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こんにちは!
兵庫県西宮市仁川町で歯医者をしている白山です。
虫歯を治したり、子供の歯を治療したり、矯正したりしています。
さて、今回はみなさんの質問に答えようのコーナーです。
『歯医者ってなんであんなにも回数をかけなければいけないのだろう…』
歯科医院に通ったことがある方なら、だれもが思ったことのある疑問だと思います。
今回はその疑問に専門的にお答えしようと思います。
求めている答えかはわかりませんが、最後まで読んでくださいね!
口を開けて、何やら歯医者が器具を使ってやっているのをじっと耐える。
はい、お疲れさまでした。では、1週間後に。
えーー! まだ終わらないの!?
皆さん口にはしませんが、内心、こんなことを考えていらっしゃる方もいるのかな、と思います。
ご説明し、同意を得て治療を開始するよう努めているつもりですが、治療の回数が増えてくると、だんだん面倒になって通院するのが億劫になってしまう方もいらっしゃるでしょう。
その都度詳しく説明できれば理想なのですが、現実的には予約が立て込んでいたり急患の方が来院されると、なかなか難しいことがあります。
歯医者は、なぜお医者さんと違って何度も通わせるのでしょうか。
風邪なら、診察後にお薬をもらって、ゆっくり休養すれば終わりです。
治らなかったら再び受診するくらいでしょう。
糖尿病や高血圧などでは、薬が無くなったから受診する。これもわかりやすいです。
一方で歯科の場合は、1本の歯を治すのに、何度も何度も通わせる・・・。
儲け主義だ!!
と文句のひとつも言いたくなるのが人情です。
ですが、歯科に何度も通わなくてはいけない理由は、きちんとあるのです。
例えば、ある程度の大きさの虫歯になると、その場で削って詰めて終わりというわけにはいかなくなります。
詰め物やかぶせ物を、型を取って作る工程が必要なのです。
インレー(詰め物)・・・型取り、咬み合わせ → 製作 → 口の中へ入れる(合計2回の通院)
かぶせ物(土台がある場合)・・・土台の型取り → 土台の製作 → 土台を入れる → かぶせ物の型取り、咬み合わせ → かぶせ物の製作 → 口の中へ入れる(合計4回程度の通院)
入れ歯・・・型取り → 咬み合わせ → 試着 → 口の中へ入れる(合計4回程度の通院)
このように、数回の通院が絶対に必要なのです。
虫歯の本数が多ければ、その分さらに回数が増えます。
歯の根っこの治療はどうでしょう。
虫歯が、歯髄(歯の神経)に及ぶと、その歯髄を取り除く必要があります。
以前根っこの治療をした歯の場合は、詰まっている樹脂の薬を取り去って再度治療を行います。
歯髄にしろ樹脂の薬にしろ、取りっぱなしでは困るので、最終的には歯髄が入っていたスペースに新しい樹脂の薬を詰めるのですが、虫歯菌やら歯周病菌やらがウヨウヨいるところに詰めるわけにはいきません。
必ず将来問題が起きますので、それをできる限り避けるために、細菌がいない状態で薬を詰める必要があります。
歯髄の入っているスペースを歯髄腔や根管といいますが、特に根管は実に複雑な形をしているため、そこから細菌を除去するのは簡単なことではありません。
薬を変えたり超音波で洗浄したりと、あの手この手で細菌の数を減らそうとしていますが、敵もさるもの。
自分の周りにバリアーのような物を作って治療に抵抗したりします。
この根管内を無菌化するという治療は、正確にいついつ終わると予想はできません。
次回終わるかもしれないし、下手をすると数ヶ月かかるかもしれません。
さて、歯周病はどうでしょうか。
歯石取るのに何度も何度も・・・1回で取れ!
とお思いでしょうか。
歯石には、口の中に見えている歯石(縁上歯石)と、
歯周ポケット内の歯石(縁下歯石)という2種類があります。
歯周病治療ガイドラインによりますと、歯周病治療は、
歯周病検査 → 縁上歯石除去 → 歯周病検査 → 縁下歯石除去 → 歯周病検査 → 歯周外科 →・・・
と段階をふんで行うべきとされています(かなり簡素化して書いていますが)。
これは理にかなった流れだと思います。
検査して治療して、結果を検査で確認して次の治療をして、また検査で確認して・・・と、かなり丁寧な流れです。
患者さんの口の中は千差万別。
ひとりとして同じ状態の方はいません。
歯石がたくさんついている方もいれば、そうでもない方もいます。
1回で十分歯石が取れる方もいれば、数回に分けないと取りきれない方もいます。
歯周病が進んでいる方は、その分、治療回数が増えるのは当然と言えます。
長々と書いてきましたが、何度も歯医者に通わなければいけない理由が少しだけでもご理解頂けたでしょうか。
歯科治療は一般の人にはわかりにくい行為だと思います。
疑問点や不安点がありましたら、お気軽にお声かけください。ご予約はこちらから