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奥歯にむし歯が出来たので歯医者さんで詰めて治して貰ったんだけど・・・
急に冷たい物がしみ始めたんだ。
本当にしっかり治しているの?ヤブ?
こんにちは、院長の白山です。
ちょっと怖い会話でしたね。
でも実際よくある会話だと思います。
歯科医師同士の中でもあるあるかもしれません。
しかし患者さんからしてみると
たまったもんじゃないですよね。
『せっかく治療したのだから、痛みぐらい無くしてよ!!!』
もっともだと思います。
ではなぜこのようなことが起きてしまうのか、
少し解説していきます。
今までしみたり症状がなかったのに、
むし歯で詰め物をして治して貰った途端にしみてきたら、
患者さんからは
「ちゃんと治してくれたのか?」
「むし歯を取り残しているんじゃないか?」
「ここの歯医者はヤブ医者で行ったらえらいことになるから、家族に行かないように勧めよう」
など不信感の塊になりますよね。
しかし、実際にはそういったことは全く無いんです。
どんな歯医者も自分の持てる技術を駆使して、
なんとか目の前の患者さんを幸せにしたいと
心から考えているものです。
むし歯が神経の近くまで進んでいた場合、
削った刺激で歯がしみることは、起こりえることなのです。
なぜしみるか?ですが、まずは歯の構造のお話をします。
歯は表面を「エナメル質」という硬い層で覆われています。
その中に「象牙質」があり、
神経の末端が入り込んだチューブの集合体のような構造をしています。
そしてその中心には、「歯髄」と呼ばれる神経や血管、軟組織があり、
その神経の末端が象牙質のなかまで伸びています。
象牙質を削ったり触れたりすると、痛みを感じます。
象牙質まで進んでいるむし歯「C2」を治療する場合、
細菌に感染した象牙質を削って取り除く必要があります。
そうしますと、象牙質に入り込んでいる神経の一部も感染をしていますので、
そこもしっかりと取り除くことになります。
むし歯の治療は一般の外科手術と同じなので、
神経の切れ端がむき出しになり、
その部分に詰め物をしたとしても、
冷温刺激が伝わりやすく、
しみてしまうことになってしまいます。
しかし、人間の体は上手く出来ていまして、
むき出しになった神経に刺激が伝わり続けると、
「第2象牙質」と呼ばれる防御機構が働き、封鎖をしていきます。
期間的には、3ヶ月以上かかると言われています。
元々むし歯でしみなかったのは、
むし歯に感染している象牙質が柔らかくなり、
いわゆる断熱材やクッション材のような働きをしてしまい、
結果むし歯の状態の時はしみたりなどの症状は起きていなかったのです。
ですから、患者さんが思われるような不審なことは、全くないのです。
神経を残すことは非常に難しいことなのです。
しみるのなら、神経を取った方が楽だとお考えの方もお見えでしょうが、
神経を取ってしますことのリスクは多いです。
まずは、説明を受け、「しばらくは様子を見る」ことを大切にしてください。