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こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
介護をされているご家族の中には、こうした悩みを抱えている方が多いです。
「母が車いすで、歯医者に行けないんです」
「父は足が悪く、移動が大変。訪問で歯の治療は可能でしょうか?」
結論から言うと、車いすのままでも訪問歯科は受けられます。
通院が難しい方でも、ご自宅や施設で安心してお口のケアを受けられるのが訪問歯科の大きな特徴です。
今回は、車いすでも受けられる訪問歯科の内容や流れ、ご家族が知っておくと安心なポイントを、じっくりご紹介します。
高齢者や障害のある方の中には、足腰が弱くなったり、寝たきりや車いす生活になる方もいます。
そうなると、歯医者への通院は大きな負担になります。
しかし、通院できなくても、お口の健康は守る必要があります。
口の中が不衛生になると、虫歯や歯周病はもちろん、誤嚥性肺炎のリスクも高まります。
食べる力や会話の力、ひいては生活の楽しみまで奪われてしまうこともあるのです。
訪問歯科は、「家から出られない=ケアできない」ではなく、
生活の場で安全に歯科ケアができる方法として、非常に有効です。
訪問歯科では、特別な診療台を必要としません。
歯科医師や歯科衛生士が、患者さんの座っている場所(車いす、ベッド、椅子)で、必要な処置を行います。
具体的には、
車いすの背もたれやクッションで姿勢を安定
頭や首を軽く支えて安全を確保
器具も持ち運び可能なものを使用
などの工夫で、安全に歯科治療や口腔ケアが可能です。
つまり、「通院できない=歯のケアができない」ではありません。
車いすの方でも、次のようなケアや治療が可能です。
口腔ケア(歯・舌・義歯の清掃)
虫歯や歯周病の予防だけでなく、口臭予防や誤嚥防止にもつながります。
入れ歯の調整・修理
合わない入れ歯は、食事を不快にしたり、口の中を傷つけたりします。
訪問歯科ではその場で調整・簡易修理も可能です。
虫歯・歯周病の治療
軽度の処置であれば訪問中に対応できます。
必要に応じて、通院が可能な場合はその準備もサポートします。
嚥下(えんげ)リハビリや口の体操
「食べにくい」「むせやすい」と感じる場合、舌や唇の筋肉を鍛える簡単な体操を行います。
ご家族へのケア指導
日常の歯磨きや義歯の管理、口腔体操の方法などを丁寧にお伝えします。
実際に訪問歯科を利用する場合、以下の流れが一般的です。
電話やメールで、訪問を希望する旨を伝えます。
ご本人の状態や生活環境を確認し、最適な日程を調整します。
歯科医師と歯科衛生士が伺い、お口の状態を確認します。
必要に応じて、その場で簡単な清掃や義歯の調整も行います。
口腔ケアや治療の必要性、今後の訪問頻度や方法について丁寧に説明します。
ご家族が安心できるよう、分かりやすい言葉でお伝えします。
患者さんの状態に合わせて、週1回〜月1回ほどの訪問でケアを継続します。
毎日のケアと組み合わせることで、口腔の健康を維持できます。
訪問歯科は、ご本人だけでなく、ご家族の安心も大切にしています。
車いすのままで安全に診療可能
ご自宅や施設なので、移動の負担がありません
医療保険・介護保険が使えます
ご家族へのケア指導で、日常の口腔ケアが楽になります
介護職やケアマネージャーと連携して、安心のサポート体制
「どんな治療ができるのか」「安全なのか」と不安に思う方も多いですが、
訪問歯科では、無理せず少しずつ進める安全なケアを心がけています。
口腔ケアを続けることで、車いす生活の方でも、次のような変化が期待できます。
食事がスムーズになり、栄養状態が改善
むせや誤嚥が減り、肺炎予防につながる
会話や表情が豊かになり、心の状態も安定
家族との時間がより楽しくなる
つまり、訪問歯科は体と心の健康を支えるケアなのです。
車いすでの生活が必要になったご本人を支える毎日は、大変で心配も多いと思います。
だからこそ、専門家の手を借りながら口腔ケアを行うことがとても大切です。
「通院できないから仕方ない」とあきらめる必要はありません
「食べにくそう」「口の中が汚れている」と感じたら、すぐ相談してください
小さなケアの積み重ねが、ご本人の生活の質(QOL)を高め、笑顔を増やしてくれます。
私たち しらやま歯科クリニック は、ご家族と一緒にそのお手伝いをしたいと思っています。
車いすの方でも、訪問歯科を利用すれば安心して歯の治療や口腔ケアができます。
家で安全に、無理なく、そして笑顔で食べる喜びを取り戻す──それが訪問歯科の大きな魅力です。
「通えないから」と諦めず、まずはご相談ください。
お口の健康を守ることは、食べる力・話す力・笑う力を守ること。
そして、それはご家族と一緒に過ごす時間の豊かさを守ることにもつながります。