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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしているしらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子供の歯の矯正をしたりしています。
さて、今回は虫歯の話です。
みなさんは、こんな経験はありませんか?
歯がちょっとしみるけど、すぐ治まるから放っている
小さな黒い点が見えるけど、痛くないから大丈夫そう
忙しいから歯医者に行くのは今度にしよう
そのまま何ヶ月、あるいは何年も放置してしまう……。実はこれ、とても危険なことなんです。
今回は、虫歯を放っておくと体にどんな影響があるのか、どのように進行していくのかを分かりやすく解説します。
「まだ痛くないから大丈夫」は、一番危ないサインかもしれません。
まず知っておいていただきたいのは、虫歯は自然には治らないということです。
風邪などの一部の病気は、免疫の力で自然に治ることもありますが、虫歯は一度できてしまうと、進行を止めない限りどんどん悪化します。穴が空いた歯は、放っておくと再生することはありません。
虫歯は進行の段階によって、症状と治療方法が大きく変わります。ここでは、虫歯の進行を5段階に分けて説明します。
見た目:白く濁った部分
痛み:なし
処置:歯を削らず、フッ素塗布やブラッシングで再石灰化可能
この段階ではまだ自覚症状はありません。定期検診で見つけて対策することで進行を防げます。
見た目:黒っぽい小さな点や溝
痛み:なし、もしくは冷たいものに少ししみる
処置:小さく削って白い詰め物で対応
虫歯菌が内部へ侵入し始める段階。自覚症状が少ないため見逃しやすく、放っておくと象牙質まで進行してしまいます。
見た目:黒く大きくなった穴
痛み:冷たいもの・甘いものがしみる、時々痛む
処置:虫歯部分を削って詰め物(レジンやインレー)
強い痛みや炎症を起こす直前の段階です。このまま進行すると、歯の神経(歯髄)に到達してしまいます。
症状:ズキズキと強く痛む、夜眠れないほどの痛み
処置:神経を取る「根管治療」が必要
神経が壊死し、痛みが一時的に収まることもありますが、それは治ったのではなく“神経が死んだ”だけ。その後、歯の根の先に**膿がたまる(根尖性歯周炎)**という厄介な症状に進行します。
見た目:歯がほぼ崩壊、根だけが残る
症状:痛みがないこともあるが、膿が出る、腫れる、口臭
処置:抜歯が必要になることが多い
歯の保存が困難となり、抜歯→入れ歯やブリッジ、インプラントの選択肢へ進みます。周囲の歯や骨にも悪影響を及ぼすため、放置は非常に危険です。
虫歯の怖さは、口の中だけにとどまりません。長期間放置すると、全身の健康に影響を及ぼすこともあるのです。
虫歯が進行してできた膿から細菌が血管に入り込み、全身をめぐることがあります。特に心臓病や糖尿病などの持病がある方は、感染性心内膜炎などの重篤な疾患につながるリスクがあります。
神経が壊死し、膿がたまると、強烈な口臭や口の中の違和感が出てきます。人と話すことに不安を感じ、社会生活に支障をきたすこともあります。
虫歯で歯がなくなると、食べ物を噛みにくくなり、やわらかいものばかりを食べるように。するとタンパク質・ビタミン・カルシウムなどの摂取が偏り、全身の健康状態に悪影響が出ます。
特に高齢者の場合は、フレイル(虚弱)や認知症リスクにもつながると言われています。
虫歯の進行は、痛みが出てからでは手遅れのことも多いです。
特にC2〜C3に差し掛かると、一度治療しても再治療が必要になるケースや、神経を取る処置で歯がもろくなることもあります。さらに、放置して抜歯になってしまえば、もう元には戻りません。
虫歯は、定期的な歯科検診と正しいセルフケアによって防げる病気です。私たち歯科医師は、患者さんの「歯を守るため」に日々診療しています。
「痛くなる前」に来院
小さな虫歯でも、早期に対応
歯を削らずに済む時期を見逃さない
これが、歯を一生守るための大切な習慣です。
虫歯は、初期段階ではほとんど痛みがないため、放置してしまう方がとても多いです。しかしその結果、神経を失い、歯を失い、体の健康にも悪影響を及ぼすこともあるという事実を、ぜひ知っておいてください。
私たち「しらやま歯科クリニック」では、痛みのない虫歯も見逃さず、できるだけ削らない・抜かない治療を心がけています。
「ちょっとしみるかも…」
「黒い点があるけど、まあいいか…」
そんな小さなサインを放っておかず、ぜひお気軽にご相談ください。
大切な歯を1本でも多く守るために、今日から始めましょう。