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だ液はどこで作られるの?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。

だ液はどこで作られるの?

〜口のうるおいを作る唾液腺のしくみ〜

口の中のうるおいを保つだ液(唾液)は、私たちの歯や口腔の健康に欠かせません。
「だ液が少ないと虫歯になりやすい」と聞いたことはありますか?
では、そのだ液はどこで作られているのでしょうか。今回は、だ液の産生場所と役割についてわかりやすく解説します。


1. だ液の役割

だ液は単なる水分ではありません。口の中でさまざまな働きをしています。

主な役割

  1. 潤滑作用
     食べ物を飲み込みやすくし、舌や口の粘膜を守る

  2. 洗浄作用
     食べかすや細菌を洗い流す

  3. 虫歯予防
     酸を中和し、再石灰化を助ける

  4. 消化作用
     デンプンを分解する酵素(アミラーゼ)を含む

  5. 抗菌作用
     リゾチームやラクトフェリンなどで細菌の増殖を抑える


2. だ液を作る場所(唾液腺)

だ液は主に**大唾液腺(だいだえきせん)小唾液腺(しょうだえきせん)**で作られます。


① 耳下腺(じかせん)

  • 場所:耳の下、顎の後ろあたり

  • 特徴:最も大きな唾液腺。透明でさらっとした“漿液性(しょうえきせい)”のだ液を作る

  • :唾液全体の約25%

  • 働き:食事中に活発に働き、咀嚼中の食べ物を湿らせる


② 顎下腺(がっかせん)

  • 場所:下顎の内側、あごの骨の下

  • 特徴:粘液と水分を含む“混合性”のだ液を作る

  • :唾液全体の約60〜65%

  • 働き:就寝中など、食事以外の時間にだ液を分泌して口の中を潤す


③ 舌下腺(ぜっかせん)

  • 場所:舌の下、口底部

  • 特徴:粘度の高い粘液性だ液が多く、口の中の粘膜を保護

  • :唾液全体の約5〜10%

  • 働き:口の中の潤滑、舌や口底の保護


④ 小唾液腺

  • 場所:口腔粘膜全体(頬の内側、唇、舌、口蓋など)

  • 特徴:小さな唾液腺が散在しており、口の乾燥を防ぐ

  • :全体の約10%

  • 働き:局所的に口の粘膜を潤す。夜間の乾燥防止に重要


3. 食事や生活でだ液はどう変わる?

だ液の分泌は自律神経によってコントロールされています。

  • 副交感神経が優位 → 水っぽいだ液が分泌され、食事中に活発

  • 交感神経が優位 → 粘度の高いだ液が少量分泌、緊張やストレス時に口が乾く

生活習慣が影響する例

  • よく噛む → 耳下腺や顎下腺を刺激して分泌促進

  • 水分不足 → 全体的に分泌が減少

  • 睡眠不足・ストレス → 交感神経優位で口の乾き

  • 加齢や薬の影響 → 分泌量が減ることがある


4. だ液の分泌が少ないとどうなる?

だ液が少なくなると、以下のようなトラブルが起きやすくなります。

  • 虫歯になりやすい

  • 歯周病が進行しやすい

  • 口臭が強くなる

  • 食べ物を飲み込みにくい

  • 舌や口の粘膜が傷つきやすい


5. だ液を増やす工夫

日常生活でだ液分泌を促すことができます。

  • よく噛む → 硬い野菜やナッツを食事に取り入れる

  • 水分をこまめに摂る → 常温の水やお茶

  • キシリトールガムやシュガーレスキャンディを噛む → 咀嚼刺激で分泌促進

  • 部屋の湿度を保つ → 乾燥を防ぐ

  • 舌や頬の体操 → 唾液腺を刺激する


6. まとめ

だ液は耳下腺、顎下腺、舌下腺、そして口腔全体の小唾液腺で作られています。
それぞれの腺がバランスよく働くことで、口の中を潤し、虫歯や口臭を防ぐ役割を果たしています。

口の乾きを感じるときは、単なる加齢や疲れだけでなく、だ液腺の働きや生活習慣も関係しています。
噛む・潤す・刺激する習慣を取り入れて、だ液の働きを助け、健康な口腔環境を守りましょう。

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