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しらやま歯科クリニック

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🦷口呼吸と鼻呼吸の違い、知っていますか?【第一回】

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。

お子さんを見ていて、「なんだかいつもお口が開いている」「寝ているときに口で息をしている」と感じたことはありませんか?
実はそれ、「口呼吸」かもしれません。

呼吸の仕方ひとつで、子どもの健康や歯並び、そして顔の発育にまで影響が出ることがあります。
今回は、「口呼吸」と「鼻呼吸」の違いについて、歯科の視点から詳しくお話しします。


🌬️鼻呼吸とは? 体を守る自然な呼吸法

人間が本来行うべき呼吸は「鼻呼吸」です。
鼻は単なる空気の通り道ではなく、体を守る高性能なフィルターの役割をしています。

鼻の中には「鼻毛」や「粘膜」があり、空気中のホコリ・ウイルス・花粉などをキャッチして、体の中に入らないようにしてくれます。
また、鼻を通ることで空気が温められ・加湿されるため、肺にやさしい状態で届けられるのです。

つまり鼻呼吸は、

  • 空気をきれいにする

  • 適度な温度と湿度を保つ

  • 細菌の侵入を防ぐ
    という3つの大切な働きを持っています。

特に成長期のお子さんにとって、この「鼻呼吸」は免疫力を支えるためにも欠かせません。


👄口呼吸になると、なにがいけないの?

一方で「口呼吸」は、さまざまなトラブルを引き起こします。
一時的な鼻づまりなどで口呼吸になるのは自然なことですが、それが習慣化してしまうのが問題です。

ここからは、口呼吸のデメリットを少し詳しく見てみましょう。


① お口の中が乾燥する

口で息をすると、唾液が乾きやすくなります。
唾液には、細菌を洗い流したり、虫歯の原因となる酸を中和したりする働きがあります。

そのため口の中が乾くと、
🦷 虫歯になりやすい
🦷 歯肉炎が起きやすい
🦷 口臭が強くなる
といったリスクが高まります。

唾液は「天然の歯磨き剤」とも呼ばれるほど大切な存在。
口呼吸は、その唾液の働きを弱めてしまうのです。


② 歯並びやあごの成長に影響

口呼吸を続けると、舌の位置が下がり、上あごを広げる力が弱まります。
舌は本来、上あごの内側にぴったりくっついていることで、あごの発育をサポートしています。

しかし舌が下に落ちると、上あごが狭くなり、出っ歯・開咬(前歯が閉じない)・受け口といった歯並びの問題が生じやすくなります。
また、あごが細くなると鼻の通りも悪くなり、さらに口呼吸が強まる…という悪循環が起こります。


③ 風邪をひきやすくなる

鼻呼吸ではフィルター機能により、空気中の細菌やウイルスをブロックできます。
しかし口呼吸では、外気がそのままのどや肺に入ってしまうため、免疫が働きにくくなります。

結果として、
🤧 風邪をひきやすい
🤧 扁桃腺が腫れやすい
🤧 アレルギー性鼻炎が悪化する
といった症状を繰り返すお子さんも少なくありません。


④ 顔立ち・姿勢にも影響

口呼吸を続けると、常に口が開いた状態になり、口周りの筋肉(口輪筋)が弱くなります。
すると、お口ぽかん顔と呼ばれる特徴的な表情になります。

この状態が長く続くと、
・唇が閉じにくくなる
・下あごが後ろに下がる
・頬がたるみやすくなる
といった顔立ちの変化につながることも。

さらに、頭が前に出るような姿勢になり、肩こりや集中力の低下にもつながることが知られています。


🌼どうして子どもは口呼吸になりやすいの?

子どもが口呼吸になる理由はいくつかあります。
主なものを挙げると、

  • アレルギー性鼻炎や鼻づまり

  • 扁桃腺やアデノイドの肥大

  • 舌や唇の筋肉の未発達

  • 指しゃぶりやおしゃぶりの長期使用

  • 猫背やうつむき姿勢

こうした要因が重なって、無意識のうちに「口で息をするクセ」がついてしまうのです。

特に最近は、スマートフォンやタブレットを長時間見る姿勢も影響しています。
下を向くことであごが後ろに下がり、自然と口が開きやすくなるのです。


🌈鼻呼吸に戻すためにできること

「うちの子、口が開きっぱなしで…」と心配される保護者の方も多いですが、
早めに気づいて対策を始めれば、改善は十分可能です。

① 口を閉じる筋肉を鍛える

口を閉じる筋肉(口輪筋)を意識して使うことが大切です。
「あいうべ体操」や、風船をふくらませる遊び、ストローで飲む練習などは手軽にできるトレーニングです。

② 姿勢を整える

背筋をまっすぐにし、頭が前に出すぎないように意識しましょう。
猫背になると、下あごが引っ込み、口が開きやすくなります。

③ 鼻づまりを治す

慢性的な鼻炎やアレルギーがある場合は、耳鼻科での治療が必要です。
呼吸を妨げる原因(扁桃肥大・副鼻腔炎など)を取り除くことで、自然と鼻呼吸に戻れることもあります。

④ 歯科でのチェックも大切

口呼吸の背景には、歯並びや舌の位置の問題が隠れていることがあります。
小児歯科や小児矯正で、口やあごの成長を確認しながらサポートすることが重要です。


🪶鼻呼吸ができると、変わる未来

鼻呼吸ができるようになると、さまざまな良い変化が見られます。

  • 虫歯や歯肉炎になりにくくなる

  • あごの成長が整い、歯並びが安定する

  • 集中力や睡眠の質が向上する

  • 姿勢が良くなり、表情も明るくなる

呼吸という一見小さなことが、実は子どもの全身の成長と発育を支える基盤になっています。


💬まとめ

口呼吸は、単なる「クセ」ではなく、体が出しているサインです。
お口が乾きやすい、いびきをかく、唇が乾くなどの症状がある場合は、
鼻呼吸がうまくできていない可能性があります。

まずは、ご家庭でお子さんの「お口の閉じ方」を観察してみてください。
そして気になる場合は、歯科で一度チェックを受けることをおすすめします。

鼻呼吸を育てることは、きれいな歯並びと健やかな成長を守る第一歩です。
しらやま歯科クリニックでは、呼吸や舌の使い方を含めた“お口の成長サポート”を行っています。

お子さんの未来の笑顔のために、今日からできることを一緒に始めていきましょう😊

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