誤嚥性肺炎予防:口腔ケアで肺を守る
こんにちは。西宮市仁川町のしらやま歯科クリニックです。
高齢者にとって、誤嚥性肺炎は命に関わる重大なリスクです。
「むせることが増えた」「咳が多くなった」などのサインを見逃さず、日常の口腔ケアで予防することが非常に重要です。
◆実際のケース:85歳男性・Kさん
Kさんは施設入所中で、食事中にむせることが増えていました。
ケアマネジャーさんからの報告で訪問歯科が確認すると、口腔内の清掃が不十分で歯垢や入れ歯の汚れが多く、誤嚥性肺炎リスクが高い状態でした。
歯科衛生士が清掃指導と嚥下体操を行い、入れ歯の調整を実施。
数週間後、むせの頻度が減り、体調も安定しました。
◆誤嚥性肺炎の原因とリスク
- 口腔内細菌が唾液とともに誤嚥される
- 噛む力・飲み込む力の低下(オーラルフレイル)
- 入れ歯の不適合や口腔清掃不十分
- 全身疾患や体力低下により防御反応が弱まる
◆日常でできる予防ケア
- 食前の口腔清掃:唾液・食べかす・歯垢をしっかり除去
- 嚥下体操・口腔運動:舌や口腔筋を動かして嚥下力を維持
- 入れ歯の適合確認:ずれや汚れを防ぐ
- 食事時の姿勢:背筋を伸ばし、ゆっくり食べる
- 水分補給:口腔乾燥を防ぎ、嚥下をサポート
◆ケアマネが観察すべきポイント
- 食事中のむせや咳の頻度
- 誤嚥の兆候(声が濁る、痰が増える)
- 体重の減少や体力低下
- 口腔内の清潔状態や入れ歯の汚れ
◆訪問歯科でできるサポート
- 口腔内の清掃・歯石除去・保湿指導
- 入れ歯の調整や適合確認
- 嚥下訓練・口腔筋トレの指導
- ケアマネや介護スタッフへの日常ケア指導
◆まとめ
誤嚥性肺炎は、口腔内の清掃不足や噛む・飲み込む力の低下が大きな要因です。
ケアマネジャーや介護スタッフが日常で観察し、訪問歯科と連携することで、リスクを大幅に減らすことが可能です。
シリーズ第4回では、「口の乾き(ドライマウス)対策で食事も会話も快適に!」をテーマに、高齢者の生活をより快適にする口腔ケア方法を解説予定です。
日常の観察と口腔ケア、歯科との連携で、高齢者の健康と生活の質を守りましょう🦷✨
