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こんにちは。
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。
虫歯を治したり、子どもの矯正をしたりしています。
私たちが地域で訪問歯科をしていると、よく耳にする声があります。
「介護のときに口腔ケアって大事なのは分かるけど、どうやってやればいいの?」
「本人が嫌がってなかなかできない…」
そうなんです。
口腔ケアは健康を守るうえで欠かせないのに、介護の現場では難しさもつきもの。
そこで今日は「介護の場で口腔ケアを行うときに気を付けたいこと」を、楽しく分かりやすくお話ししていきますね。
まずは大前提のお話。
高齢者の方は、歯が少なかったり入れ歯を使っていたり、唾液が減っていたりと、お口の環境が変化しています。
そこに汚れがたまるとどうなるでしょう?
口臭が強くなる
食欲が落ちる
歯ぐきの炎症や虫歯になる
誤嚥性肺炎のリスクが上がる
特に誤嚥性肺炎は、高齢者の健康にとって大きなリスク。
お口を清潔に保つことが、そのまま全身の健康につながるんです。
介護の場で一番大切なのは、安心感。
いきなりゴシゴシ歯ブラシを入れられたら、誰でもびっくりして嫌になってしまいますよね。
「今から歯をきれいにしますね」
「ちょっと口を開けてもらえますか?」
と声をかけながら、ゆっくり進めていくのがポイントです。
無理にこじ開けたり、嫌がっているのに続けると逆効果。
本人のペースを尊重しながら、「安心して任せられるな」と思ってもらうことが、ケアの第一歩です。
口腔ケアのときの姿勢はとても大事です。
寝たままの状態で歯を磨くと、唾液や汚れた水が喉に流れて、むせたり誤嚥したりするリスクがあります。
おすすめは「少し上体を起こした姿勢」。
ベッドの背もたれを起こしたり、車いすに座ってもらうなどして、なるべく前かがみの体勢で行うと安心です。
「誤嚥を防ぐ姿勢づくり」だけでも、口腔ケアの安全性がぐんと上がりますよ。
介護の場では、専用の口腔ケア用品を使うととても便利です。
スポンジブラシ:歯ブラシが難しい方に。やさしく汚れを拭き取れる。
口腔ケア用ジェル:唾液が少ない方に潤いをプラス。
入れ歯専用ブラシ:入れ歯の細かい汚れまで落とせる。
「普通の歯ブラシしか使っていなかった」という方は、道具を見直すだけでケアがぐんと楽になります。
歯だけではなく、舌・頬の内側・上あごも大切なケアポイントです。
舌の上には舌苔がたまり、細菌の温床になりやすい場所。
また、頬の内側や上あごも汚れが残ることがあります。
「歯ブラシ+スポンジブラシ+舌クリーナー」などを組み合わせて、お口全体を清潔に保つようにしましょう。
入れ歯を使っている方は、入れ歯のお掃除も欠かせません。
入れ歯は24時間お口に入っていると、細菌やカビが増えやすくなります。
夜は必ず外して洗浄剤につける
水で流すだけではなく、専用ブラシでこすり洗いする
定期的に歯科でチェックしてもらう
これを習慣にすることで、口臭や炎症のリスクを減らせます。
「食後に必ず歯を磨かなきゃ!」と思うと、介護の現場では負担になりがちです。
本人も介護者も疲れてしまいますよね。
大切なのは、1日の中で口の中を清潔にできる時間を持つこと。
食後すぐが難しければ、落ち着いたタイミングでも構いません。
「朝のケア」と「寝る前のケア」だけでも、十分に効果があります。
高齢の方は、日によって体調や気分が大きく変わります。
元気なときには積極的にケアできても、疲れているときには嫌がることもあります。
そんなときは無理にやらず、口をゆすぐだけにする、ジェルで潤すだけにする、といった工夫もOKです。
「毎回完璧に!」よりも、「できる範囲で続ける」ことの方が大切です。
介護の現場で「どうしても口を開けてくれない」「痛がってできない」という場面もあります。
そんなときは、歯科医師や歯科衛生士に相談してください。
私たち しらやま歯科クリニック も、訪問歯科で介護の現場をサポートしています。
定期的にプロがチェックすることで、ケアの仕方が分かりやすくなり、介護者の負担も軽くなるんです。
無理をせず安心感を大切に
姿勢を整えて誤嚥を防ぐ
専用の道具を使う
歯だけでなくお口全体をケア
入れ歯は毎日お掃除
時間帯は柔軟に工夫する
体調や気分を尊重する
専門職と連携する
この8つを意識するだけで、介護の場での口腔ケアはぐっと安全で快適になります。
口腔ケアは「歯をきれいにする」だけではありません。
食べる喜び、話す楽しみ、そして健康な毎日を守る大切なケアです。
介護の現場で「ちょっと難しいな」と感じたときには、どうぞ一人で抱え込まず、私たちに相談してください。
しらやま歯科クリニック は、地域の皆さまと一緒に「笑顔で暮らせる毎日」を応援しています。
訪問歯科も行っていますので、ご自宅や施設でも安心してサポートいたします。