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【マイオブレース第20回】マイオブレース治療に向いている子・向いていない子

【第20回】マイオブレース治療に向いている子・向いていない子

こんにちは。兵庫県西宮市仁川町の「しらやま歯科クリニック」院長、白山です。
マイオブレースシリーズも第20回を迎えました。今回は、実際によくいただくご相談、
「うちの子、マイオブレースに向いていますか?」というテーマについて解説します。

マイオブレースは、ワイヤー矯正とは全く違うアプローチで、歯並びの原因そのものを改善する治療です。
しかし、誰でも必ず成果が出るわけではありません。特に習慣が大きく関わるため、
「向いている子」と「向いていない子」の傾向が存在します。

◆ マイオブレースに向いている子の特徴

① 素直にコツコツ続けられるタイプ

マイオブレースは「毎日のトレーニング」と「就寝時の装着」が基本になります。
そのため、小さな努力を続けられる子は、非常に治療効果が出やすいです。

② 大人が声かけできる環境がある

実は、親御さんの協力は治療成功の大きなポイントです。
「今日はトレーニングした?」「寝る前に装着しようね」など、
優しい声かけができる家庭では、習慣化がスムーズになります。

③ お口の癖がはっきりしている子

例えば、以下のような子はマイオブレースで特に改善が期待できます。

  • ・口呼吸が習慣化している
  • ・舌の位置が低い
  • ・頬の筋肉が弱く、口がポカンと開きやすい
  • ・飲み込み方が間違っている

これらは「歯並びを悪くする原因」であり、マイオブレースはここを直接改善する治療だからです。

④ 発育途中の年齢(5〜10歳)がベスト

歯や顎が発育しているこの時期は、マイオブレースの効果が最も出やすいゴールデンタイムです。
もちろん、11歳以降や中学生でも治療が可能ですが、早く始めるほど効果は高いです。

◆ マイオブレースに向いていない子の特徴

① 装置を入れるのを極端に嫌がるタイプ

マイオブレースは痛みが少ない装置ですが「お口に物を入れるのが苦手」という子は、慣れるまでに時間がかかります。
治療が不可能ではありませんが、成果が出るまで時間が長くなる傾向があります。

② トレーニングをまったくやらない

図鑑やタブレットに夢中になるタイプの子は、トレーニングをつい忘れがちです。
治療成功のためには1日5〜10分のトレーニングが不可欠で、これが習慣化できないと効果が出にくくなります。

③ 骨格的なズレが大きい場合

たとえば、上顎が大きく前に出ている/下顎が大きく後ろに下がっているなど、
骨格性の問題が強い場合は、マイオブレースだけでは改善しきれないことがあります。

この場合は、

  • ・まずマイオブレースで口腔機能を整える
  • ・その後にワイヤー矯正へ移行

といったハイブリッド治療を提案することがあります。

④ 本人に「やりたい」という気持ちがない

マイオブレースは「本人のやる気」によって結果が大きく変わります。
無理に始めると失敗しやすいため、最初は体験的に短時間の装着からスタートすることをおすすめします。

◆ 実際の治療では「向き・不向き」よりも“作戦”が大事

当院では、「この子に合ったやり方はどれか?」を重視しています。
たとえば、

  • ・装着が苦手 → まずは1分だけ入れてみる
  • ・サボりがち → 毎日同じ時間に“マイオタイム”を作る
  • ・飽きやすい → 親御さんと一緒にゲーム感覚で

このように、その子に合わせた工夫を行えば、多くのお子さんがマイオブレースを無理なく続けられます。

◆ まとめ:マイオブレースは「続けられる仕組み作り」が成功の鍵

マイオブレースに100%向いている子は存在しません。
そして、向いていないと思っていた子でも、環境や声かけを工夫することで、しっかり成果を出せるケースも多くあります。

しらやま歯科クリニックでは、治療開始前に必ず「できるかどうかの診断」「試し装着の体験」を行い、無理のないスタートをサポートしています。
「うちの子は続けられるかな…」と心配な方も、ぜひお気軽にご相談ください。

次回の第21回では、「マイオブレース治療を失敗させない3つのポイント」をお話します。

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