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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
「最近、歯医者さんで“だ液検査”って聞くけど、何を調べるの?」
そう疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
だ液は、ただの“口の中の水分”ではありません。
健康な口内環境を保つために、非常に重要な役割を担っています。
そして、そのだ液を調べることで、虫歯や歯周病のリスク、口腔環境の状態を客観的に知ることができるのです。
今回は、だ液検査でわかること、検査方法、結果の活かし方まで詳しくご紹介します。
だ液検査は、口の中の状態を科学的に評価するための検査です。
歯科医院で行う場合、専用のキットを使い、だ液を採取して様々な項目を分析します。
調べられる主な項目は以下の通りです。
だ液の量(分泌量)
だ液のpH(酸性・中性・アルカリ性)
緩衝能(酸を中和する力)
虫歯菌の数(ミュータンス菌・ラクトバチラス菌など)
口腔内の清潔度(細菌量や食べかす残存量)
だ液の量や酸を中和する力が弱いと、虫歯の原因菌が作り出した酸が歯の表面に長くとどまり、歯が溶けやすくなります。
また、ミュータンス菌やラクトバチラス菌の数が多いと、虫歯の発生リスクが高くなります。
だ液中の細菌量や清潔度を調べることで、歯周病の進行リスクも推測できます。
プラーク(歯垢)や歯石が付きやすい人、炎症を起こしやすい人は、検査結果にも反映されます。
口臭の多くは、口腔内の細菌が作る揮発性硫黄化合物によるものです。
だ液検査で細菌量やだ液の状態を調べると、口臭がどこから来ているのか推測しやすくなります。
だ液には「洗浄作用」「抗菌作用」「再石灰化作用」「潤滑作用」などがあります。
その質や機能が低下していると、虫歯や歯周病だけでなく、口の乾きや食べ物の飲み込みにくさなど、様々なトラブルにつながります。
歯科医院でのだ液検査は、大きく分けて2種類あります。
ガムのようなパラフィンワックスを5分間噛み続け、出てきただ液を計測します。
5分間で1.0〜1.5ml以下しか出ない場合は、だ液分泌量が少ないと判断されます。
専用の試験紙や分析装置にだ液を垂らし、
pH
緩衝能
細菌数
酸産生能
などを数分〜数十分で測定します。
最近では、コンパクトな機器で数分以内に結果が出るタイプも増えており、その場で説明してもらえる場合もあります。
だ液検査は、単に「虫歯リスクが高いです」と言われるためのものではありません。
結果を踏まえて、自分に合った予防プランを立てることが大切です。
たとえば…
虫歯菌が多い → フッ素配合の歯磨き粉やキシリトールの活用
pHが低く酸性傾向 → 間食回数を減らす、食後すぐにうがい
だ液分泌量が少ない → 水分補給やガムでだ液腺刺激
歯周病菌が多い → デンタルフロスや歯間ブラシの習慣化
検査結果が「見える化」されることで、予防行動のモチベーションが上がるのも大きなメリットです。
虫歯や歯周病を繰り返してしまう人
口臭が気になる人
口がよく乾く人(ドライマウスの疑い)
お子さんの虫歯予防をしっかりしたい保護者
矯正治療中で口腔ケアが難しい人
だ液検査は、自分の口の中の弱点を知るための健康診断のようなものです。
「自分は虫歯になりやすいのか」「口臭は何が原因なのか」「どうすれば予防できるのか」を、感覚ではなく数値で知ることができます。
検査自体は簡単で痛みもなく、数分〜数十分で結果が出ることが多いので、
虫歯・歯周病予防の第一歩として、一度受けてみるのもおすすめです。