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🌸鼻呼吸が苦手な子の特徴【第三回】

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。

これまでのシリーズでは、「口呼吸と鼻呼吸の違い」や「お口ぽかんになる理由」についてお話ししてきました。
今回は、その中でも特に多いご相談――
**「うちの子、鼻でうまく息ができていない気がします…」**というお話をテーマにしていきます。

鼻呼吸ができていないと、ただ「口が開いている」だけでなく、
体の発育や歯並び、集中力、姿勢にまで影響が出てしまうことがあります。

では、どんな子が「鼻呼吸が苦手」なのか?
そして、どうすれば改善できるのか?
詳しく見ていきましょう。


🌬️ 鼻呼吸が苦手な子とは?

「鼻呼吸が苦手」とは、本来は鼻で呼吸するのが自然なのに、口で息をする方が楽になっている状態をいいます。

つまり、鼻の機能やお口の筋肉のバランスがうまく使えていないということ。
放っておくと「口呼吸」がクセになり、様々な問題が起こります。


👃 鼻呼吸が苦手な子によく見られる特徴

お子さんを観察してみると、いくつか共通するサインがあります。
次のような特徴がいくつか当てはまる場合は、鼻呼吸がうまくできていないサインかもしれません。


① いつも口が開いている

一番わかりやすい特徴です。
テレビを見ているとき、勉強しているとき、寝ているとき――
無意識に口が開いている場合は、口呼吸が習慣化していることが多いです。

この状態が続くと、唇を閉じる筋肉が使われなくなり、さらに閉じにくくなるという悪循環に。
「ぽかん口」は、鼻呼吸が苦手なサインの代表です。


② 寝ているときにいびきをかく

鼻呼吸がスムーズにできていないと、寝ているときにいびきをかいたり、口を開けて寝ることがあります。
特に、お子さんのいびきは鼻づまりや扁桃肥大が関係していることも多く、放置は禁物です。

いびきが続くと、睡眠の質が下がり、朝すっきり起きられない、日中に集中力が続かないといった影響が出てくることもあります。


③ 口の中が乾きやすい・口臭がある

口呼吸になると、常にお口の中が乾いた状態になります。
唾液が減ることで、虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因にも。

朝起きたときに「お口がカラカラ」「口臭が気になる」という場合も、鼻呼吸がうまくできていないサインです。


④ 歯並びが乱れている

鼻呼吸ができない子は、舌の位置が低くなっていることが多いです。
舌は本来、上あごの内側にくっついているもの。

舌が下がると、あごの骨の成長が十分に広がらず、
結果として「出っ歯」「ガタガタ」「開咬(前歯が閉じない)」など、歯並びが乱れやすくなります。

このため、小児矯正を行うときには「歯を動かす」だけでなく、呼吸の習慣を整えることもとても大切になります。


⑤ 姿勢が悪い・猫背ぎみ

鼻呼吸がしづらいと、自然と頭を前に出して気道を確保しようとする姿勢になります。
結果として、背中が丸まり、猫背や前傾姿勢になりやすくなります。

この姿勢が続くと、あごの位置が後ろに下がり、口が開きやすくなる――
まさに「呼吸」と「姿勢」は表裏一体の関係なのです。


⑥ 集中力が続かない

鼻呼吸ができないと、体に十分な酸素を取り込めません。
特にお子さんの場合、脳への酸素供給が減ることで、集中力や記憶力が下がることがあります。

「すぐにぼーっとする」「勉強に集中できない」「疲れやすい」などの症状がある場合も、
呼吸の質が関係している可能性があります。


🩺 なぜ鼻呼吸ができなくなるの?

鼻呼吸が苦手になる背景には、いくつかの原因があります。

  • アレルギー性鼻炎・花粉症・副鼻腔炎などによる鼻づまり

  • 扁桃腺やアデノイドの肥大

  • 舌や口周りの筋肉が弱い

  • 姿勢の乱れ(猫背)

  • 口呼吸のクセがついている

これらが重なることで、鼻呼吸がしにくくなり、結果的に「口呼吸が楽」と感じるようになってしまいます。


🌼 鼻呼吸を取り戻すためのステップ

鼻呼吸が苦手な子でも、早めに対処すれば十分改善できます。
ここでは、家庭や歯科医院で行える取り組みを紹介します。


① 原因を明確にする

まずは、鼻そのものに原因があるのか、筋肉の使い方に原因があるのかを見極めましょう。
アレルギーや扁桃肥大が疑われる場合は、耳鼻科の受診がおすすめです。

一方で、鼻には問題がないのに口呼吸をしている場合は、口周りの筋肉や舌の使い方を見直す必要があります。


② 口腔筋機能療法(MFT)

歯科では、舌や唇の正しい位置を覚えるためのトレーニングを行うことがあります。
これを**口腔筋機能療法(MFT)**と呼びます。

「あいうべ体操」や「舌の上げ下げ」「唇を閉じる練習」などを通して、
自然に鼻呼吸ができるようにサポートしていきます。


③ 食生活の見直し

やわらかい食事ばかりだと、口やあごの筋肉が発達しにくくなります。
しっかり噛める食材(根菜・肉・果物など)を取り入れることが、口腔機能の発達を助けます。


④ 正しい姿勢を意識する

椅子と机の高さが合っていない、長時間のスマホ姿勢なども鼻呼吸の妨げになります。
背筋を伸ばして座る習慣をつけることで、呼吸がスムーズになり、あごの位置も安定します。


⑤ 矯正治療によるサポート

上あごが狭いと、鼻の通りも悪くなることがあります。
その場合は、**拡大床(かくだいしょう)**などの小児矯正装置を使い、上あごを広げて鼻腔を広げる方法があります。
これにより、鼻呼吸がしやすくなるケースも多くあります。


🌈 まとめ

鼻呼吸は、健康な発育に欠かせない大切な機能です。
しかし、現代の子どもたちはアレルギーや生活習慣の影響で、鼻呼吸が苦手なケースが増えています。

口が開いている
いびきをかく
集中力が続かない

――そんな小さなサインも、「呼吸のSOS」かもしれません。

しらやま歯科クリニックでは、歯並びだけでなく、呼吸・姿勢・筋肉のバランスを総合的に見ながら、
お子さんの「本来の呼吸」を取り戻すサポートをしています。

鼻でしっかり息をすることは、きれいな歯並びだけでなく、
健康でいきいきとした成長につながる第一歩です✨

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