い方や、集中して仕事・勉強をするタイプの方に多く見られます。

こうした「力の負担」が毎日続くと、歯の周りの骨がじわじわと吸収され、
健康な歯でもグラついてしまうことがあるのです。


③ 外傷や咬合の変化によるもの

転倒や事故などで歯に強い衝撃が加わったとき、
また、抜歯などで噛み合わせのバランスが崩れたときにも、歯が動くことがあります。

たとえば、奥歯を失ったまま放置していると、隣の歯が倒れてきたり、
反対側の歯が伸びてきたりして、全体のバランスが崩れます。

その結果、一部の歯に負担が集中し、揺れ始めてしまうのです。


◆ 「ぐらつく歯」を放っておくとどうなる?

残念ながら、歯がグラグラしている状態を放置しても、自然に治ることはありません。
むしろ時間が経つほどに、歯の支えは弱くなり、最終的には抜けてしまうことがほとんどです。

また、1本の歯がグラつくと、その周囲の歯にも負担がかかります。
結果として、連鎖的にほかの歯も動き出すことがあります。

つまり、早めに対処しなければ、「1本の問題」が「全体の問題」に広がってしまうのです。


◆ ぐらついた歯を守るためにできること

「でも、グラグラしたらもう抜くしかないんですよね?」
そう思われる方もいらっしゃいますが、早期に対応すれば、残せるケースもたくさんあります。

ここでは、治療の方向性を3つご紹介します。


① 歯周病の治療

まずは、歯ぐきの状態を改善することが最優先です。
歯石や細菌をしっかり取り除き、炎症をおさめることで、
歯を支える組織が引き締まり、動きが軽減することがあります。

歯周病の進行が軽度〜中等度であれば、歯を抜かずに安定させることも可能です。


② スプリント(マウスピース)による保護

歯ぎしりや食いしばりが原因の場合は、夜間にマウスピースを装着することで、歯や骨へのダメージを防ぎます。

透明で薄いタイプのものもあり、見た目にもほとんど気になりません。
「朝起きたときのあごの疲れが減った」「歯の動きが止まった」と実感する方も多いですよ。


③ 咬み合わせや欠損部の回復

失った歯をそのままにしておくと、噛み合わせのバランスが崩れます。
ブリッジや入れ歯、インプラントなどで欠損を補うことで、
他の歯にかかる負担を分散し、ぐらつきを防ぐことができます。

歯は1本1本が独立しているようで、実はチームプレー
1本が弱ると、全体のバランスに影響が出る——それが歯の世界の現実です。


◆ 「グラグラ」した歯は、抜く前に相談を!

歯が少し動くと、「もうダメかもしれない」と落ち込んでしまう方も多いのですが、
私たち歯科医の目から見ると、「まだ助けられる歯」はたくさんあります。

最近では、再生療法や骨を守る治療法も進化しており、
昔なら抜歯だったケースでも、しっかりケアすれば長く使えるようになってきています。

「少しグラつくけど、痛くないから様子見で…」
そんな方こそ、ぜひ一度ご相談ください。
早い段階での治療が、歯の寿命をぐっと伸ばします。


◆ 歯を失うと、心にも体にもダメージが…

歯を1本失うと、見た目や噛み合わせの変化だけでなく、
食事の楽しみや発音、さらには表情まで変わってしまいます。

また、「噛む刺激」が減ることで、脳の働きにも影響があるといわれています。
つまり、歯を守ることは“健康寿命”を守ることにつながるのです。


◆ まとめ:グラグラは、歯からの「助けて!」のサイン

歯のぐらつきは、体が出している小さなSOSです。
痛みがないうちに気づいて、行動できた人ほど、歯を長く保つことができます。

そして、歯を守る一番の秘訣は——
「定期的に歯科でチェックすること」。

歯ぐきの色や歯の動きをプロが確認することで、
自分では気づけない変化を早めにキャッチできます。

しらやま歯科クリニックでは、
「痛くなる前に来てもらえる歯医者」であることを大切にしています。

「最近なんだか歯が動く気がする」
「噛むと違和感がある」

そんな小さな違和感でも大丈夫です。
お気軽にご相談くださいね。


🌿 【シリーズ完結によせて】
「よくある歯のトラブル解説シリーズ」をここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございました。
“歯のトラブル”というと不安な話題が多いですが、
原因を知り、正しいケアをすれば、ほとんどの歯は守ることができます。

しらやま歯科クリニックは、これからも地域の皆さまの「笑顔と健康な歯」を守るために、
わかりやすい情報発信を続けていきます。

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