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しらやま歯科クリニック

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だ液の分泌が悪くなると、虫歯になりやすくなる!?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。

だ液の分泌が悪くなると、虫歯になりやすい?

〜口のうるおいと歯の健康の深い関係〜

「最近、口の中が乾きやすい…」
「夜中に喉がカラカラで目が覚める」
そんな経験はありませんか?

口の乾き(ドライマウス)は単なる不快感だけでなく、虫歯のリスクを大幅に上げる要因のひとつです。
今回は、だ液がどのように虫歯予防に働いているのか、そして分泌が悪くなったときの対策について解説します。


1. だ液は「天然の虫歯予防液」

だ液は、ただ食べ物を湿らせるだけの液体ではありません。
口の健康を守るための“多機能液”で、特に虫歯予防には以下のような役割を果たしています。

虫歯予防におけるだ液の役割

  1. 洗浄作用
     食べかすや細菌を洗い流して、口の中を清潔に保つ。

  2. 緩衝作用
     食後、口の中は酸性に傾きます。だ液は酸を中和して、歯が溶けにくい環境に戻します。

  3. 再石灰化作用
     だ液に含まれるカルシウムやリンが、溶けかけた歯の表面を修復します。

  4. 抗菌作用
     リゾチームやラクトフェリンなどの抗菌成分が、虫歯菌の増殖を抑えます。


2. だ液が減るとどうなる?

だ液の分泌が減ると、これらの機能が低下し、虫歯リスクが一気に上昇します。

だ液減少による口内の変化

  • 食べかすや細菌が口に残りやすくなる

  • 酸性状態が長く続き、歯が溶けやすくなる

  • 再石灰化が十分に行われない

  • 舌や口内が乾燥して傷つきやすくなる

結果として、虫歯・歯周病・口臭が同時に進行する危険があります。


3. だ液が減る原因

だ液の分泌低下にはさまざまな要因があります。

主な原因

  1. 加齢
     年齢とともにだ液腺の働きが低下。

  2. 薬の副作用
     抗うつ薬、抗アレルギー薬、降圧薬などには口渇を引き起こす副作用がある。

  3. 口呼吸
     鼻が詰まっていたり、口を開けて寝る習慣があると乾燥しやすい。

  4. ストレス
     交感神経が優位になるとだ液分泌が抑えられる。

  5. 脱水
     水分摂取不足や発熱・下痢による水分喪失。


4. だ液を増やす生活習慣

だ液分泌を促すには、日常でできるちょっとした工夫が大切です。

① よく噛む習慣

  • 食事はゆっくり、1口30回を目安に噛む

  • 硬めの食材(ごぼう・れんこん・ナッツなど)を取り入れる

② 水分をこまめに取る

  • 常温の水やお茶をこまめに飲む

  • 甘い飲料やアルコールは逆に口を乾燥させやすい

③ 舌や頬の運動

  • 頬を膨らませる・すぼめる

  • 舌を上下左右に動かす

  • 舌回し運動(口の中で舌をぐるぐる回す)

④ キシリトールガムやシュガーレスキャンディ

  • 噛む刺激でだ液が出やすくなる

  • キシリトールは虫歯菌の活動を抑える効果も


5. だ液が減っているときの虫歯予防ポイント

だ液分泌が悪いときは、通常のケアに加えて“乾燥対策”を強化する必要があります。

  • フッ素入り歯磨き粉を使用(再石灰化を促進)

  • 夜寝る前の歯磨きを特に丁寧に

  • 就寝前に水分補給

  • 必要に応じて保湿ジェルや保湿スプレーを使用

  • 歯科医院で定期的にクリーニングとチェック


6. 医療機関を受診すべきサイン

次のような症状が続く場合は、自己判断せず歯科や内科で相談を。

  • 常に口が乾いている

  • 食べ物が飲み込みにくい

  • 味が感じにくくなった

  • 舌や粘膜にヒリヒリ感がある

  • 虫歯が短期間で複数できる

これらは単なる乾燥だけでなく、シェーグレン症候群や糖尿病など全身の病気が原因のこともあります。


まとめ

だ液は、口の健康を守るための“天然の防御システム”です。
分泌が悪くなると、虫歯のリスクが一気に高まり、さらに歯周病や口臭などのトラブルも同時に進行しやすくなります。

日常生活の工夫でだ液分泌を促し、必要に応じて歯科医院でケアを受けることが、健康な歯を長く保つ秘訣です。

今日から、噛む・潤す・鍛えるの3つの習慣で、口のうるおいと笑顔を守りましょう。

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