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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
〜口のうるおいを作る唾液腺のしくみ〜
口の中のうるおいを保つだ液(唾液)は、私たちの歯や口腔の健康に欠かせません。
「だ液が少ないと虫歯になりやすい」と聞いたことはありますか?
では、そのだ液はどこで作られているのでしょうか。今回は、だ液の産生場所と役割についてわかりやすく解説します。
だ液は単なる水分ではありません。口の中でさまざまな働きをしています。
潤滑作用
食べ物を飲み込みやすくし、舌や口の粘膜を守る
洗浄作用
食べかすや細菌を洗い流す
虫歯予防
酸を中和し、再石灰化を助ける
消化作用
デンプンを分解する酵素(アミラーゼ)を含む
抗菌作用
リゾチームやラクトフェリンなどで細菌の増殖を抑える
だ液は主に**大唾液腺(だいだえきせん)と小唾液腺(しょうだえきせん)**で作られます。
場所:耳の下、顎の後ろあたり
特徴:最も大きな唾液腺。透明でさらっとした“漿液性(しょうえきせい)”のだ液を作る
量:唾液全体の約25%
働き:食事中に活発に働き、咀嚼中の食べ物を湿らせる
場所:下顎の内側、あごの骨の下
特徴:粘液と水分を含む“混合性”のだ液を作る
量:唾液全体の約60〜65%
働き:就寝中など、食事以外の時間にだ液を分泌して口の中を潤す
場所:舌の下、口底部
特徴:粘度の高い粘液性だ液が多く、口の中の粘膜を保護
量:唾液全体の約5〜10%
働き:口の中の潤滑、舌や口底の保護
場所:口腔粘膜全体(頬の内側、唇、舌、口蓋など)
特徴:小さな唾液腺が散在しており、口の乾燥を防ぐ
量:全体の約10%
働き:局所的に口の粘膜を潤す。夜間の乾燥防止に重要
だ液の分泌は自律神経によってコントロールされています。
副交感神経が優位 → 水っぽいだ液が分泌され、食事中に活発
交感神経が優位 → 粘度の高いだ液が少量分泌、緊張やストレス時に口が乾く
よく噛む → 耳下腺や顎下腺を刺激して分泌促進
水分不足 → 全体的に分泌が減少
睡眠不足・ストレス → 交感神経優位で口の乾き
加齢や薬の影響 → 分泌量が減ることがある
だ液が少なくなると、以下のようなトラブルが起きやすくなります。
虫歯になりやすい
歯周病が進行しやすい
口臭が強くなる
食べ物を飲み込みにくい
舌や口の粘膜が傷つきやすい
日常生活でだ液分泌を促すことができます。
よく噛む → 硬い野菜やナッツを食事に取り入れる
水分をこまめに摂る → 常温の水やお茶
キシリトールガムやシュガーレスキャンディを噛む → 咀嚼刺激で分泌促進
部屋の湿度を保つ → 乾燥を防ぐ
舌や頬の体操 → 唾液腺を刺激する
だ液は耳下腺、顎下腺、舌下腺、そして口腔全体の小唾液腺で作られています。
それぞれの腺がバランスよく働くことで、口の中を潤し、虫歯や口臭を防ぐ役割を果たしています。
口の乾きを感じるときは、単なる加齢や疲れだけでなく、だ液腺の働きや生活習慣も関係しています。
噛む・潤す・刺激する習慣を取り入れて、だ液の働きを助け、健康な口腔環境を守りましょう。