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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町2ー4ー13で歯医者をしているしらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、こどもの矯正をしたりしています。
さて、今回は小児矯正の話です。
小児矯正はさまざまな矯正方法があります。
それに悩んでいる人が多いと聞きました。
その人たちへ向けての記事になります。
それでは本題です。
子どもの歯並びや噛み合わせが気になってきたとき、耳にするのが「MFT」や「床装置(しょうそうち)」という矯正の方法。でもこれって、どっちも矯正のための治療法らしいけど、何が違うの?どっちを選べばいいの?と悩んでしまう保護者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、小児矯正の現場でよく使われるMFT(口腔筋機能療法)と床装置の違いを、分かりやすく解説していきます。
MFTとは「Myofunctional Therapy」の略で、日本語では「口腔筋機能療法」と呼ばれます。これは、舌・唇・頬・呼吸など、口のまわりの筋肉の使い方をトレーニングする療法です。
たとえば、次のような癖があるお子さんには、MFTがとても有効です。
口がぽかんと開いている
いつも舌が前に出ている(舌突出癖)
口呼吸になっている
嚥下(飲み込み方)にクセがある
これらの癖があると、いくら歯を動かしても元の位置に戻ってしまう(後戻り)可能性があります。そこで、MFTによって正しい舌の位置、呼吸法、嚥下の仕方を身につけることで、歯並びが自然に整いやすくなり、矯正後の安定にもつながります。
自然な口元や顔の筋肉の成長をサポート
装置を使わずにできることも多い
後戻りしにくくなる
効果が出るまでに時間がかかる
毎日のトレーニングが必要(自己管理がカギ)
装置での矯正と比べて目に見える変化は少ない
一方、床装置(しょうそうち)は、取り外し可能なプレート型の矯正装置です。主に、あごの幅を広げたり、歯が並ぶスペースをつくることが目的です。
成長期の子どもはまだあごの骨が柔らかいため、床装置を使ってゆっくりと骨を広げていくことができます。これにより、将来的に抜歯をせずに矯正を進められることも。
装置には「ネジ」がついていて、定期的に親御さんがネジを回して少しずつ広げていくスタイルが一般的です。
非抜歯矯正につながる可能性がある
あごの成長に合わせて使える
取り外し式なので食事や歯磨きがしやすい
決まった時間しっかり装着しないと効果が出にくい
紛失や破損のリスクがある
見た目にやや目立つこともある
比較項目 | MFT(口腔筋機能療法) | 床装置(しょうそうち) |
---|---|---|
アプローチ | 舌・唇など筋肉のトレーニング | プレート装置で物理的にあごを広げる |
目的 | 正しい口の使い方で自然に歯を整える | 歯が並ぶスペースをつくる |
装置の使用 | 基本は不要(補助的な器具を使う場合も) | 装着型の矯正装置を使う |
自己管理 | 毎日のトレーニングが必要 | 決まった装着時間を守る必要あり |
対象年齢 | 4〜5歳〜(大人も可能) | 主に6歳〜12歳(成長期の子ども向け) |
保険適用 | 自由診療(保険外) | 自由診療(保険外) |
実は、MFTと床装置はどちらか一方だけでは不十分なケースも多くあります。
たとえば、「床装置であごの幅は広げたけど、舌の癖が直っていないと歯が元に戻ってしまう」ということも。逆に、「MFTだけでは物理的なスペースが足りないから歯が並ばない」ということもあります。
そのため、最近では、
まずMFTで癖を改善してから床装置を導入
床装置と並行してMFTを指導する
といった形で、両方の治療を組み合わせて進めるのが主流になりつつあります。
子どもの矯正治療では、「歯並びだけを見る」のではなく、口の筋肉の動きや、骨の発達、呼吸や姿勢など、全体のバランスを見ながら進めることがとても大切です。
MFTは「内側から整える」方法、
床装置は「外側から形を作る」方法。
どちらも違った役割があり、正しく組み合わせれば、よりよい結果が期待できます✨
お子さんの歯並びが気になり始めたら、まずは矯正歯科での相談を。お子さんに合った治療法を一緒に考えてくれますよ!