食べる力を守る!オーラルフレイルを見逃さないコツ
こんにちは。西宮市仁川町のしらやま歯科クリニックです。
高齢者の「噛む力」「飲み込む力」「話す力」が徐々に低下する状態をオーラルフレイルと言います。
初期のうちは目立った症状が少ないため、ケアマネジャーさんや介護スタッフが気づきにくいのが現状です。
◆実際のケース:75歳女性・Kさん
Kさんは施設に入所中。食事中に少しむせることがありましたが、「年のせい」と思われがちでした。
ケアマネジャーさんの観察で「噛む回数が減っている」「食べこぼしが増えた」と報告があり、当院で診察。
診断の結果、舌の動きが弱まり、咀嚼筋も衰えている状態でした。
歯科衛生士による口腔機能訓練と日常での嚥下運動を組み合わせた結果、
食べる力が少しずつ改善し、むせる回数も減りました。
◆オーラルフレイルのサインとは?
ケアマネが日常でチェックできるサインをまとめました。
- 硬いものを避けるようになる
- むせることが増えた
- 食べこぼしやよだれが多くなる
- 声が小さくなった、会話が減った
- 歯や入れ歯の清掃がおろそかになる
◆見つけたらどう対応する?
- 早めに歯科へ相談
噛み合わせや入れ歯の調整、残っている歯の管理で改善が期待できます。 - 日常でできる口腔筋トレ
舌や口唇の運動、軽い咀嚼トレーニングを取り入れることで嚥下力を維持できます。 - 食事の工夫
食材の硬さや形を調整し、咀嚼しやすくすることで栄養を確保。
◆ケアマネが押さえておくポイント
- オーラルフレイルは早期発見で予防・改善が可能
- 観察した変化を記録・共有するだけでも歯科連携に役立つ
- 日常のケアと歯科の専門ケアを組み合わせることで、生活機能低下を防げる
◆訪問歯科でできるサポート
- 口腔機能訓練の実施と指導
- 入れ歯や噛み合わせのチェック・調整
- 唾液量の評価や保湿ケア
- 定期的な口腔清掃と歯科医師・歯科衛生士のフォローアップ
◆まとめ
オーラルフレイルは、見逃すと食べる力低下→栄養不良→健康リスク増加につながります。
ケアマネジャーさんが日常で観察し、早めに歯科に連携することで、高齢者の「食べる力」を守ることができます。
次回は第3回として、「入れ歯の清掃、これが正解!介護現場でできる日常ケア法」をお届けします。
実際の施設やご家庭でのポイントを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
ケアマネジャーさんと歯科が協力して、高齢者の健康と生活の質を守ることが、最も大切な予防ケアです🦷✨
