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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
お子さんを見ていて、テレビや本を読んでいるとき、口が半開きになっていませんか?
この「お口ポカン」は、単なるクセに見えて、実は身体の発達や健康状態と深く関わっています。
今回は、お口ポカンになる理由を分かりやすく解説します。
お口ポカンの大きな原因のひとつが、鼻呼吸が難しい状態です。
アレルギー性鼻炎(花粉症やハウスダストなど)
慢性的な鼻づまり
鼻中隔の曲がり(鼻中隔湾曲症)
アデノイドや扁桃腺の肥大
鼻から空気が通りにくいと、無意識に口で呼吸してしまいます。
その結果、日常的に口が開いたままの習慣がついてしまうのです。
本来、口は意識しなくても唇の筋肉や舌の位置によって自然に閉じられます。
しかし、柔らかい食べ物中心の食生活や、よく噛まない習慣によって、口輪筋(唇を閉じる筋肉)や舌の筋力が低下します。
すると、口を閉じる力が弱くなり、気づくと口が半開きになってしまいます。
舌の正しい位置は、上あごの前歯のすぐ後ろ、上あごの天井部分(スポットと呼ばれる位置)に軽くついている状態です。
しかし、お口ポカンの子は舌が下がってしまい、下の歯の裏に置かれることが多くなります。
舌が低い位置にあると、唇を閉じるサポートがなくなり、口が開きやすくなります。
長期間の口呼吸は、顎の骨や歯並びの成長に影響を与えます。
上あごが横に狭くなる
出っ歯や開咬(前歯が閉じない状態)になる
顔が縦に長くなる(ロングフェイス)
これらは見た目だけでなく、さらに口呼吸をしやすい形にしてしまうため、悪循環になります。
スマホやタブレットを長時間使う生活習慣により、首が前に出て背中が丸くなる「猫背姿勢」が増えています。
この姿勢は下あごが後ろに引かれ、気道が狭くなるため、鼻呼吸より口呼吸の方がしやすくなります。
その結果、お口ポカンの習慣が定着します。
最初は鼻づまりなど物理的な理由で口呼吸になっていたとしても、それが何週間、何ヶ月も続くと脳が「これが普通」と覚えてしまいます。
すると、鼻が通っていても口を開ける癖が抜けなくなります。
お口ポカンを放っておくと、
風邪や喉の炎症が増える(鼻のフィルター機能が使えない)
集中力の低下(酸素の取り込み効率が悪い)
歯並びの悪化
発音への影響(サ行・タ行などが不明瞭に)
といった問題が出てくることがあります。
耳鼻科で鼻の通りをチェック
アレルギーや扁桃腺の肥大などがあれば治療を優先。
歯科で口腔機能の評価
舌の位置や筋肉の使い方を見てもらう。
口の筋肉トレーニング
あいうべ体操、風船ふくらましなど。
よく噛む食生活
硬めの野菜や肉をしっかり噛む習慣をつける。
姿勢の改善
スマホ時間の見直し、椅子や机の高さ調整。
お口ポカンはただのクセではなく、鼻・口・舌・姿勢などの複合的な要因で起こります。
原因を見つけて改善すれば、見た目も健康も良くなり、お子さんの成長に大きなプラスになります。
「うちの子、よく口が開いてるな…」と思ったら、早めに医療機関で相談してみましょう。