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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
夜、子供やご家族の寝息を聞いていて「いびき」が気になることはありませんか?
「疲れているだけかな?」と思って放ってしまう方も多いのですが、実は いびきと口呼吸は深く関係している ことが分かっています。
今回は、なぜいびきが起こるのか、口呼吸とのつながり、そして改善のためにできることを歯科の観点から解説していきます。
いびきは、眠っているときに 空気の通り道(気道)が狭くなり、のどの粘膜や周囲の組織が振動することで生じる音 です。
つまり「空気がスムーズに流れていない」というサイン。
特に子供の場合、いびきをかくことは「ただの寝相」や「疲れているから」ではなく、 慢性的な口呼吸のサイン である可能性があります。
本来、人は鼻で呼吸するのが正常です。
鼻呼吸には以下のようなメリットがあります。
吸い込んだ空気を加湿・加温する
ホコリや細菌をフィルターでキャッチする
一酸化窒素の作用で血流をよくする
一方、口呼吸になると、これらの機能が失われ、 空気が乾燥したままのどに直接入る ため、気道の粘膜が腫れやすくなります。
その結果、気道が狭くなり、振動が起きやすくなることで「いびき」につながるのです。
鼻呼吸の人は、舌が上あごにしっかりついています。
しかし、口呼吸の習慣がある人は舌が下がり、のどの奥に落ち込みやすくなります。
寝ているときに舌がのどをふさぐような形になれば、空気の流れがさらに悪くなり、 いびきや無呼吸 を引き起こす原因になります。
子供のいびきでよく見られる原因のひとつが、 扁桃腺やアデノイドの肥大 です。
これらが大きくなると鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸に頼るようになります。
結果的に睡眠時にいびきをかきやすくなり、重度の場合は睡眠時無呼吸症候群につながることもあります。
「いびきくらい…」と軽く考えがちですが、子供にとっては成長に大きな影響を与えることがあります。
成長ホルモンの分泌不足:深い睡眠が妨げられる
学習への影響:日中の集中力低下や眠気
歯並びや顔の成長:口呼吸が続くと上あごが狭くなり、出っ歯やガタガタ歯になりやすい
免疫力の低下:口呼吸により細菌やウイルスが入りやすくなる
つまり、いびきは「ただの寝息」ではなく、 子供の健やかな成長に関わるサイン なのです。
まずは扁桃腺やアデノイドの肥大、鼻づまり(アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎)がないか確認することが大切です。
歯並びやあごの成長は、呼吸に大きく影響します。
小児矯正では、あごの成長を広げる装置(拡大床など)を用いて、気道を確保する治療もあります。
姿勢を良くする(猫背は気道を狭くする)
口を閉じるトレーニング(あいうべ体操など)
鼻呼吸を意識した習慣づけ
大人の場合、就寝時に使うマウスピースや口閉じテープで口呼吸を防ぐ方法もあります。
ただし子供の場合は専門家の指導が必要です。
いびきは「疲れているから」「遺伝だから」という単純なものではなく、 口呼吸の習慣や気道の問題 と深く関わっています。
特に子供のいびきは、成長や歯並び、学習面にまで影響を与える可能性があります。
もしお子さんのいびきが気になる場合は、耳鼻咽喉科や歯科に相談し、原因をしっかり調べることが大切です。
「よく眠れること」=「よく育つこと」
いびきの改善は、子供の未来の健康を守る一歩になるのです。