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しらやま歯科クリニック

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MFT【サッキングスワロー】とはどんな体操?

こんにちは。

兵庫県西宮市仁川町2ー4ー13で歯医者をしている、しらやま歯科クリニックの白山です。

虫歯を治したり、子供の矯正をしています。

今回はMFTの話。

たくさんのMFTの体操の中で、サッキングスワローについて解説します。

それでは本編です。

MFTの中でも特に「サッキングスワロー(Sucking Swallow)」は、口腔周囲筋や飲み込み(嚥下)に関連する運動の一つで、発育段階における口腔機能の改善を目的として行われます。主に、子供や成人における不正な嚥下習慣を改善するために用いられますが、特に成長過程における口腔機能の発達をサポートする目的でも使用されます。以下では、サッキングスワローの目的、方法、効果について詳細に解説します。

1. サッキングスワローの目的

サッキングスワローは、主に以下の目的で行われる運動です。

1.1 口腔周囲筋の強化

サッキングスワローは、口腔周囲の筋肉を強化することを目的としています。特に、舌、頬、唇などの筋肉がしっかりと働くようにすることで、口腔内の機能を改善します。これらの筋肉は、食べ物を噛んだり飲み込んだりする際に非常に重要な役割を果たすため、強化することで、口腔機能全体が向上します。

1.2 不正な嚥下習慣の改善

正常な嚥下では、舌が上顎に接触し、食べ物が喉に送られる形になります。しかし、間違った嚥下習慣(例えば、舌が前方に出てしまうような習慣)を持っていると、歯並びに悪影響を及ぼしたり、食物がうまく飲み込めないことがあります。サッキングスワローは、舌の動きを改善し、正常な嚥下のパターンを促進するために使用されます。

1.3 発音の改善

舌や唇、頬の筋肉を鍛えることで、発音が改善される場合もあります。特に「さ行」や「た行」といった、舌を適切に使う音に対する発音が向上することがあります。この運動は、発音に問題がある子供や成人にも役立つことがあります。

1.4 嚥下機能の向上

サッキングスワローは、嚥下(飲み込むこと)の機能を向上させるための運動としても利用されます。飲み込む際には、舌や口周りの筋肉が協力して動く必要がありますが、この運動を行うことでその協調性が高まり、正常な嚥下を促進することができます。

1.5 口腔筋肉の協調性の改善

口腔内の筋肉の協調性を改善することは、食事を快適に取るためだけでなく、呼吸や話すことにも影響を与えます。サッキングスワローによって、これらの筋肉が協力して動くようになり、日常的な機能が改善されます。


2. サッキングスワローのやり方

サッキングスワローの運動は、非常にシンプルでありながら、効果的に口腔周囲の筋肉を鍛えることができます。以下は、サッキングスワローの基本的なやり方についての詳細です。

2.1 準備段階

  1. リラックスした状態で行う
    まず、サッキングスワローを行う前に体をリラックスさせることが重要です。身体が緊張していると、運動の効果が薄れ、逆に力が入りすぎてしまうことがあります。

  2. 立位または座位で行う
    運動は立って行っても座って行っても構いませんが、背筋を伸ばし、肩をリラックスさせた状態で行うことが推奨されます。体が安定していると、より効果的に筋肉を使うことができます。

2.2 サッキングスワローの基本的な運動手順

  1. 唇を軽く閉じる
    最初に、唇を軽く閉じて、口をしっかりと封じるようにします。この状態で呼吸は鼻で行います。

  2. 舌を上顎に近づける
    舌をできるだけ上顎に近づけ、吸い込むような動作を行います。この時、舌先が上顎の硬口蓋に軽く触れることが理想です。吸い込む動作を通じて、舌と口の周囲の筋肉を活性化させます。

  3. 舌を吸い込む
    舌を上顎に押しつける力を強くし、吸う動作を繰り返します。この動作を行うことで、舌や頬、唇の筋肉が連動して働き、筋肉の協調性が高まります。

  4. 舌をリラックスさせる
    吸い込みの動作が終わった後、舌をリラックスさせます。リラックスすることによって、筋肉の回復を促進し、運動の効果を高めます。

  5. 繰り返し行う
    これらの動作を10~15回程度、1セットとして繰り返します。無理に力を入れすぎず、適度な負荷で行うことが大切です。疲れてきた場合は、休憩を取りながら行ってください。

2.3 注意点

  • 無理をしない
    運動を行う際には、無理をしないようにしましょう。筋肉が疲れた場合は、無理に続けることなく休憩を取り、少しずつ回数を増やすようにします。

  • 姿勢に注意する
    姿勢を正しく保つことが重要です。猫背や体が前かがみにならないように気をつけ、背筋を伸ばした状態で運動を行うとより効果が得られます。

  • リラックスした状態で行う
    力みすぎると、かえって筋肉に余分な負担がかかってしまうため、リラックスして自然に舌を動かすことを心がけましょう。


3. サッキングスワローの効果

サッキングスワローを行うことによって得られる効果は多岐にわたります。以下に主な効果をいくつか挙げます。

3.1 筋肉の強化とバランスの改善

サッキングスワローを継続的に行うことで、舌や唇、頬などの口腔周囲の筋肉が強化され、機能が向上します。これにより、口腔内での筋肉の協調性が改善され、飲み込みや発音の正確性が高まります。

3.2 嚥下機能の改善

正常な嚥下動作には、舌や口周りの筋肉が協調して働くことが求められます。サッキングスワローは、この協調性を高める運動として、嚥下機能の向上を促進します。特に、舌を正しい位置に保ち、飲み込みを円滑に行えるようにするため、飲み込みやすさが改善されます。

3.3 口腔内の機能的な発達

特に子供の場合、サッキングスワローを行うことで、口腔周囲筋の発達を促し、正常な口腔機能を保つことができます。これにより、食事や発音に関連する問題が予防され、後の生活にも良い影響を与えます。

3.4 発音の改善

舌や唇、頬の筋肉が強化されることで、発音が改善される場合もあります。特に舌を使う「さ行」や「た行」の発音に対して、サッキングスワローは効果を発揮します。

3.5 歯並びへの好影響

サッキングスワローの運動は、舌が上顎に適切に位置することを促進するため、舌の位置が改善されることがあります。これにより、歯並びに悪影響を与えるような不正な舌の使い方(舌癖)を予防することができます。


4. サッキングスワローの適用例

サッキングスワローは、以下のような人々に適用されることがあります。

4.1 子供の口腔発達におけるサポート

発育段階にある子供に対して、口腔周囲の筋肉を強化するためにサッキングスワローが行われることがあります。これにより、正常な発音や嚥下機能が発達し、成長過程での問題を予防することができます。

4.2 成人の嚥下障害の改善

嚥下に問題がある成人に対しても、この運動は有効です。嚥下機能が低下している場合、サッキングスワローによって筋力や協調性を回復し、嚥下の安全性を高めることができます。

4.3 発音障害のある患者

発音に問題がある場合、サッキングスワローを行うことで、舌の動きや筋肉の使い方を改善し、発音をスムーズにすることができます。


結論

サッキングスワローは、口腔周囲の筋肉を強化し、嚥下機能や発音を改善するために非常に効果的な運動です。特に不正な嚥下習慣や口腔機能の発達が遅れている子供や、嚥下や発音に問題がある成人にとって有益な運動です。適切に行うことで、口腔機能の改善が期待でき、日常生活における飲み込みや発音の問題を解消する手助けとなります。

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